"愛人とタイへ行った夫の10日後" 第7話
今のお義母さんのことは、息子である浩司さんへ連絡してください」
「タイ旅……?」
田さんの声が変わった。
「この状況で?」
「はい」
しばらくして、田さんはゆっくり言った。
「分かりました。由美さん、本当に今までよく頑張りましたね」
その言葉を聞いた瞬、私はわず唇を噛んだ。
義母から3、度も言われなかった言葉だった。
「こちらで域包括支援センターとも相談します。由美さんは、ご自のことを優先してください」
話が切れた、私はく息を吐いた。
介護というい鎖から、自分のを初めてした瞬だった。
方、その頃。
浩司はタイのプーケットにある級リゾートホテルで、美穂と過ごしていた。
プールサイドのデッキチェアに寝転び、たいみ物をにしている。
「浩司さん、最。やっぱりタイにしてよかったね」
着姿の美穂が笑った。
「俺が連れてきてやったんだから謝しろよ」
浩司も満そうに笑った。
テーブルのには、田さんからの着信が何件も残っていた。
「しつこいな」
浩司は画面を見ると舌打ちした。
「どうしたの?」
「母さんのケアマネ。どうせ由美が介護から逃げたいとか泣きついてるんだろ」
浩司はスマートフォンの源を切った。
「帰ったら掃除しないとな。邪魔なものを全部片づけて、俺たちの活を始める」
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「楽しみ」
美穂が笑った。
数。
2は型ショッピングモールにいた。
美穂が級ブランドのバッグを見つけた。
「これ、欲しい」
値札は50万円を超えていた。
「買ってやるよ」
浩司は迷いもせず、会社から持たされていた法カードをした。
だが員が戻ってきた。
「申し訳ございません。こちらのカード、現ご利用いただけないようです」
「はあ?」
浩司の眉が吊りがった。
「そんなはずない。限度額には余裕がある」
「カード会社側で利用止になっているようです」
浩司は苛ちながら別のカードをした。
それは、私の遺産が移されていた座に関係するカードだった。
ところが、こちらも使えなかった。
「何だと?」
「座側で何らかの制限がかかっている能性があります」
その瞬、浩司の胸に初めてさな違がまれた。
私から連絡がない。
普段なら義母のことで何かあれば連絡してくる。
けれど浩司は、すぐにそのを打ち消した。
由美が自分に逆らえるわけがない。
そう信じていた。
結局、別の個カードと現を使い、浩司は美穂へバッグを買った。
「ありがとう」
美穂がんで抱きつくと、浩司のはまた消えた。
同じ頃、本では状況がきくいていた。
田さんたちは、義母の状態を確認するため自宅へ入った。
3、事もおむつ交換も分にできなかった義母は、ひどく衰していた。
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救急対応の、政と相談し、緊急のショートステイ利用が決まった。
「由美を呼びなさい!」
義母は助けに来た田さんへ鳴った。
「由美さんは戻りません」
田さんははっきり伝えた。
「あなた自が『ていけ』とおっしゃったそうですね。そして息子さんはにいらっしゃいます」
「嘘よ! 浩司が私を置いて旅なんてくはずない!」
義母は取り乱した。
「何度連絡しても源が切られています」
その言葉を聞いた、義母は初めて黙ったという。
自の息子。
何をしても最には自分を守ってくれると信じていた息子。
その息子が、自分を置いてとへっていた。
私は田さんからその報告を聞いても、へ戻ろうとはわなかった。
同じ、林弁護士からも連絡が入った。
「由美さん。側への続きはみました。それから、もう1つなことが分かりました」
「何でしょう」
「現のご自宅のについて調べました」
私はを澄ませた。
「の部は、もともと由美さんのお父様の名義だったんですね」
忘れていた記憶が蘇った。
28。
を建てる、父がの部をしてくれた。
「娘が婚で肩の狭いいをせんように」
父はそう言っていた。
浩司は「俺の」と言い続けてきたため、私自もほとんど識しなくなっていた。
「相続関係を理すると、由美さんにも権利があります。
なくとも浩司さんが自分1の判断で自由に処分できるではありません」
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