M-1グランプリは、笑いを愛する日本中の人々にとって、年末の楽しみのひとつです。しかし、そんなM-1の歴史にはいくつかの放送事故やハプニングがありました。
2001年、第1回M-1グランプリにおいて、予想外の出来事が発生しました。この年、おぎやはぎが決勝に進出しましたが、審査結果が彼らにとって厳しいものでした。当時の審査方式は、札幌、大阪、福岡の一般視聴者が参加する「視聴者審査」とスタジオの審査員の合計点で競われる形式でした。

しかし、おぎやはぎは大阪で9点、札幌で22点、福岡で12点という驚くほど低い点数を受けてしまいます。観客からは驚きの声が上がり、会場は一時騒然としました。これに対し、スタジオ審査員の松本人志さんは「大阪の客は頭おかしいんちゃう?」と、感情をあらわにしました。
笑いの好みの地域差が顕著に表れたこの出来事は、M-1史上初の放送事故とされ、その後、一般視聴者による審査は廃止されました。
2002年のM-1では、落語界の大御所、立川談志さんが審査員として参加しました。しかし、彼のコメントはあまりにも辛辣で、視聴者や参加者を困惑させました。
特に注目を浴びたのは、テツandトモへのコメントです。彼らの「なんでだろう」のネタは観客を爆笑させましたが、談志さんは「お前らここに出てくるやつじゃないよ、もういいよ」と言い放ちました。この言葉に会場は凍りつきましたが、談志さんは「俺、褒めてんだぜ」と言い、さらに場を混乱させました。
これは、テツandトモがすでに芸風を確立しているとみなされ、寄席などの舞台で輝くべきだというエールだったのですが、その伝え方があまりにも過激でした。結果的に、この出来事もM-1の歴史に残る放送事故となりました。

2017年のM-1グランプリで起きたのは、上沼恵美子さんとマヂカルラブリーの衝突です。この年、マヂカルラブリーは独特なスタイルの漫才を披露しましたが、審査員の反応は厳しいものでした。特に上沼恵美子さんは、83点という低い点数をつけ、「ごめん、聞かないで」と感想を拒否しました。
この発言に対し、マヂカルラブリーは反論しようとしましたが、上沼さんは「本気でやってんの?」と声を荒げ、場の空気が一気に緊張しました。この衝突は、M-1史上でも特に大きな炎上騒動となり、SNSやメディアで大きく取り上げられました。
その後、マヂカルラブリーは2020年にリベンジ優勝を果たし、この時の苦い経験を乗り越えたと言われています。

2018年のM-1グランプリでは、優勝を逃したとろサーモンの久保田さんとスーパーマラドーナの武智さんが、上沼恵美子さんに対して暴言を吐くという事件が発生しました。問題の発端は、M-1終了後に居酒屋で行われたインスタライブです。
この配信中、武智さんは「更年期障害」といった不適切な発言をし、久保田さんも同調する形で上沼さんを非難しました。
このライブ配信は瞬く間に広がり、大炎上。松本人志さんや他の吉本興業の大御所が事態の収拾に乗り出しましたが、この騒動をきっかけに、とろサーモンとスーパーマラドーナはテレビから姿を消すことになりました。

この事件は、M-1史上でも最も大きなスキャンダルのひとつとして記憶されています。
M-1グランプリは、生放送という特性から、予期せぬハプニングが起きることがしばしばあります。しかし、そんな出来事があるからこそ、M-1は多くの視聴者にとって特別な存在であり続けているのでしょう。これからも、笑いと共に新たな伝説が生まれることを楽しみにしています。