"帰る家は、ちゃんとあった" 第4話
結婚はさらにひどくなった。
特に順が私の愚痴を義母へ話すようになってからは、義母ががへ来るたび、嫌みを浴びせられた。
「宅勤務なんて便利ね」
義母は私の仕事部を覗きながら言った。
「主婦の延みたいなものでしょう?」
「違いますよ。普通に仕事です」
「でもにいるじゃない。順は毎で頑張っているのに、あなたはで楽して。それなのに子供もいないなんてねえ」
私は黙った。
義母は続けた。
「あなた、体毎何をしているの?」
言い返せば、もっと面倒になる。
そう分かっていたから、私はい耐えてきた。
ところが義母は、それを「何を言っても丈夫」と受け取ったらしい。
順がの帯に突然がへやって来ることも増えた。
台所を見ては収納の仕方に文句をつけ、洗濯物を見れば干し方が悪いと言う。
仕事でもお構いなしだった。
ある、私は納期の迫った作業をしていた。
そこへ義母が突然来て、部を見回しながら言った。
「こんなに散らかして。だらしないわね」
「資料なので触らないでください」
「何よ、その言い方」
義母はさらに事のやり方についてをし始めた。
私はしていた。
しかし、そのは仕事でも余裕がなかった。
ついに子からちがり、義母へ向き直った。
「お母さん」
「何?」
「こういうの、嫁いびりって言うんです」
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義母が固まった。
「もうやめてください。私にも仕事がありますし、事のやり方まで毎回否定されるのはつらいです」
普段ほとんど言い返さない私が反論したため、義母は瞬、本当に言葉を失っていた。
だが、次の瞬には顔を真っ赤にした。
「嫁のくせに何よ、その態度!」
「落ち着いてください」
「気な女ね!」
鳴りながらづいてきた義母が、に顔を歪めた。
「痛っ」
を押さえた。
「どうしたんですか?」
私は反射に駆け寄った。
義母はをさすりながら言った。
「この、ので転んでから々痛むのよ」
「病院には?」
「丈夫よ。それより気分が悪いから帰るわ」
義母はそのまま玄関へ向かった。
私は配になって声をかけた。
「歩けますか? タクシー呼びましょうか」
すると義母は振り返り、鳴った。
「寄り扱いするんじゃないわよ。まで歩いてすぐなんだから!」
玄関の扉が乱暴に閉まった。
私はしばらく、その扉を見つめていた。
配しただけなのに。
そうう方で、なぜか嫌な予が残った。
それから1か。
順が刻な顔で言った。
「母さん、介護が必になるみたいだ」
やはり、あののは単なるな痛みではなかった。
順によると、義母のは次第にかしづらくなり、今では松葉杖なしでは移が難しくなっているという。
1暮らしを続けるにはがあった。
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順は介護施設を探し始めたが、希望する条件にうところがなかなか見つからなかった。
ある夜、順が私へ言った。
「霞、しばらく母さんのところに通ってくれないか」
「私が?」
「施設が決まるまででいいから。掃除とか事とか、の回りのことをやってやってほしい」
私は順を見た。
「あなたは介護しないの?」
「俺は仕事が忙しいじゃん。ってるだろ」
当たりのような調だった。
「でも、あなたのお母さんでしょう」
「できることはやるよ。ただ平は無理だろ。おはにいるからの調ができるじゃないか」
またそれだった。
にいる。
だから暇。
だから私がやる。
私はすぐには返事をしなかった。
義母からこれまで散々傷つけられている。
介護が始まれば、さらに関わるは増える。
正直、嫌だった。
それでも「施設が決まるまで」という言葉に押された。
何より、義母も自分が介護されるになれば、しは私への態度を変えるかもしれないとった。
私は両親を幼い頃に失った。
だからこそ、族を簡単に見捨てたくないといういがどこかにあった。
「分かった。できる範囲でやってみる」
「助かるよ」
順はそう言った。
そのは、「俺もできることがあったら伝う」とまで言った。
私はその言葉を信じた。
翌から、私は仕事のを調しながら義実へ通い始めた。
最初の。
玄関をけた義母は、私の顔を見るなり嫌そうに言った。
「何しに来たの」
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