みかん小説
本棚

"7人の妊娠と密封された患者服" 第2話

「あなたを責めるためではありません。誰がづいたのか、それだけでも教えてください」

それでも答えない。

残り6も同じだった。

7全員が、まるで同じ約束でも交わしたかのようにを閉ざしていた。

ただ。

の調査官は気づいていた。

条の名をにした瞬だけ、由美の握った指がく震えたことを。

事件発覚から3、刑務所の政棟2階に同捜査本部が設けられた。

県警本部から派遣された松田刑事は、到着すると挨拶もそこそこに監カメラの映像を求した。50代半ばの松田は派な捜査を好む刑事ではなかったが、記録のさな矛盾を拾うことに関しては署内でもられていた。

医務と第3女性独エリア、そのの廊を含めれば、関連する監カメラは全部で12台あった。

警備担当者に案内されてサーバーへ入り、松田は映像を順番に再した。

ほどなく眉にい皺が刻まれた。

隔エリアへ通じる廊に設置された4台だけが、廊を映していない。

すべてのレンズが自然な方向へ向けられ、井の角やコンクリート壁だけを記録していた。

「いつからこうなってる?」

松田が尋ねる。

担当職員は首を振った。

「正確には分かりません。警備課ならっているかもしれません」

ほどなく当の警備課が呼ばれた。

男は枚の類を準備してきていた。

広告

「そのカメラなら、3かほどに受刑者が騒いだ際に破損しましてね。こちらが報告です」

器破損。

修理請。

原因。

必な欄はすべて埋まっている。

だが松田は付を見てを止めた。

「これ、作成はいつです?」

警備課の表がわずかに固まった。

カメラが壊れたのは3か。

しかし報告が作られたのは、事件が報された翌だった。

「類の作成が遅れただけです」

「3か?」

「忙しい職ですから」

警備課は平然としていたが、の差し指がズボンの縫い目を何度も撫でていた。

松田はそれ以追及せず、男を帰した。

そのの午は医務の記録を調べた。

診療誌。

薬品管理簿。

廃棄記録。

夜勤務記録。

数字をつずつ照らしわせるうち、今度は眠導入に使用される鎮静薬の記録でが止まった。

あるの診療誌には、隔エリアでの夜診療が22に終したとかれている。

ところが薬品廃棄記録では、同じ薬剤の残量が午2に処理されたことになっていた。

4の空。

診療が終わっていたなら、その薬剤が午2まで管理簿いていた理由が説来ない。

しかも似たようなのずれが度ではなかった。

松田は帳に赤い丸をつけた。

条をもう度呼んだ。

回と同じを着て現れた条は、机のへ座っても表を変えなかった。

広告

松田は2枚の記録を並べる。

「条課。この4を説してもらえますか」

条はを眺めたあと、の内ポケットから封筒を取りした。

には京でわれた医学会への席証が入っていた。

問題の。

条は京にいたことになっている。

登録記録だけでなく、同僚医師2名による確認まで添えられていた。

「私が京にいたのに、どうやって富で薬を使うんです?」

条は静かに笑った。

「単なる記載ミスでしょう」

松田は男の目を見続けた。

あまりに準備がよすぎる。

聞かれることを、最初からっていたように。

条が帰ったあと、松田は刑務所の入退館記録も調べた。

確かに条はその、張扱いになっている。

しかし夜の医務課職員用通用に、所属番号だけが残る解錠記録があった。

午047分。

誰が使用したかまでは残らない。

ただ、その番号の範囲は医務課に割り当てられたものだった。

さらに由美の診療記録を確認すると、ある期からに数回、

《夜の皮膚症状悪化》

という記載が増えていた。

7全員に。

ほぼ同じ曜。

ほぼ同じ。

松田は診療記録を並べた。

偶然ではない。

そうじた。

翌。

もう度、由美の事聴取を申し入れた。

きりになると、松田は机のへ条の写真を伏せて置いた。

「名を言わなくていい」

由美の肩がわずかにく。

「今ここで全部話せとも言わない。ただ、つだけ聞く」

松田は声を落とした。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: