"息子の婚約者の母は、20年前の女だった" 第8話
ドアをける。
恵子がこちらを見た。
瞬だけ鋭い線を向けた、すぐに作り笑いへ変わった。
「ゆみさん、お待ちしておりましたわ」
その横に苗が座っている。
俯いてはいたが、以とは違った。
膝ので握るに、確かな力があった。
「今は若い2の将来について――」
恵子の言葉が止まった。
私のろから、弁護士が入ってきたからだ。
「初めまして」
く落ち着いた声が個へ響いた。
「健さんの代理を務めております、と申します」
恵子の顔が気にこわばった。
「弁護士……?」
「ええ」
弁護士は鞄をテーブルの横へ置いた。
恵子はすぐに誠の腕へを伸ばした。
「あなた、何なのこれ。今は子どもたちの切な話をするでしょう?」
誠は、そのを静かに振り払った。
「今だからこそ、話すんだ」
恵子の顔が変わった。
私は健の隣へ座った。
弁護士は分いファイルを取りし、テーブルへ置いた。
番にあったのは、健の籍証のコピーだった。
「恵子さん」
弁護士が言った。
「健さんの実印と籍証が、ご本の承なく融続きに使用されている件について確認させてください」
「何のことですか」
「また、誠さんの会社名義の類と印鑑が無断で使われている件についてもです」
恵子の目が激しく泳いだ。
「らないわ。何かの違いよ」
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誠がい声で言った。
「恵子。もうやめろ」
「あなたまで何を言うの?」
「会社の経理記録も確認した。おがやったことは分かってる」
恵子の元が震えた。
それでも、まだ認めようとはしなかった。
そして次の瞬、彼女は突然私を指差した。
「全部この女のせいよ!」
20と同じだった。
追い詰められると、自分以の誰かを悪者にする。
私は黙って恵子を見つめた。
まだ、これで終わりではなかった。
「この女が昔のみで私を陥れようとしているのよ!」
恵子は叫んだ。
「20のことを今さら持ちして、私の庭を壊したいだけでしょう!」
誰も答えなかった。
弁護士は淡々と類を並べた。
健の実印がなくなった期。
恵子が訪問した。
融業者へ提された類。
誠の会社名義での融資申請。
そして、恵子本が使っていた帳。
1つずつ事実が示されるたびに、恵子の声はさくなった。
「違うわ。私は族を助けようとしただけよ」
誠が顔をげた。
「族のため?」
その声はかった。
「俺の会社を勝に担保に使おうとして、健君を保証にして、自分だけを持って逃げる計画が族のためなのか」
恵子の顔が固まった。
「帳は読んだ」
誠が続けた。
「老ホームのこともな」
恵子は言葉を失った。
それでも数秒、突然表を変えた。
き直るように顎をげた。
「ええ、そうよ」
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個が静まり返った。
「私がやったわ。それが何?」
苗が息をむ。
「だって健さんが保証になってくれれば済む話でしょう。医者なんだから信用もあるし、すぐ返せるじゃない」
私はあまりの勝さに、瞬言葉を失った。
恵子はさらに私へ顔を向けた。
「それに、ゆみさん。あなたは私に謝したっていいくらいなのよ」
「何を?」
「20、私があなたからあの男を取ったから、あなたは必になって息子をここまで育てたんでしょう?」
健がちがろうとした。
私は腕を掴んだ。
恵子は笑った。
「もしあのまま平凡な夫婦でいたら、健さんだって医者になんかなれていなかったかもしれないじゃない」
私は鳴らなかった。
20の私なら、耐えられなかっただろう。
でも今は違う。
恵子は、自分で自分の本性を見せている。
「いいわ」
恵子は腕を組んだ。
「借の件は私が悪かったとしましょう。でも、この結婚は認めない」
苗の肩が揺れた。
「苗、帰るわよ」
恵子は娘の腕を掴んだ。
そのを、苗が初めて振り払った。
「やめて」
恵子が凍りついた。
「何ですって?」
苗はちがった。
顔は青ざめていたが、目だけはまっすぐだった。
「私は健さんと結婚します」
「親に向かって何を言ってるの!」
「もう、お母さんの言う通りにはきません」
恵子の顔が真っ赤になった。
「誰がおをかけて育ててやったとっているの? あなたには私に恩返しする義務があるのよ!」
そして恵子は健を睨んだ。
「どうしてもこの娘と結婚したいなら、条件があるわ」
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