"ブラックカードを止めた10分後" 第3話
玲子がさく笑う。
「でも、これからは丈夫ですよ。私は自分のことは自分でできますから」
「そこよ」
典子が嬉しそうにを乗りした。
「玲子さんみたいななら、どこへ連れてっても恥ずかしくないもの」
拓也は運転しながら満そうだった。
「医者ってだけじゃないよ。玲子はちゃんと将来考えてるから」
玲子は照れたように笑った。
その会話ので。
誰も、自分たちが今夜使うカードの請求先をらなかった。
誰も、んでいるマンションの所者を確認したことがなかった。
誰も、茂の会社が3にどんな条件で追加融資を受けたのか、詳しく見ていなかった。
彼らが自信を持っていたのは、数字ではなく覚だった。
『自分たちは裕福な側だ』
その覚だけが、5かけて事実よりくなっていた。
拓也は京のホテル内にあるフレンチレストランにいた。
向かいには玲子。
その隣に父の茂、母の典子。
4だけのさな祝いの席だった。
「やっとね」
典子がシャンパンを持ちげた。
「拓也もかったわねえ」
「母さん、その言い方」
玲子が笑う。
典子は悪びれなかった。
「だって本当でしょう。百さん、悪いではないけど、うちにはわなかったもの」
茂も頷いた。
「の格というのは事だ。恋だけなら何とでもなるが、結婚は違う」
玲子はし微笑んだ。
「私もそういます」
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拓也は満そうだった。
玲子は医師。
玲子の父は私病院の院。
自分は堅企業の社の息子。
父の会社もここ数は定している。
級マンション。
ブラックカード。
旅。
会員制ホテル。
拓也のでは、それが「今の自分にふさわしい活」になっていた。
方、百は専業主婦。
化粧もい。
ブランド品もほとんど持たない。
友とのランチもに1、2回程度。
「百には、こういうも最まで似わなかったな」
拓也が言うと、典子が笑った。
「分かるわ。こういう所って慣れがるもの」
玲子もワイングラスを置いた。
「専業主婦って、社会かられると覚も変わるんでしょうね」
「玲子さんは仕事もしてるからだわ」
典子の声が弾む。
「私はね、自分で1円も稼がないのに『妻だから』って顔してる女性、昔から苦なの」
玲子はし困ったように笑いながらも否定しなかった。
「私も、仕事を辞めて誰かに全部頼る活は無理ですね」
拓也は嬉しそうに頷いた。
「だろ? だから玲子とは価値観うんだよ」
事はコースにワインを追加し、4で45万8000円になった。
茂は伝票を見ると、「今は私がそう」と黒いカードを取りした。
何度も使っているカードだった。
のホテルでも、級寿司でも、典子のブランドバッグでも、問題が起きたことはない。
スタッフがカードを持っていく。
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数分、戻ってきた。
「変申し訳ございません」
「何だ?」
「こちらのカードですが、現ご利用いただけない状態になっております」
茂が眉をひそめた。
「そんなはずない。もう1度やってくれ」
再度。
結果は同じだった。
「械の問題じゃないの?」
典子が言う。
茂は別のカードをした。
「なら、こっちで」
それも利用。
典子が自分の財布をいた。
「私のがあるわ」
黒いカードを差しす。
同じ結果だった。
4の顔から、しずつ笑みが消えた。
「どういうことだ」
茂が苛つ。
スタッフは丁寧にをげた。
「こちらではカード会社側の理由までは確認できません」
拓也が言った。
「親父、俺の使えばいいよ」
財布から黒いカードをす。
自分が常に使ってきた1枚。
タクシー、レストラン、計のメンテナンス、旅。
ほとんど何でもこれで払ってきた。
だが。
それも通らなかった。
「は?」
拓也はカードを見た。
「ちょっと待って」
もう1度。
失敗。
玲子の表が変わった。
「拓也さん、どういうこと?」
「分からない。今の昼まで使えてた」
典子が突然言った。
「百さんじゃない?」
拓也が母を見る。
「婚した腹いせよ。あの、カード会社に何かしたんじゃない?」
茂もい声で言った。
「まさか勝に止めたのか」
拓也はすぐに百へ話した。
「もしもし」
『何?』
落ち着いた声。
「お、カードに何した?」
『カード?』
「とぼけるなよ。
全部使えないんだけど」
『ああ』
しがあった。
『止めたわよ』
拓也は声を荒げた。
「は?」
玲子たちがこちらを見る。
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