"花嫁が僕を犯人にした朝" 第8話
奈緒は、ドレスの弁償を自分でうと申した。ホテルと浦のでは保険処理がんでいるため、僕へ直接払うものではない。僕は謝罪文を会社へし、噂の訂正に協力することを求めた。
「それで許してもらえますか」
「許す条件ではありません。あなたがするべきことです」
奈緒は目を伏せ、うなずいた。
事務所をる、彼女は振り返った。
「朝倉さんは、私を助けようとしてくれたのに」
「僕はあなたを助けたんじゃありません。話すべきに話さず、決めるべきことを先延ばしにした。その結果、あなたが僕へ責任を押しつける余を作りました」
僕自の失敗も、善という言葉で飾らないことにした。
倉庫へ配置されてから、僕は客の姿をほとんど見なくなった。婚礼装は式の数に入り、点検、会別のラックへ移される。返却されたドレスは汚れや損傷を記録し、部のクリーニング業者へ送る。
以の僕は、倉庫を単なる保管所だとっていた。しかし働いてみると、同じ型番のドレスが別の会へ送られたり、付属品だけが遅れて届いたり、さな記録漏れが現の混乱へつながる所だった。
僕は損傷写真の撮り方を統し、入荷と搬にで確認する仕組みを提案した。最初、倉庫責任者の森本は嫌な顔をした。
「が増えるだけだ。
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今まで問題なかった」
「問題がなかったのではなく、誰かがそので直して記録に残さなかったこともあります。僕もそうしていました」
自分のことを含めて話すと、森本はし態度を変えた。試しに会だけか実施すると、返却の損傷が式のからあったのか、当に起きたのか分からない事例が件見つかった。
責任者を探すためではなく、修復を確保するための記録にする。そう説すると、現の抵抗も減った。
耶は契約更されたが、陳述をしたあと、宮との関係はえたままだった。仕事必な会話はするものの、以のように昼を緒に取ることはない。
「正しいことを言えば、すっきりするとっていました」
倉庫へ装を運びながら、耶が言った。
「実際は、毎ちょっと気まずいです」
「証言したことを悔してる?」
「していません。でも、宮さんが全部悪いともってない。あのも美智子さんに押し切られたんだといます」
宮は主任からされなかった。ただし、顧客を無断で装へ入れ、接触記録を残さなかったことで厳注を受けた。彼女は自分のを守るため、美智子のをさく説した。その点は耶も許していない。
関係は、事実が分かったに元へ戻るわけではない。には、元へ戻らない方がよい関係もある。
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か、僕の格期が終わった。瀬は装へ戻るか、倉庫で管理業務を続けるか選ぶよう言った。
「朝倉君の修復技術は必だ。ただ、顧客対応へ戻るなら、今は秘密をで抱えないと約束してもらう」
「約束します。でも、相談した客の話を、すぐ族へ伝えるような運用にはしたくありません」
「では、どうする」
僕は、婚礼直に郎婦のどちらかから止や延期の相談があった、担当者で扱わず、プライバシーに配慮した相談責任者へつなぐ制度を提案した。装の問題に見えても、借、族からの圧力、健康、暴力などが隠れているがある。
ホテルは最初、そこまで責任を負えないと難を示した。僕も、ホテルが相談を解決するべきだとはわない。ただ、誰へつなぐかを決め、商品の損傷や式の混乱になるに「延期という選択肢がある」と伝えるだけでも違う。
半の試として、部相談窓の案内が導入された。
僕は装へ戻った。ただし主任補佐への復帰は断った。役職が嫌なのではなく、度、技術者として自分の仕事の範囲を作り直したかった。
最初に担当したのは、歳の女性が着る再婚式のドレスだった。彼女は試着で、背の傷を見せたくないとさな声で言った。
以の僕なら、理由を尋ねず、黙って隠せる形へ直しただろう。
今回は、どこまで隠したいか、写真に残る角度をどうしたいか、担当プランナーにも共してよい範囲を本へ確認した。
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