"「忘れ物」で夫の嘘がばれた日" 第4話
リビングでは、夫とがしいマンションの具について楽しそうに話している。
その2はまだらない。
今の午3。
産会社だけではなく、
私の弁護士も、このへ来ることを。
正午、健と苗は昼へかけた。
「産が来るまであるし、駅のフレンチこう」
苗が以からきたがっていたらしい。
玄関の扉が閉まり、の音がざかるまで、私たちは10分くかなかった。
「ったわね」
子が言った。
私は頷き、の仏壇へ向かった。
父の写真がこちらを見ている。
くなった、私は30歳だった。
娘の美咲はまだ幼稚園児で、健の会社も定していなかった。
父は最まで私の暮らしを配していた。
「夫婦仲が良くても、自分の名で残るものは持っておきなさい」
そう言ってくれただった。
私は仏壇のの引きしをけた。
線。
ろうそく。
古い数珠。
そのに、茶い封筒があった。
には登記関係の類、実印のケース、私の印鑑登録証などがまとめて入っている。
私はそので全てを撮した。
そして必なものだけ、自分のバッグへ移した。
「本当にここに隠してたのね」
子は父の写真を見ながら、声を震わせた。
「あなたのお父さんのおで建てたなのに」
母の目から涙が落ちた。
私は初めて、胸がく痛んだ。
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自分が裏切られたことよりも、くなった父の気持ちを侮辱されたことが悔しかった。
「お母さん」
私は母の肩を抱いた。
「絶対に取らせないから」
午1過ぎ。
健たちが戻ってきた。
し遅れて、義母まで現れた。
「お祝いにお寿司買ってきたわよ!」
るい声が玄関に響いた。
「苗さんもいるんでしょう?」
「母さん、声でかいよ」
健が慌てた。
「何よ。由美さんは今頃ハワイでしょう?」
義母は笑った。
「もう気を遣わなくていいじゃない」
私はで目を閉じた。
苗が玄関へ迎えにる。
「お義母さん、わざわざありがとうございます」
「あら、苗さん。本当にきれいねえ」
義母の声にはびが滲んでいた。
「これからはあなたがちゃんと健を支えてあげてね。あのなとは違いだわ」
子の肩が震えた。
私は母のに自分のをねた。
まだだ。
今てはいけない。
「由美さんには悪いけど、私は最初からわなかったのよ」
義母は寿司を広げながら話し続けた。
「何を着てもでしょう。それに何でも節約、節約って」
「でも、お義母さんのではずいぶん良くしてたじゃないですか」
苗が笑う。
「そりゃそうよ」
義母は悪びれもしなかった。
「あの子のお父さんがもおも持ってたもの。健の料だけじゃ、こんな建てられなかったでしょう」
私は指先を握った。
「が建って、美咲もになって、もう分よ。
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由美さんの役目は終わったの」
役目。
その言葉だけが、妙にはっきり聞こえた。
25。
私は妻ではなかったのかもしれない。
母でも嫁でもなく、
ただ「役につだけ置かれていた」だったのだ。
しばらくして話題は美咲の結婚へ移った。
「来の結婚式、由美が揉めたらどうする?」
健が言う。
義母はで笑った。
「あの子が逆らうなら、美咲ちゃんの婚約者のに話すればいいのよ」
私は顔をげた。
「由美さんはに汚い女で、夫婦仲も最悪ですって言ってやればいい。のことで揉めてる母親がいるなんてったら、向こうのご両親だって考えるでしょう」
「それ、効くかしら」
苗が聞く。
「効くわよ。由美は美咲ちゃんのためなら何でもするもの」
義母は笑った。
「結婚を壊されたくなければ黙ってていけ、って言えばいいの」
私はスマートフォンを確認した。
録音。
それから母を見ると、子は唇を噛み、涙を堪えていた。
私は首を振った。
もう泣かなくていい。
今の言葉も全部残っている。
私のだけではない。
娘のまで取引材料に使うつもりなのだ。
午2半。
健がちがった。
「そろそろ類を揃える」
2階の斎へ向かう音がする。
数分。
引きしを荒々しくける音がした。
また1つ。
もう1つ。
やがて階段を駆けりる音。
「ない」
健の声が変わっていた。
「何が?」
「通帳がない」
「え?」
「婚届も、委任状もない」
苗の声が尖った。
「どういうことよ」
「らない! 朝はあったんだ!」
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