パリ五輪が幕を閉じ、数々の感動と共に残ったのは、早田ひな選手の「特攻」に関する発言でした。彼女の発言は、卓球の世界での活躍とともに、SNS上で議論を巻き起こしました。そして、この騒動に対し、サンドウィッチマンの伊達みきおが発した言葉が、多くの人々の心を打ったのです。

パリ五輪と平和の祭典の陰

2024年のパリ五輪は、平和の祭典であるにもかかわらず、戦争や紛争が身近に感じられるヨーロッパの地で行われました。ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルとハマスの戦闘が続く中、パリ市内の多くの場所が厳重な警戒態勢に置かれ、選手村や競技場周辺は警察や軍が警備に当たっていました。

このような状況下で、卓球女子シングルスと団体で銀メダルを獲得した早田ひな選手が、帰国時の記者会見で発した発言が大きな波紋を呼びました。彼女は「鹿児島の特攻資料館に行きたい」と語り、「生きていること、卓球ができているのは当たり前ではないと感じたいから」とその理由を述べました。

早田ひな選手の真意とは

早田選手の発言は、彼女の出身地である九州で過ごしたいという意図を示すものでした。しかし、ネット上では一部の人々がその言葉を過剰に反応し、「特攻を美化している」と批判する声も上がりました。中国と韓国の一部メディアでも、彼女の発言が波紋を広げ、中国の卓球選手が早田選手のSNSフォローを外すという行動にまで発展しました。

早田選手の意図は、戦争の恐怖を知り、平和の尊さを改めて感じたいという純粋なものです。彼女は、オリンピックを通じて、平和にスポーツができることの幸せを考えたかったのです。

しかし、歴史的背景が絡むと、個々の発言も過剰に解釈されてしまうものです。

伊達みきおの神回答：「戦争は絶対にしちゃダメなんだ」

この騒動に対して、人気お笑いコンビ・サンドウィッチマンの伊達みきおがテレビ番組で語った言葉が、多くの共感を呼びました。彼は、自身も鹿児島の「知覧特攻平和会館」に訪れた経験を語り、早田選手の発言を擁護しました。

「戦争を美化しているわけじゃない。そういうところへ行って、絶対に戦争を繰り返しちゃいけないんだっていうのが分かる施設なわけです」

さらに、「若い子がそういうところに行って、いろいろ勉強するのはいいと思う」とも述べ、早田選手の発言が誤解されることなく、彼女の真意が正しく伝わることを願う言葉を続けました。

経験に基づく伊達の言葉の重み

伊達みきおは、東日本大震災で命を落としかけた経験を持つ人物です。2011年3月11日、彼は宮城県気仙沼でテレビのロケ中に震災に遭遇し、津波と火災によって命の危険にさらされました。そんな過酷な状況を生き抜いた彼だからこそ、戦争や災害の恐怖を理解し、平和の大切さを痛感しているのです。