"荷造りの日に消えた夫の行き先" 第7話
「本当にでむの?」
織が聞いた。
修は。
しそうだった。
「やってみる」
「薬は?」
言いかけ。
織は止めた。
「自分で管理来る?」
「来なかったら相談する」
その言葉が。
以とは違った。
何でもでやる。
ではない。
来ないには。
助けを頼む。
そこまで含めて。
自なのかもしれなかった。
修がをた最初の朝。
織は午548分に目を覚ました。
隣に誰もいない。
7から。
目を覚ますとまず修の呼吸を確認する癖がついていた。
寝をる。
いつものように。
血圧計をテーブルへしかけ。
が止まった。
必ない。
朝も。
分。
噌汁を作ろうとして。
やめた。
パン。
コーヒー。
ヨーグルト。
10分で終わる。
「こんなにかったんだ」
声にした。
介護以の朝を。
忘れていた。
午8。
修から連絡はない。
9。
ない。
10。
気になる。
11。
織は来ず話した。
『もしもし』
「薬んだ?」
『んだ』
「血圧」
『測った』
「いくつ?」
し沈黙。
修が笑った。
『織』
「何?」
『聞かない練習したら?』
腹がった。
「じゃあもう話しない」
『そうして』
本当に。
切った。
もっと腹がった。
そのの午。
元職のスーパーから話が来た。
美代子だった。
『どうする? 週3』
織は。
台所を見る。
誰の予定もない。
誰の病院もない。
「午だけなら」
それから2週。
織は7ぶりにい作業へ袖を通した。
最初のは。
が痛かった。
広告
久しぶりのち仕事。
揚げ物の。
売の音。
に追われる覚。
でも。
「さん、これどう盛るんでしたっけ」
30代の社員に聞かれ。
織は自然にをかした。
「煮物はさしすぎない。汁があるから端寄せると漏れるよ」
「あ、そうでした」
その瞬。
胸ので。
何かが戻った。
仕事が来る。
自分が覚えている。
必とされる。
それは。
介護とは違う覚だった。
方。
修の活は。
決して順調ではなかった。
噌汁を焦がした。
洗濯物にティッシュを入れた。
買い物へき。
財布を忘れた。
薬も。
1回み忘れた。
直が配して。
織へ話をした。
『母さん、父さんの部見にかない?』
「どうして?」
『薬忘れたって』
「本から連絡来てない」
『でも配じゃないの?』
「配だよ」
『じゃあ』
織は。
し考え。
答えた。
「本が困ったら連絡するでしょう」
直が黙った。
『母さん、変わったね』
「誰のせい?」
『俺?』
「半分くらい」
でし笑った。
別居から1ヶ。
追加検査の。
織は。
朝から落ち着かなかった。
病院へくとは言わなかった。
でも。
計を見る。
11。
12。
午2。
スマートフォンを何度も確認した。
午418分。
修から。
《終わった》
それだけ。
織は。
5分待った。
それから。
《結果は?》
と送った。
《きな変化なし。半ごとに検査》
織は子へ座った。
した途端。
涙がた。
かなかったことを。
悔はしなかった。
その夜。
広告
修から話が来た。
『来るとってた』
「ってほしかった?」
話の向こうが。
し静かになる。
『ちょっと』
織は。
わず笑った。
「言えばよかったのに」
『そうだな』
「言わなきゃ分からないよ」
『今まで言っても織が決めたから』
「今は違う」
しばらくして。
修も笑った。
『そうだな』
い会話だった。
でも。
夫婦だったより。
初めて相の希望を聞いた気がした。
別居から3ヶが経った。
最初に父へ理解を示した直は。
今度は婚に反対するようになっていた。
「このまま別居でいいんじゃない?」
族で事をした。
直が言った。
「わざわざ婚する必ある?」
織は。
呆れた。
「最初は父さんの自由って言ってたでしょう」
「それと婚は別だよ」
修が聞く。
「何でそんなに嫌なんだ?」
直は。
しばらく黙った。
「美羽もいるし」
「孫と婚、関係ないでしょう」
織が言う。
「あるよ」
息子の声が。
しくなった。
「父さんと母さんが婚したら、実なくなるじゃん」
織は。
ようやくが分かった。
直にとって。
このは。
父と母がいる所だった。
自分の庭を持っても。
帰れば。
同じ卓。
同じ夫婦。
それが。
ずっとあるとっていた。
「直」
織が静かに聞く。
「自分の、最どう?」
息子の表が変わった。
実は。
直と真奈美も。
ここ半ほど。
うまくいっていなかった。
仕事。
育児。
事。
真奈美は4から職へ復帰したが、保育園の送迎も病院もほとんど彼女が担っている。
直自は、
「来ることは伝ってる」
とっていた。
ところが。
真奈美は先、
広告
おすすめ作品
-
完結第26話
特上寿司と、消えた妻の半年
3月31日22時、激務を終えて帰宅した私の席にあったのは、冷え切った白米一杯だけだった。目の前で1万8900円の特上寿司を頬張る夫と義母は、「反省したらおかずをあげる」と大笑いする。家計の大半を私が支えているにもかかわらず、9ヶ月間も「罰」として食事を奪われ、夫は横で嘲笑っていた。だが二人は知らない。私が半年かけて集めた出前明細の履歴と、義母が隠し持っていた一枚の申告書の存在を。「じゃあ、外で食べてきます」――二度と振り返らずにドアを閉めた夜、経理の私が仕掛けた冷徹な清算が幕を開ける。嫁姑|夫婦4.0万字5 449 -
完結第34話
妻の葬儀の夜、義母が外した指輪と娘の写真
妻・美保の葬儀が終わった夜、修二の結婚指輪を外したのは、亡き妻の母・麗子だった。「もう美保に隠す必要はないでしょう」と唇を寄せたその瞬間、娘・咲から1枚の写真が届く。そこには半年前の病院で抱き合う修二と麗子、そしてガラス越しに2人を見つめる病衣姿の美保が写っていた。 闘病中の妻を支える献身的な夫を演じながら、修二はいつしか自分の弱さを理解してくれる義母へ逃げ込み、越えてはならない境界を越えていた。しかも麗子は「美保も知っていた」「私がいなくなったら修二さんを1人にしないでと頼まれた」と主張し、その証拠となる録音まであるという。 だが翌朝、咲が告げたのは「お母さんの声を最後まで聞いて」という一言。 亡き妻が本当に残した言葉を前に、2人が都合よく信じてきた“許し”が崩れ始める――。夫婦|修羅場5.1万字5 612 -
完結第16話
十字の紙片と売られた生家
「母さん、老人ホームに入れ。この家も売る」息子夫婦はカナダ移住を前に、相場の半値以下の査定書と山奥の隔離施設のパンフレットを突きつけてきた。共働きで多忙な彼らに代わり、十年間孫娘を育て上げ、遺産から数百万円を用立ててきた私への仕打ちがこれだった。絶望に沈む私の手に、高校生の孫娘が震えながら押し込んだのは、固く折られた「十文字のチラシの紙片」。「明日の朝までに、実印と通帳は絶対に渡さないで」。深夜二時、一人で開いたその紙には、全てを覆す戦慄の計画が記されていた。私は仏壇の隠し金庫に手を伸ばし――。祖父母と孫|介護2.4万字5 426 -
完結第22話
夜勤の救急外来に運ばれた夫と義姉
深夜2時、救急外来で夜勤中の看護師・佐藤み咲のもとへ、交通事故で重傷を負った男女2人が搬送されてきた。シーツの下にいたのは、夫・拓也と義姉・麗子。しかも2人は、決して「姉弟愛」では説明できない姿で倒れていた。 み咲は5年間、看護師という仕事を見下す夫と、「子供も産めない」と侮辱する麗子、その2人を庇い続ける義母・里子に耐えてきた。 それでも彼女は感情を捨て、看護師として2人の命を救うことを選ぶ。 だが、惨状を目にした義母まで「全部あなたのせい」とみ咲を罵倒した瞬間、最後の迷いは消えた。 何年も残してきた暴言の記録と証拠を武器に、奪われ続けた人生を取り戻す反撃が静かに始まる――。夫婦|修羅場|不倫3.3万字5 2860 -
完結第14話
月二十五万を貪る偽装役員一家の転落
外資系コンサルティングファームで働く小笠原萌子は、お見合いで大手企業勤務のエリート・東野広夢と結婚した。しかし新婚早々、夫の経歴が全て嘘で、定職すら就いていない無職だと発覚する。さらに広夢は「大企業の役員に抜擢された」と両親に大嘘を吹き込み、見栄を張る義父母は都心のタワマン家賃二十五万円や、百万円の旅行代を萌子の給料から平然と搾取し始めた。夫の度重なる深夜帰宅に不審を抱いた萌子が財布を探ると、そこには見知らぬ甘い香りと、黒地に金箔押しされた高級シティホテルの会員カードが。探偵の分厚い報告書によって夫のキャバクラ通いと裏切りが露呈したとき、萌子は離婚を決意する。だが、金の蛇口を止められた元夫と義家族の強欲は暴走し、SNSでの悪質なデマ拡散、そして新居への土足侵入へとエスカレートしていく。すべてを奪おうとする寄生虫たちに、萌子が下す冷徹な鉄槌とは――。嫁姑|夫婦2.4万字5 695 -
完結第11話
「子どもを産めない」と捨てられた妻の逆転
