"その家、私のです" 第3話
具付き賃貸は狭かったが、帰宅に誰かの献を考えなくていい。絵里は品会社の受発注事務として週働き、取りは万円ほど。の維持費がにかかるは贅沢できなかったが、だけは戻ってきた。
曜、美容院でセンチ髪を切り、帰りにで定をべた。自由とは豪華な旅ではなく、自分がべたいに温かい物を注文できることだと気づいた。
方、修司は所へ「妻が突然てき、母親ごと追いそうとしている」と話していた。絵里の携帯には、町内会のから回しな確認が来た。
絵里は登記簿や夫婦の事をばらまかなかった。ただ、「婚調で、居についても専を通して話しっています」と答えた。噂へ勝とうとすると、噂と同じ速さでり続けなければならない。
最初の調で、修司はを自分へ譲る代わりに財産分与を求めない案をした。の査定額は千百万円。夫婦の共預は百万円しかない。釣りわない提案だった。
調委員から名義を確認されると、修司は「実質には共同財産だ」と主張した。改装費の領収として百万円の類を提し、の活費も考慮すべきだと言った。
絵里は購入の契約、婚の預履歴、ローン返済表、固定資産税の記録を提した。
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修司の活費は共同活の費用であり、の取得代ではない。改装費については、実際の負担額を確認したで精算に応じると伝えた。
期、弁護士から話があった。修司が提した改装請求の会社印と、当絵里が保管していた控えの会社印の位置が違う。額も百万円増えているという。
「偽造と断定はできません。会社側の原本と会計処理を確認する必があります」
その夜、絵里の元へ美から連絡が来た。会って話したい、修司にはらせないでほしいとかれていた。
、駅の喫茶に現れた美は、恋の顔をしていなかった。疲れ切った表で、分いファイルを膝に置いた。
「奥さん。修司さんが婚を急いだ本当の理由、聞いていますか」
「あなたと暮らすためではないんですか」
美は目を見き、すぐに首を振った。
「違います。私は会社の債権者側です。修司さんは、あなたのを担保にすれば穴を埋められると言ったんです」
美は、修司と個に事をしたことは度あると認めた。度は社を含む、もう度はとの面談にで資繰りを話した。その度目を誰かに見られ、社内で噂になったらしい。
「私にも庭があります。修司さんと暮らすつもりなどありません」
絵里は疑い続けた曜をいした。
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修司のスマートフォンを調べなかったのは、信じていたからではない。真実をれば活を変えなければならないことが怖かったからだ。
美も簡単な正義の方ではなかった。帳簿のずれをりながら半、社の指示に従って支払い予定を組み替えた。宅担保の相談がて初めて、部税理士へ報告したという。
「もっとく止めるべきでした。でも、会社が潰れればが職を失うと言われ、毎、次の入まで待とうとってしまったんです」
絵里は修司や自分と同じものをじた。今さえ丸く収めればは良くなる。そう考えてさな異常をみ込むうち、戻れない所まで来る。
は方としてを握りわなかった。美は自分の責任を会社で説し、絵里は自分の財産を守る。それぞれの目がになっただけだった。その距が、かえって信用できた。
美の説によると、修司の会社ではから資繰りが悪化していた。社が無理な支拡をめ、修司は営業部として事代の受けを別案件の支払いへ回していた。
美は経理課として止めたが、修司は「型契約が入れば戻せる」と押し切った。違法性の判断は専に任せるとしても、帳簿と実際の入にずれがじ、融関から追加説を求められている。
「私は内部調査へ協力しています。修司さんから、婚にの名義を移してもらい、事業資の借入れに使うと聞かされました」
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