"席次表から消された母" 第4話
真理子は受け入れた。
半。
1。
待った。
その。
を送った。
誕プレゼントも。
養育費も。
「養育費?」
奈津子が聞き返した。
真理子は頷いた。
「6くらいです。毎3万円」
初めて聞く話だった。
奈津子が結婚した頃。
の計は決して楽ではなかった。
亮の学用品。
習い事。
宅ローン。
奈津子も働いていた。
雅は度も。
真理子からを受け取っているとは言わなかった。
「途で返されるようになりました」
「いつ?」
「亮が11歳くらいの」
その頃。
文が倒れた。
奈津子は週に何度も病院へ通った。
亮の世話。
仕事。
義母の通院。
番忙しかった期だった。
真理子はそんなことをらない。
奈津子も。
真理子がを送っていたことをらない。
は。
同じ子どもを配しながら。
互いのをほとんどらずに過ごした。
「どうして途から会おうとしなくなったんですか?」
奈津子は聞いた。
真理子はしばらく黙った。
「亮からが来たからです」
バッグから。
もう枚のコピーをした。
子どもの字だった。
《もうを送らないでください》
《僕にはしいお母さんがいます》
《お母さんがしむから、来ないでください》
奈津子の臓がく打った。
「これ……亮が?」
「9歳でした」
奈津子には記憶がない。
亮がそんなをいたことも。
真理子からが来ていたことも。
「私は、それで諦めました」
広告
真理子の声がし震えた。
「なくとも、あの子が自分で会いたいとうまでは」
「でも私は……」
奈津子は言葉を失った。
《しいお母さんがしむ》
そんなことを。
亮に言った覚えはない。
度も。
真理子は奈津子を見た。
「私も最初は、あなたが会わせたくないんだとっていました」
奈津子の胸が痛んだ。
「憎みました?」
正直に聞いた。
真理子は苦笑した。
「何度も」
そして続けた。
「でも、それと同じくらい謝したもありました」
奈津子は顔をげた。
「亮が元気に育っているらしいって、づてに聞くことがあったから」
「……」
「だから、あなたをどうえばいいのか、ずっと分からなかった」
その言葉が。
妙に正直だった。
善の言葉ではなかった。
でも。
奈津子には信じられた。
帰宅した奈津子は。
雅には何も言わず。
寝の押し入れをけた。
真理子のがへ届いていたのなら。
どこかに何か残っているかもしれない。
しかし。
何も見つからなかった。
翌。
奈津子は2にくなった文のへ向かった。
はまだ売却していない。
雅がしずつ理していたが、押し入れや納戸には量の荷物が残っている。
奈津子は古い類をつずつ確認した。
保険証券。
町内会の資料。
病院の領収。
古い写真。
午4く。
納戸の奥から。
紐で縛られた袋がてきた。
表に。
文の字があった。
広告
《亮》
奈津子のが止まった。
ける。
には。
封筒が23通入っていた。
ほとんどが未封。
差。
森川真理子。
奈津子はへ座り込んだ。
亮の7歳。
8歳。
10歳。
12歳。
誕。
クリスマス。
入学。
が並んでいる。
そのに。
通だけ。
亮ではなく。
別の名がかれた封筒があった。
《奈津子様》
消印は。
24。
奈津子が雅と結婚した翌だった。
封は。
いていない。
奈津子は震えるで封筒をいた。
《突然おを差しげる失礼をお許しください》
《亮を育ててくださっている方へ、度だけお願いしたいことがあります》
読みめる。
《私をお母さんとして認めてほしいとは言いません》
《ただ、亮に「あなたを産んだは、あなたを捨てた」とだけは伝えないでいただけないでしょうか》
奈津子の界が滲んだ。
自分は。
何度も言った。
「亮のお母さんは、別のを選んだの」
雅から聞いた通りに。
悪はなかった。
でも。
違っていた。
そして。
の最。
《いつか亮が私に会いたいと言った、その気持ちだけは止めないでください》
奈津子はを握ったまま。
い。
けなかった。
そのの夜。
雅が帰宅すると。
テーブルのに。
23通のが並んでいた。
夫の顔から。
血の気が引いた。
雅はを見るなり、すぐに文の名をにした。
「母さんが持ってたのか」
奈津子は夫の顔を見た。
「らなかったの?」
「全部はらない」
「全部は?」
その言い方が引っかかった。
雅はスーツの着を脱ぎ、子へ座った。
「真理子がを送ってたのはってた。
広告
おすすめ作品
-
完結第15話
二十人分の祝い膳を押しつけられたので、家を出ました
義母から「家族のお祝いだから」と押し付けられたのは、二十人分の料理作りと高額な費用負担。 夫も義妹も、私を一人の家族ではなく、都合よく使える存在として扱っていた。 五年間、我慢し続けた嫁・美咲は、ある決断をする。 それは、義妹の息子の一歳祝いの前日に、すべてを捨てて家を出ることだった。 しかし、静かに準備を進める中で、美咲は夫と義母が隠していた驚くべき事実を知る。 そこには、単なる身勝手な家族関係では終わらない、彼女を縛り続けるための計画が隠されていた。 そして迎えた祝いの日。 親戚二十人が待つ食卓に残されたのは、豪華な料理ではなく、誰も予想しなかった「空っぽの祝い膳」だった。 奪われ続けた人生を取り戻すため、美咲が選んだ静かな反撃とは――。嫁姑|親子関係|修羅場2.2万字5 284 -
完結第16話