結婚前は優しく誠実だった夫・誠。 しかし結婚後、彼の本性は少しずつ姿を現していった。 子どもを望めない妻を「役立たず」と罵り、家では暴言を浴びせながら、自分は若い女性との時間を楽しむ。 かな子は「自分が悪いのだ」と耐え続け、愛した人との生活を守ろうとしていた。 だが、ある夜、夫の裏切りを示す決定的な証拠を見つける。 そして離婚を決意したかな子のもとに、長年知らされていなかった父からの連絡が届く。 そこで明かされたのは、彼女自身も知らなかった巨大な財産と、人生をやり直すための力だった。 すべてを失ったと思っていた妻が、実は何も持たない弱者ではなかったと知った時――。 誠の傲慢な要求と、隠されていた真実が次々と崩れ始める。 愛だと信じた結婚の終わりから、かな子の本当の人生が始まる。夫婦|第二の人生|不倫1.6万字5 397 -
完結第32話
不妊を理由に別れた元妻が、機内で双子を抱いていた
5年前、妻・小百合に「ほぼ不妊」という診断が下された瞬間、俺は後継ぎを求める父の言葉に従い、彼女へ離婚届を突きつけた。あの選択は正しかった――そう信じて生きてきた俺の前に、ファーストクラスで小百合と、自分に瓜二つの幼い双子が現れる。 真相を追ううち、俺は恐ろしい事実に辿り着く。不妊診断そのものが偽りであり、小百合は両親まで脅され、何も言えないまま俺の前から消えていた。そして、その全てを裏で仕組んだのは、俺が誰より尊敬してきた父だった。 さらに、本当に問題を抱えていたのは小百合ではなく俺自身で、双子は離婚直前に宿った俺の子供だと判明する。 妻を捨て、子供たちの5年間まで奪ってしまった俺は、もう父の作った「正しい人生」に従うつもりはない。失った家族と向き合い、父が守り続けてきた巨大な権力と秘密に、自分の手で決着をつけると決めた――。夫婦|熟年離婚4.9万字5 8453 -
完結第10話
妹が断った牡蠣漁師は、港の社長だった
「貧乏な漁師なんて絶対に嫌」――妹・美咲が鼻で笑って断った縁談を、35歳の私・香織が代わりに受けることになった。幼い頃から何でも妹を優先され、「我慢できる姉」として生きてきた私にとって、それは初めて自分で選んだ人生だった。 相手の総一郎は、古い家と軽トラックで暮らす不器用な牡蠣漁師。ところが島では誰もが彼に頭を下げ、格式高い老舗料亭まで最上級の敬意を払う。やがて大嵐で加工場が壊れ、会社が存続の危機に陥る中、私は書店員時代に培った「名前と物語を届ける力」で直売所を立ち上げる。そんな矢先、総一郎の本当の立場を知った母と美咲が現れ、「その縁談は本来、美咲のものだった」と言い出す。そして料亭に掛けられた、値段も生産者名もない古い「牡蠣」の木札が、夫にも知らされていなかった過去へとつながっていく――。夫婦|修羅場1.4万字5 719 -
完結第13話
十年の沈黙と離婚届
明治から続く旧家・宗方家に嫁ぎ、十年間「無能な嫁」と蔑まれながら耐え忍んできた白木咲子。義父からは冷え切った古米を押し付けられ、義母や義姉からは下女のように扱われ、夫の孝幸は浮気を重ねては嘲笑を浮かべる日々。ある激しい雷雨の夜、孝幸は朱肉の鮮やかな『離婚届』を卓上に放り出し、「子供も産めぬ役立たずは今日限りで出て行け」と冷酷に追放を宣告する。 だが、咲子の指先は一片も震えていなかった。彼女が着物の帯の間へ静かに滑り込ませたその紙切れこそ、十年間待ち続けた反撃の「合図」だったのだ。 宗方一族四十二人が寄生し、高給を貪る企業群。その頂点に君臨する巨大財閥「白木グループ」の真の支配者は誰なのか――。翌朝、受話器から呼び出された直通秘書ライン。すべてを奪ったと信じ込む傲慢な一族に、音もなく下される苛烈な審判とは。夫婦|修羅場1.9万字5 1122 -
完結第31話
母の還暦祝いで家を奪おうとした夫
「あのマンションは、誕生日会さえ終われば俺たちのものになる」――夫を驚かせようとオフィスのキャビネットに隠れた私・ゆかは、愛していたレオの電話を聞いて凍りつく。亡き父が残し、母が守り抜いたマンションを、還暦祝いの場で親戚ごと丸め込み、私に同意させて奪うつもりだったのだ。 しかも電話の相手は、最近の不審な行動の先にいた女・まゆ。五年間信じた“優しい夫”の正体は、私の情と世間体まで計算する男だった。私は泣いて問い詰める代わりに、会話を録音し、権利書を守り、わざと資産整理の資料を餌として置く。そして彼自身が用意した母の誕生日会に、同僚や取引先まで招き入れる。私を逃げられない舞台へ上げるつもりの夫はまだ知らない。その日、追い詰められる側が誰なのかを――。夫婦4.7万字5 1525