"荷造りの日に消えた夫の行き先" 第10話
織は。
息子を見る。
「何を?」
「みんなで分けるの」
直は。
俯いた。
「母さんにやらせすぎた」
織は。
すぐに、
「あなたは悪くない」
とは言わなかった。
「そうだね」
直が驚いて顔をげる。
「でも」
織は続けた。
「私もでやろうとしすぎた」
誰かへ頼むと。
迷惑。
自分の夫だから。
自分がやる。
そうっていた。
そして周囲も。
織がやる。
とっていた。
その形を。
皆で。
しずつ作った。
「だから、次はやめよう」
直が頷いた。
「うん」
婚から2。
織は61歳になった。
スーパーでは週3、午8から午2まで働いている。最初の半は体力に苦しかったが、今ではへ揚げ物の温度管理や盛り付けを教えることも増えた。
「さん、この商品の弁当どういます?」
若い社員に聞かれ、織は試作品を見た。
「彩りはいいけど、齢のお客さんにはご飯いかも。量サイズ作った方が売れるとう」
「なるほど」
誰かの妻。
誰かの母。
誰かの介護者。
それ以の所で。
自分の経験が役につ。
その覚が。
織には嬉しかった。
修は64歳。
現も暮らしを続けている。
々。
失敗する。
薬を忘れる。
料理を焦がす。
を止め忘れたこともある。
でも。
失敗したら。
対策する。
薬カレンダー。
を使わない調理器具。
見守りサービス。
しずつ。
自分の活を作った。
幸恵も。
以のように。
兄を引き取ろうとはしない。
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に度。
兄妹で温泉へく。
修が、
「潟もうかな」
と冗談を言うと。
「週なら」
と返す。
その距が。
今はちょうどいいらしい。
直と真奈美も。
度。
きく喧嘩した。
でも。
婚していない。
週末。
直が娘の美羽をで連れすようになった。
以は。
真奈美が準備したバッグを持つだけだった。
今は。
着替え。
筒。
おやつ。
薬。
自分で入れる。
ある。
直が織へ言った。
「このさ」
「何?」
「俺、育児伝ってるって会社で言ったら」
織は。
嫌な予がした。
「真奈美にられた?」
「『あなたの子でしょう』って」
織は笑った。
「正しいね」
「母さんまで」
「私も昔、お父さんに言いたかったのかも」
息子も。
し笑った。
そして。
織自も。
修と完全なにはならなかった。
復縁するつもりはない。
でも。
誕。
正。
美羽の運会。
族が集まるは。
普通に顔をわせる。
ある。
美羽ので。
写真館へ全員が集まった。
直。
真奈美。
美羽。
織。
修。
潟から幸恵。
写真館のスタッフが。
し困った。
「ご夫婦はこちらへお願いします」
織と修が。
同に答えた。
「違います」
スタッフの顔が。
さらに困る。
直が笑う。
「元夫婦です」
「では……お父様はこちら、お母様はこちらでよろしいでしょうか」
修が織を見る。
「どっち座る?」
「好きなところ座れば」
皆が笑った。
写真の央。
着物姿の美羽。
そのろ。
父親。
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母親。
。
祖父。
祖母。
叔祖母。
昔なら。
修の隣。
それが織の席だった。
妻だから。
今は。
違う。
でも。
写真のに。
ちゃんと自分の所があった。
撮。
幸恵が織の横へ来た。
「私、あの兄を引き取らなくてよかった?」
「今さら聞く?」
「応」
織は。
し考えた。
「よかったとう」
幸恵がしたように笑う。
「でも」
「何?」
「あの、私のためだって勝に決めたのは、今でもちょっと腹ってる」
幸恵は笑った。
「ごめん」
「私も同じこと修にしてたから、のこと言えないけどね」
「じゃあお互い様?」
織は。
し考え。
首を横に振った。
「全部お互い様で終わらせるのも違うとう」
幸恵が見る。
「悪かったところは悪かった。辛かったことは辛かった。それでいいんじゃない?」
幸恵は。
ゆっくり頷いた。
「そうだね」
帰り。
織と修は。
偶然同じになった。
隣同士ではなく。
向かいった席へ座った。
修が聞く。
「仕事、まだ続けるの?」
「続ける」
「疲れない?」
「疲れるよ」
「じゃあ何で」
「楽しいから」
修は。
し驚いたように笑った。
「俺、織が仕事好きだったのらなかった」
織も。
笑った。
「私も忘れてた」
窓の。
夕方の町。
修が。
しばらくして言った。
「俺さ」
「何?」
「最初に婚言った、織を自由にしたいってってた」
「聞いた」
「でも、本当は自分が自由になりたかった」
織は。
黙って聞いた。
「それを織のためって言った」
「卑怯だったね」
「相変わらず厳しいな」
「元妻だから」
修が笑う。
しばらくして。
織も言った。
「私も、あなたを守るためって言いながら、自分が怖くないように管理してた」
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