"父の葬儀の日_夫は愛人を車に乗せて去った" 第3話
「らない」
「は?」
「私も理だから」
浩司の眉にしわが寄った。
「おがらないわけないだろ」
「じゃあ、どうして聞くの?」
「相続の続きに必だろ」
「弁護士さんがやってくれるって」
浩司は舌打ちした。
「弁護士なんか入れたらかかるだけだろ」
由美は何も言わなかった。
「の権利は?」
「分からない」
「定期預は?」
「分からない」
「由美」
「何?」
「昨から何なんだよ、その態度」
由美は浩司を見た。
駅で置きりにした妻が、どうやって帰ったか。何に着いたか。何も聞かない。
父の遺産だけを聞く。
それだけで分だった。
「昨、美穗さんとどこへったの?」
浩司の顔がしいた。
「会社の話だよ」
「夜まで?」
「忙しいんだ」
「そう」
由美はそれ以聞かなかった。
浩司はしたように息を吐いた。
まだ何もられていない。
そうったのだろう。
第3章 30万円のネックレス
森田法律事務所で、由美は父がまとめた資料を初めて詳しく見た。
会社名義のカード利用。取引先への支払い。複数座の送。
父自が調べたものではない。田から受け取った資料を、森田が理したものだった。
「お父様は半ほど、田さんから相談を受けています」
「父と田さんが?」
「昔、域の将会でりったそうです。田さんが会社を追われた、偶然再会して」
資料には、自然なが複数あった。
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18万円。
42万円。
31万8000円。
宿泊施設。ジュエリーショップ。級レストラン。
会社経費として処理されているものもある。
由美の目が止まった。
ジュエリーショップ。31万8000円。
付は3ヶ。
その頃、父の褥瘡が悪化し、医療用マットレスと介護用品で11万円ほど必だった。由美が浩司に相談すると、「今は会社の支払いで無理」と言われた。
由美は父からもらったコートを売った。6万8000円。りない分は、自分の結婚の貯からした。
そして昨。
美穗の首には、しいダイヤのネックレスがあった。
「この支払い」
由美が聞く。
森田が資料を見る。
「田さんによると、私利用の疑いがあると」
「31万8000円」
由美は数字をもう1度見た。
介護ベッド14万円。
マットレスと用品11万円。
父の通院タクシー代。
オムツ代。
薬。
1円単位で迷った。
その期に。
夫には、へ30万円以のネックレスを買うがあった。
由美は泣かなかった。
代わりに、浩司へ話もしなかった。
そのの午。父のへ戻り、古い計簿をした。
いつ。何に。いくら必だったか。浩司へ何を頼んだか。答えは何だったか。
5分を、静かにきした。
第4章 田が「悪」ではなかった
翌。
森田の事務所で田と会った。
55歳。髪の増えた男性だった。
由美は3に1度だけ会ったことがある。
当、浩司は田についてこう言っていた。
「会社のにをした。
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昔から信用できないところがあった」
由美は信じた。夫の言葉だったから。
田は由美を見ると、くをげた。
「ご主のことで、もっとくお伝えできればよかった」
「どういうことですか」
田は分いファイルを机に置いた。
「3、会社の資繰りが悪化しました。浩司さんは取引先への支払いを遅らせながら、別座へを移していました」
「別座?」
「会社名義ではありますが、実際には私支にい使い方です」
ホテル。。ブランド品。。
田は経理責任者として止めようとした。
その直。逆に「田が資を流用した」という話が社内に広まった。
「私をせば、帳簿を自由にできると考えたんでしょう」
「証できなかったんですか」
「当は無理でした。アクセス権もされ、取締役会でも浩司さん側が数でした」
田は会社をった。
その。父と偶然再会した。
「正雄さんから、浩司さんがや預について細かく聞いてくると言われました」
そこで田は、自分がっている会社の状況を父に話した。
父はすぐに森田へ相談した。
由美は、20の結婚活をい返した。
浩司は困ると、誰かを悪者にした。
田が消えたは、田が悪い。
会社が苦しいは、景気が悪い。
父の介護費がかかるは、由美がもっと夫すべき。
昨の駅では、「俺だって疲れてる」
。
妻を捨てた理由まで、自分以の何かだった。
第5章 夫が欲しかったもの
父のは、古いを含めて約230平方メートル。
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