"鍵をかけられた妊婦" 第2話
美緒はケースを受け取ろうとしたが、節子はをさなかった。「今の健診、私もく。先に聞きたいことがあるの」
「で丈夫です」
「に頼まれてるのよ。あなた、何でも丈夫って言うから」
へメッセージを送ると、夜勤けで眠っているのか既読にならない。美緒は診察に遅れたくなくて、節子と緒にをた。
診察で医師が「張りはありますか」と尋ねると、節子が先に答えた。「この子、ほとんどかないんです。で座って仕事ばかりして」
美緒は慌てて訂正した。「朝、作業を伝っていて、っているが増えました。夕方にし張ることがあります」
医師の表が変わった。子宮頸管にきな問題はないが、痛みを伴う張りが規則に続くは横になり、い物を持たず、無理なち仕事を避けるよう言われた。
帰りので節子は黙っていた。ところがへ着くと、「い物は持たなくていいそうよ。包丁仕事なら座ってできるでしょう」と言った。
「先はち仕事だけじゃなく、無理をしないようにと言いました」
「無理かどうかはによるわ。私はがお腹にいる、産まで畑へてた」
「私はお義母さんではありません」
美緒がそう言った瞬、節子の顔から笑みが消えた。「そう。じゃあ好きにすれば」
そのの昼は用されなかった。
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蔵庫の材を使おうとすると、節子は「それ、の仕込みに使うから」と止めた。美緒は自でクラッカーをべ、オンライン会議を終えた。
夜、に母子帳のことまで説した。彼は疲れた顔で目をこすり、「母さんに渡したのは美緒じゃないの?」と聞いた。
「違う。バッグからしたの」
「それはよくないな。俺から言っとくよ」
「今、言って」
「もう寝てるだろ。にしよう」
は結局、翌も言わなかった。節子は母子帳を返したものの、保険証は「落とすと困るから」とケースへ戻したままだった。
美緒はスマートフォンで期賃貸を探した。漏事は、乾燥が遅れてさらに週延びると管理会社から連絡が来ている。ホテルなら泊千円以かかり、産をに貯を減らすのは怖かった。
それでも、ここにいる費用はおではなく別の形で請求されている。そうい、美緒は会社くのウィークリーマンションへ問いわせた。
その夜、節子が部へ入ってきた。ノックはしたが、返事を待たずに扉をけた。
「来、の駅の祭りがあるの。今までで番きな注文が入ったわ」
差しされた予定表には、毎の製造数がかれていた。美緒の名もあり、午半から、午からまで線が引かれている。
「私、その頃は妊娠かです」
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「座って袋詰めするだけよ。赤ちゃんがまれたら、しばらく伝えないでしょう。今のうちに族で乗り切らないと」
「私は従業員ではありません」
「族から料を取るつもり?」
「そういうじゃなくて、できません」
節子は予定表を畳み、静かな声で言った。「は、この注文があるからあなたをここへ連れてきたのよ」
美緒はを疑った。「どういうことですか」
「聞いてないなら、本に聞きなさい」
夜勤務へたは話になかった。美緒は朝まで眠れず、隣で節子が段ボールを組みてる乾いた音を聞いていた。
翌は戌のだった。節子は朝の席で、の腹にある神社へ産祈願にくと言いした。参には百段の段があり、でまでくもあるが、「自分のでがってこそ御利益がある」と譲らなかった。
美緒は会社の予定があり、の健診で張りを相談したばかりだと断った。すると節子は、すでに親戚へ同を頼み、昼のまで予約したとかした。「みんな、あなたと赤ちゃんのためにを空けたのよ」と言われれば、美緒だけがわがままを言っている形になる。
結局、美緒は神社にはかなかった。会社の会議へ参加し、昼休みに自分で所を分だけ歩いた。節子は親戚とでかけ、帰宅、祈祷済みの腹帯を卓へ置いた。
「せっかくなのに、残だったわね」
言葉だけなら気遣いに聞こえたが、親戚との写真が族のグループへ何枚も送られ、《本は仕事を優先して欠席》と節子が添えていた。
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