"サービスエリアで消えた三人" 第5話
佐倉たちが訪ねると、修は紺のスーツを着ていた。
「何か分かったんですか」
最初にそう聞き、期待するような顔を作った。
佐倉は、その顔をっていた。
「いくつか確認したいことがあります。旅の、本当にサービスエリアまででったんですか」
修の表は、ほんの瞬だけ止まった。
第章 所を作った男
「何を言ってるんですか。きましたよ。何度も話したでしょう」
修はすぐに笑った。その笑いにはりより困惑が混じっていた。
「経って、今さら私を疑うんですか」
「恵美さんの財布が見つかりました」
修の笑みが消えた。
佐倉は鞄の写真を置き、続けて輝の靴、鑑定結果、理の供述旨を示した。
「この鞄を事件の翌、篠原理さんの倉庫へ持ち込んでいますね」
「そんな話、あの女がしてるんですか」
修の最初の反応は否定ではなかった。
「別れた女の言うことですよ。私をんでいてもおかしくない」
「財布も靴も実際に倉庫からています」
修は黙った。
「輝君の靴には、あなたのにあった研磨材と同系統の粒子が残っていました。あなたは、子供をへ連れてったことは度もないと話している」
「私のから付いたんでしょう。にも作業着を持ち帰っていました」
「内側まで入り込んでいます。
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これだけでは断定しませんが、隣の運送会社の報には、旅当の朝、休のあなたのに乗用が台あったと残っています」
修はしばらく机を見つめ、それからい声で言った。
「寄りましたよ」
「何のために」
「カメラを置き忘れていた。それを取りにっただけです」
、度もなかった説だった。
「恵美さんと子供たちもからりましたか」
「覚えてません」
「輝君はりたんじゃないですか」
「ですよ。全部覚えているわけないでしょう」
修はそこで子の背にもたれ、初めて佐倉をまっすぐ見た。
「妻と子供を失ったに、ずっと同じ記憶を正確に話せと言うんですか。私は被害者ですよ」
その言葉を佐倉は、何度聞いたか分からない。
被害者。
その肩きは、いつのにか修の名の部になっていた。
「あなたが被害者だと、私たちは最初から決めていました」
佐倉は答えた。
「だから確認しなかったことがある。サービスエリアにがいたことを、あなた以の誰が証できるのかということです」
「目撃者がいるでしょう」
「いました。しかし全員、館内放送か報ので申しています。を写真なしで識別できたはもいない」
「だから何です」
「あなたはを探しているように見えた。
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必に写真を見せ、装を説し、何百にも『見なかったか』と聞いた。その結果、似た親子を見たたちの記憶が、あなたの族の記憶に変わった能性があります」
修はで笑った。
「そんなことのために、わざわざのいサービスエリアを選んだとでも?」
佐倉は答えなかった。
その質問に対する答えを、修自がにしたことだけを記憶した。
第章 帰ってくる部
事聴取のも、修は逮捕されなかった。
鞄、靴、経済状況、虚偽の能性がある供述。疑いは濃いが、母子の遺体も殺害方法を示す直接証拠もない。の事件である以、検察も慎だった。
佐倉は修の自宅を改めて確認した。
テレビ番組で何度も紹介された子供部は、確かに当の面を残していた。輝の野球、真央の学習机、壁に貼られた族館の写真。修はこれを「いつ帰ってきてもいいように残している」と説してきた。
しかし細かく見ると、すべてがのままではなかった。
カーテンは交換され、エアコンもしく、棚には番組制作会社から贈られた記品が並んでいる。部は帰ってくる子供のために保されているというより、「帰りを待つ父親」を見せる空としてえられていた。
それ自体は犯罪ではない。
ただ佐倉は、自分がこの部を見て抱いていたが、修の語る物語によって作られていたことを認めざるを得なかった。
捜査員が保険会社の古い交渉記録を見つけたのは、そのの夜だった。
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