"閉じ込められた臨月の妻" 第2話
病院をた直、駅のベンチで超音波写真を何度も見た。
「まだ何も分からないのに、かわいい」
「どこが?」
「ここ」
「それ胎嚢」
「じゃあ胎嚢がかわいい」
そんな会話をして笑った。
公婆へ報告したのは、その週末だった。
美智子は最初こそんだが、10分もしないうちに質問が始まった。
「どこの産院?」
「無痛分娩?」
「母乳で育てるの?」
「里帰りはするの?」
そして最に、
「男の子なら名はの字を入れたほうがいいわね」
と言った。
加奈が「名はまだ2で考えてます」と答えると、美智子は満そうだった。
隆も、
「教育資はこちらでも準備する。学から私ならめにかないとな」
と言った。
まだ妊娠10週だった。
加奈が仕事を休むことになったも、美智子は言った。
「やっぱり辞めるのね」
「辞めません。産休と育休です」
「でも建築の現なんて、子供がいたら無理でしょう。無理して働く必ないじゃない。匠が稼ぐんだから」
数ヶ、同じが「仕事もしてないのにが汚れてる」と言った。
加奈は、その矛盾を指摘しなかった。
ただ、父を馬鹿にされることだけは苦しかった。
源次郎は卒だった。それは事実だ。
15歳でへ入り、最初の料はなかった。図面の読み方も、械の使い方も、仕事が終わってから先輩に教わった。
20代で現責任者になり、30代で独した。最初の会社は従業員3。
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軽トラック1台から始めた。
温浴施設の製内装を掛けたことをきっかけにサウナ設備へ事業を広げ、今では従業員40ほどの会社になり、旅館やホテル、宅向けの品質サウナを専に扱っている。
源次郎は、会社がきくなってもスーツをほとんど着なかった。現へけば作業で材を運び、職と緒に汗をかく。
だから美智子たちは、何度会っても「の」という最初の印象を変えなかった。
加奈も、訂正しなかった。
父が何者かを説して、公婆を黙らせたいとはわなかったからだ。
卒でも、でも、父は父だ。それで分だった。
結婚3目に居を建てた、匠が唯く希望した設備が庭用サウナだった。
「に度のなんだから、これだけは欲しい」
匠は昔からサウナが好きだった。
設計会社から複数メーカーを提案された、加奈は父の会社を候補に入れた。
匠は驚いた。
「お義父さんのところ、宅用もやってるの?」
「むしろ得だよ」
源次郎は親子だからと値引きしなかった。
「仕事は仕事だ」
見積もりも図面も施契約も、の顧客と同じ順だった。
そのモデルの基本設計には、加奈自も婚に関わっていた。
だった頃、宅向けサウナで利用者が体調を崩してへ座り込む事故があった。幸い事には至らなかったが、当の緊急解除は成がった状態なら使いやすいさにあった。
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設計会議で、加奈は言った。
「倒れたがてる提って、おかしくないですか」
の技術者は、「そこまでげると操作部が目つ」と答えた。
「目ってもいいといます」
「宅は見た目も商品だぞ」
その、源次郎がを挟んだ。
「加奈の言う通りにしろ。全装置が使われるは、見た目なんかどうでもいい」
その、操作位置、カバー形状、非常換気を何度も改良した。
源次郎は娘へ言った。
「設備を作る、まともなだけ像するな」
「まともじゃないも使うってこと?」
「酔ってる奴、子供、寄り、慌ててる奴、壊れた械、違った施。たまには悪いことするもいる」
加奈は当、笑った。
「庭用サウナで?」
「何に使われるかなんて、作る側には決められない」
完成、隆はサウナへ入ると嫌よく言った。
「やっぱり流メーカーは違うな。の質もいい」
美智子も友へ写真を見せていた。
「息子の、専メーカーのサウナが付いてるの」
加奈はそのたび、しだけ笑しかった。
それでいいとっていた。
自分たちが気持ちよく使えているなら、それでいい。
匠がシンガポールへ発する夜、スーツケースを閉じながら聞いた。
「俺がいない、親が来たりしないよね」
「何で?」
「この、母さんが『加奈さん1で丈夫なの』って言ってたから」
「来るなら連絡するでしょう」
「来ても無理してに入れなくていいからね」
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