血染めの写真と三文字のSOS
夕方のコンビニの床に落ちていた一枚の写真。微笑む少女の横には、まだ乾ききっていない赤黒い生血がべっとりと付着していた。 裏返した瞬間、息が止まる。震える筆跡の住所と、指先の血で擦り付けられた『SOS』の三文字。 妻に捨てられ、八歳の息子と写真館を営む私には分かった。この血は付着して数分も経っていない――今すぐ行かなければ手遅れになる。 警察に通報し駆けつけた古い民家の階段下には、右足を骨折し倒れ伏す母親と、自らの手のひらを切り裂いた六歳の少女がいた。 「……だれ?」 母を庇い、血まみれの手で私を睨み据える少女の瞳が訴えていた、あまりに残酷な真相とは。親子関係|金銭問題2.4万字5 201 -
完結第19話
深夜2時、隣家の物置で赤ん坊を抱く4歳児
心臓の不整脈で消防士を辞め、故郷の民宿「緑海荘」へ戻った27歳の相馬蒼太。 ある深夜2時、隣家から突然途切れた赤ん坊の泣き声に異変を感じて駆けつけると、物置のような暗い部屋で、全身に青あざを負った4歳のひなが、痩せた妹メイを必死に抱いていた。 「泣いたらまた叩かれるんですか?」――その一言に、蒼太は2人を必ず守ると決意する。民宿へ連れ帰り、常連客の旅行ライター・りんや両親と共に食事と温かな寝床を与え、児童相談所へ連絡。 しかし保護の朝、ひなは「お兄ちゃんと離れたくない」と蒼太の服を握りしめる。初めて見る海の前で、ようやく声を上げて泣いた少女を前に、蒼太とりんは“助ける”だけでは終われない未来を選び始める――。親子関係|修羅場2.8万字5 251 -
完結第23話
義母が突然、結婚指輪をくれた
夫が亡くなった日、義母は「もう家族じゃない」と私と娘を雨の中に追い出した。それから二年、一度の連絡もなかった義母が娘の小学校入学を控えた夕暮れ、四十年間外さなかった結婚指輪を私の指に無理やり嵌めて頭を下げた。翌日、親族が集まる祝いの席で和解を受け入れようとした私の前で、義母は冷たい笑みを浮かべ、夫が生前に娘の氏の変更書類を用意していたのではないかと問い詰めてきた。私の手の中で箸が止まった。裡切られた|祖父母と孫|嫁姑|親子関係|修羅場3.5万字5 127 -
完結第21話
母がナイフで砕いた自分の名前
母の七十歳の祝いで、私は家族に尽くし続けた母に自分の人生を取り戻してほしい一心から、ケーキのプレートに書かれた夫の姓を削り落とし、母の旧姓を書き直した。これで母は喜んでくれるはずだった。しかし母は青ざめ、「誰が戻りたいなんて言ったの」と私を睨みつけると、ナイフを掴んで自分の名前を何度も突き刺し粉々に叩き割った。家族全員から責め立てられた私は、母の部屋で底面を無残に削り取られた大量の人形を見つける。怒り|兄弟姉妹|真相|親子関係|修羅場3.1万字5 137 -
完結第19話
棺の中の男を、夫は知らない
親を捨てて逃げた冷酷な男だと親族中から罵倒される義兄の葬儀で、義母は涙を流し、夫を支えの孝行息子だと称えていた。だが焼香台へ進む夫の前に立ちはだかった私は、「あなた、本当に棺の中にいるその人を知っているの」と告げた。夫が隠していたのは、過去五年間、毎月義兄へ送り続け、そのたびに全額突き返されていた六十回分の送金記録だった。血の気を引かせる夫と親戚の前で、私はその明細を祭壇の上に広げた。兄弟姉妹|親不孝|絶縁|親子関係|修羅場2.8万字5 88 -
完結第21話
妹のドレスを二十センチ切った
妹の結婚式を数時間後に控えた深夜二時、私はリビングで特注のウェディングドレスに裁ち鋏を入れた。事故で右足に傷が残る妹に対し、相手の家族は配慮という名目で足を隠す重いドレスを強要し、当日は動かず座り続けるよう言い含めていた。母の怒声が響き、私の頬に平手打ちが飛ぶ。泣き崩れる妹の足元には、前裾だけが二十センチ切り落とされた純白の布が散らばっていた。私は鋏を置き、「今日これを着て出なさい」とだけ告げた。裡切られた|兄弟姉妹|裡の顔|親子関係|修羅場3.1万字5 94 -
完結第25話
祖父が私に遺した最後の拒否権
亡くなった祖父の果園を三千二百万円で売却するため、東京で働く私は十年ぶりに実家へ呼び戻された。生活苦に喘ぐ父と妹の結婚資金のため、名義を持つ父は契約を急いでいたが、司法書士が出したのは「長孫である私の書面同意がなければ売却は無効」という祖父の遺言だった。早く終わらせようとペンを握った私は、ふと買い手企業がここを何にするつもりなのか尋ねた。山を削り大型トラックの夜間中継所にすると聞かされた瞬間、私は手元のペンを静かに机へと置いた。祖父母と孫|相続|親子関係|金銭問題3.7万字5 111 -
完結第21話
母を遠ざける姉の嘘
長野で一人暮らす母の介護を一手に担う姉から「母の体調が悪化するから来るな」と言われ、私は五年間帰省を控え、毎月五万円の仕送りを続けていた。だがある夜、母から五年ぶりに直接電話が入る。「まだ怒ってるの。あんたが私の顔も見たくないと言っていたと姉から聞いた」と母は怯えていた。直後に受話器を奪った姉は「母の被害妄想だ」と言い放つ。不審に思った私は姉に告げず始発の新幹線に乗り、五年ぶりに実家の引き戸を開けた。兄弟姉妹|裡の顔|親子関係|介護3.2万字5 166