"合格発表の日、父が消えた" 第5話
千は退院直、青葉の教で問題を解いた。氏名と受験番号はすでに印字されており、監督役の講師から、本確認のため同じ内容を別にもくよう求められた。その別が、栞を告発する証拠に使われたのだ。
「あなたのお父さんがいなくなったあと、塚本先に呼ばれた。あの答案のことを話したら、私と母も正受験で逮捕されると言われた。栞には、何も聞かれてもらないと言えって」
「最初のは怖かったかもしれない。でも、ずっと怖かったの」
千は俯いた。学を卒業し、就職し、結婚して子どもがまれるたび、今さら名乗れば失うものが増えた。栞のが止まったことをりながら、自分の活を守るほうを選び続けたのだ。
「ごめんなさい」と千は言った。
栞は返事をしなかった。謝罪が遅すぎるからではない。というを、言の謝罪で受け取ったことにしてしまえば、自分まで来事をさく扱うことになるとった。
千は証言すると約束し、当の母の通帳も提した。百万円の振込先は青葉学会ではなく、塚本が管理する教材会社だった。そのは、栄印刷へ《払》として送られ、帳簿の百万円の部になっていた。
帰宅した栞は、真理子にすべてを話した。すると母は、蔵庫ので顔を覆った。
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「あのは、万円を持って帰ってきたことがある」
失踪夜、修は現の入った封筒を卓へ置いた。塚本から受け取った止め料だと言い、すべて終わらせると話した。真理子は娘を危険に巻き込まないでほしいと泣き、警察へくならでけと言ってしまった。
「私も、あのをから追いしたの」
だが万円は、すでにへ振り込まれている。真理子が見た現は、別のだったことになる。
その封筒を、修は失踪当の朝も持っていた。そして黒いに乗ったとき、運転席にいたのが誰なのか、真理子には当たりがあった。
黒いは、栄印刷の原社が使っていた社用だった。失踪当、真理子は午に修から話を受けている。修は、民会館で邦学の監査担当者と会うため、原がで送ってくれると言った。
真理子は、その話を警察に伝えていなかった。原から、社用は朝から修理にあり、修は精神に定だったと聞かされたからだ。さらに、会社が盗まれたの返済を藤原へ求める能性を示され、幼い恐怖に押されるようにを閉ざした。
当の民会館は数に取り壊され、跡は齢者施設になっていた。栞はの利用記録を調べ、201036の会議を借りた団体を見つけた。
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《学教育資料研究会》という名だったが、所には青葉学会の教材会社が登録されていた。
受付を担当していた元職員の記録には、利用者名とある。塚本、原、そして藤原修。午過ぎ、職員が茶を運んだとき、内から鳴り声が聞こえた。修は封筒を机へ置き、「学と警察の両方に話す」と言っていた。
塚本は現、神奈川県の介護施設にいた。軽い脳梗塞の遺症はあるものの、会話はできた。栞が面会で名乗ると、塚本は驚くより先に、「お父さんには約束を守った」と言った。
「何を約束したんですか」
「娘さんの格を取り消させない。その代わり、彼には町をれてもらった。警察へけば、印刷から問題を盗んだのは彼で、あなたへ渡したのだと証言するつもりだった」
塚本によれば、修は原本頁をすでに別の所へ移していた。すぐに公されれば、青葉だけでなく、栞の名も正受験者として報じられる。修は資料の所を言わない代わりに、栞への告発を撤回させようとした。
原は、の架空損失を修の窃盗に見せかける案をした。幹線の切符をロッカーに置き、修自がいた置きを残せば、族まで共犯と疑われずに済む。修は度拒んだが、塚本が栞名義の答案を見せると、条件を受け入れた。
「父は、どこへ連れていかれたんですか」
「宇都宮までで送った。現万円と、しい仕事を探すまでの宿代も渡した。
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