"荷造りの日に消えた夫の行き先" 第4話
「分かってる。だから余計苦しいんだよ」
修は鳴っているのに、目は泣きそうだった。
「織が俺を嫌いでやってるなら、もっと簡単だった」
その言葉が。
胸に残った。
嫌われていない。
されている。
だからこそ。
息苦しい。
織には、その覚が理解できなかった。
そのの午。
直が来た。
修から再検査のことを聞いたらしい。
「父さん、潟くのちょっと考えた方がいいんじゃない?」
織は息子を見る。
「このは、自分のなんだから自由にって言ってたでしょう」
「再発の能性があるなら話違うよ」
「じゃあ誰が見るの?」
直は。
無識に織を見た。
「母さんが番分かってるし……婚するまでは」
織は笑ってしまった。
「都いいね」
「何が?」
「自由にさせろと言うのも直。病気なら私が見るのも直」
息子が慌てた。
「そういうじゃないよ」
「じゃあどういう?」
その。
玄関がいた。
直の妻・真奈美が3歳の美羽を連れて入ってきた。
ちょうど最の会話が聞こえたらしい。
「直」
「何?」
「今の、お義母さんに全部やってって言ってるのと同じだよ」
直が振り返る。
「俺は全部なんて」
「じゃあ誰が病院付き添うの? 薬見るの? 潟くのやめたら、またここにむんでしょう?」
「それは……」
「お義母さんがやるとってるから、具体に考えてないんだよ」
真奈美は普段、義父母の問題へくをすではない。
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だからこそ。
直も黙った。
「俺、仕事あるし」
直がさく言った。
真奈美の表が変わった。
「お義母さんも仕事辞めたんだよ」
部が静まった。
織自も。
その言葉を真正面から言われたことはなかった。
真奈美は続けた。
「7、お義母さんがやってる状態に、みんな慣れすぎてるんじゃない?」
織の胸がくなった。
初めて。
誰かに分かってもらえたような気がした。
ところが。
真奈美はそこで織を見る。
「でも、お義母さんも」
「私?」
「お義父さんが来ることまでやってしまうのは、もうやめた方がいいといます」
また。
胸に刺さった。
真奈美は誰の側にもたなかった。
「回、誰が何を来て、誰が何を伝う必があるのか、全部分けた方がいいです」
修が苦笑した。
「真奈美ちゃんが番まともだな」
「笑ってるじゃないです」
今度は修が黙った。
その夜。
織はで考えた。
夫だけが悪い。
そうえば簡単だった。
回復した途端、献な妻を捨てる恩らずな夫。
でも。
本当にそれだけなのだろうか。
自分は。
修を守ることで。
自分の恐怖も守っていたのではないか。
婚の話がてから1ヶく経った頃、織は久しぶりに以の職へった。
買い物ではなく、元同僚の佐伯美代子と会うためだった。
美代子は現も惣菜部で働き、今60歳になる。
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「本当に婚するの?」
休憩でコーヒーをみながら聞かれた。
「まだ分からない」
「修さん、女?」
織は笑った。
「それなら分かりやすかったんだけどね」
病気。
介護。
回復。
婚。
簡単に説すると、美代子はく黙った。
「織、戻ってこない?」
「ここに?」
「週3でも」
スーパーは性なで、経験者なら歓迎するという。
織は首を振りかけた。
「59だよ」
「だから何?」
「7もれてる」
「唐揚げの揚げ方7で忘れた?」
わず笑った。
美代子は真面目な顔へ戻った。
「織、仕事好きだったでしょう」
その言葉を聞いて。
胸の奥で何かがいた。
仕事が好きだった。
言われるまで。
忘れていた。
修を介護するために退職した。
それは自分が選んだことでもある。
でも。
仕事を辞めたかったわけではない。
帰宅すると。
修のノートをもう度いた。
428万円。
夫が自分へ返そうとしていた。
翌。
織は通帳を夫へ突きした。
「これ、何?」
修は。
観したように答えた。
「見た通り」
「私名義で勝に座作ったの?」
「昔使ってた座を名義変更できるとってたんだけど、しく作った。委任状も」
「何で相談しないの?」
「相談したら受け取らないだろ」
「受け取るかどうかも私が決めることでしょう」
修は。
し笑った。
「本当に、今なら分かるな」
「何が?」
「俺も同じことしてる」
織のため。
そう言いながら。
本に聞かない。
修はテーブルへノートを置いた。
「織が仕事辞めた、俺、本当に申し訳なかった」
「だったら言ってよ」
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