"消えた神童、10年後の手紙" 第6話
角度。
位置。
そして写真の端に、鉛で数字がかれていた。
22.0cm。
はその数字を見つめた。
陸は失踪当、学5だった。
柄とはいえ、22センチというサイズはさすぎないか。
そので桂町へ向かった。
気はまだ営業していた。
野は62歳になっていた。
髪はほとんどくなっていたが、団の古い資料をの奥に全て残していた。
「用具の記録ですか?」
野は鏡を押しげた。
「ありますよ。毎4に測っとりましたから」
の奥から紐で縛ったの束を持ってきた。
聞ので埃を払い、ページをめくる。
平成134。
陸。
スパイク24.0cm。
「5ので24センチです」
野は言った。
「には、もうきつくなっとったはずやね。あの子、が伸びるのかったから」
は尋ねた。
「22センチだったのは、いつですか?」
野はさらに古い名簿をめくった。
「平成114。ここや。学3の」
はから目をさなかった。
内に残されていたスパイクは、陸が失踪当履いていたものではなかった。
2の古い靴だった。
履けなくなり、の物置へ押し込まれていたはずのもの。
10、玄関から消えていたのは、剛が毎晩入れしていた24センチのスパイクだった。
辺のに置かれていたのは22センチ。
誰かが物置から古い靴を持ちした。
そして片方だけ、助席の元へ置いた。
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父親が息子を連れてへ入ったように見せるために。
野が湯呑みを持つを止めた。
「刑事さん、それ、どういうことになるんです?」
は古い名簿を閉じた。
窓のには、田植えを終えたばかりの田んぼが夕方のを返していた。
「これは、父親と息子のじゃありません」
そう言った数。
10に無されたもう1つの証言が、のから姿を現すことになった。
平成23518、曜。
午10。
桂町ののれにあるで、がいていた。
20以に宅発する予定で削られながら、そのまま放置されていた造成だった。
フェンスは倒れ、雑はの背丈ほどまで伸びていた。
そのの、事が決まり、古い盛りを崩す作業が始まっていた。
油圧ショベルの運転が、のに青いものを見つけた。
ビニールシートの切れ端だった。
い埋まっていたためは半分ほど抜けていた。
運転は械を止め、面へりた。
をしどけると、そのからいものがてきた。
の骨だった。
午1015分、警察へ連絡。
現は直ちに封鎖された。
鑑識が慎に掘りめた。
発見所は表から約1メートル20センチ。
いのに、そのへがねられていた。
元の掛かりはい段階で見つかった。
首に腕計が残っていた。
文字盤は割れていた。
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裏蓋には名と勤続表彰を示す文字が刻まれていた。
町のにある部品が、社員へ配ったものだった。
剛。
鑑定によって、した期は平成13頃と推定された。
部には、い属製の棒のようなものでく打たれた痕跡があった。
事故でできたものではなかった。
剛はへ入ったのではない。
誰かに命を奪われ、へ埋められていた。
ゆみ子が県警へ呼ばれたのは524の午だった。
さな部で、ができる限りゆっくり説した。
ゆみ子は途で質問せず、最まで聞いた。
やがて言った。
「あのは……逃げたんやないんですね」
「はい」
「陸を連れてへったんでもない」
「違います」
ゆみ子は両で顔を覆った。
声をげなかった。
指のから涙が落ち、顎へ伝った。
10、彼女の背には「夫が息子を連れて命を絶った」という噂が貼りついていた。
無言話も。
の壁の落きも。
スーパーで途切れる会話も。
全て、その話からまれていた。
だが夫は逃げていなかった。
殺されていた。
息子はきていた。
ゆみ子が泣いたのは、夫を失ったしみだけではなかった。
10、自分が受け続けてきたものの台が、気に崩れたからでもあった。
捜査はいた。
が最初に取り戻したのは、10に自分自がいた報告だった。
の造成にかりを見たと話した農の老、松尾。
しかし老はすでにくなっていた。
平成21の、80歳でくなったと分かった。
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