みかん小説
本棚

"息子の婚約者の母は、20年前の女だった" 第4話

そう言われ続け、苗は自分の見を言えなくなっていた。

『私はずっと、母の見栄を飾るための形みたいでした。でも健さんに会って、初めて自分でこのと緒にいたいとったんです』

だからこそ、苗は婚約をやめようと考えた。

自分が恵子の娘である以、健まで巻き込むかもしれない。

『最、私の名宛てに、らない融会社からはがきが届くようになったんです』

私はわず姿勢を正した。

「どんな内容だったの?」

『よく分かりません。母に聞いたら「違いだから」と言って、そので破り捨てられて……でも、あれは借に関するものだったといます』

苗自の名まで使われている。

興信所の調査報告。

恵子の3000万円を超える借。

病院くの怪しい会社。

そして今、健を「おを引きせる相」と話した言葉。

全部がつながった。

「苗さん、よく聞いて」

私はできるだけ静かな声で言った。

「あなたは、お母さんとは別のよ」

話の向こうで、苗が息をんだ。

「あなたは何も悪くない。私はあなたと健の結婚を諦めるつもりはありません」

『でも……』

「私が2を守るから」

その瞬、苗は声をげて泣いた。

これまで誰にも言えなかったのだろう。

私は彼女が落ち着くまで、話を切らなかった。

そして最に1つだけ頼んだ。

「しばらく、お母さんには何も気づいていないふりをしてほしいの」

広告

『どうしてですか?』

「問い詰めたら、証拠を隠すでしょう。今は何もらないふりをした方がいい」

苗はしばらく黙った、さく返事をした。

『分かりました』

通話を終えた私は、テーブルに興信所の報告を広げた。

苗の話と照らしわせながら、もう度最初から読み直していく。

そこで私は、1枚の写真に目を止めた。

恵子が融関係者らしい男性と裏で会っている写真だった。

男へ類の束を渡そうとしている。

私は目を凝らした。

番のに見覚えのあるロゴがあった。

健の勤務する総病院。

さらに拡して確認すると、そこには健の名が見えた。

籍証のコピーだった。

私は子からちがった。

どうして恵子が、健の勤務先の正式な類を持っているのか。

本から受け取ったはずがない。

その、に浮かんだのは、苗の言葉だった。

『私の名も、勝に使われているのかもしれません』

嫌な予がした。

計を見ると、朝6をし過ぎていた。

健はその、夜勤けで帰宅する予定だった。

だが待っている余裕はなかった。

私は濃いめのコーヒーを入れ、健の部へ向かった。

健はすでに起きていた。

机に向かい、医学をいている。

「健、しいい?」

私の声を聞くと、彼はすぐに本を閉じた。

「どうしたの、お母さん。

広告

顔悪いよ」

「あなたの実印と通帳、今どこにある?」

健は驚いたように目を丸くした。

「実印? 机の番の貴品箱だけど」

「確認して」

私のい調に押され、健はさな鍵付きの箱を取りした。

を確認していく。

やがて、そのが止まった。

「……ない」

「何が?」

「通帳はある。でも実印のケースがない」

私は目を閉じた。

最悪の予が当たった。

「最、この部に誰か入った?」

健は考え込み、やがて顔をげた。

「3、恵子さんが来た」

私は息をんだ。

「苗が夕を作ってくれている、突然産を持ってきたんだ。僕と苗は台所にいたから、恵子さんには居で10分くらい待ってもらってた」

10分。

それだけあれば、机の引きしをけることはできる。

健の表が変わった。

「お母さん、体何が起きてるの?」

私は茶い封筒を机へ置いた。

「落ち着いて聞いて。これから話すことは、信じられないかもしれない」

そして私は、初めて息子に20の真実を話した。

私が話している、健は度もを挟まなかった。

20、父親が倫をしていたこと。

その相が苗の母・恵子だったこと。

私と幼い健がのでを追いされたこと。

そして現、恵子が3000万円を超える借を抱え、健の籍証と実印を持ちした能性がいこと。

健は机のに置かれたコーヒーカップを両で握っていた。

指先がくなっている。

「お母さんは……ずっと1でこれを抱えてたんだね」

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: