"毎月20万円送っていたのに、82歳の母は皿を洗っていた" 第6話
母に代わって答えた
「話を取り次がないように言ったことはある」
は子の背に体を預けた。
「あの頃、君は事業を広げる事な期だった。の細かな話まで持ち込めば、仕事にならなかっただろう」
健は母のメモからをした。自のから聞いても、すぐには次の言葉がなかった。毎のように顔をわせていたが、母の声を止める判断をしていた。
「母が僕を呼んでいると、っていたんですね」
「だから、こちらで対応した。送の続きも、そのためにまとめたんだ」
「では、これは何ですか」
健は勝のメールと、族状況報告を並べた。はまず署名欄を見て、それから本文へ目を戻した。
「弟は母の入院を伝えています。返信には、社に報告済みとある。僕が受け取った資料には、母本と話して健康だと確認したといてある」
「現の担当者が、いつもの式を使ったんじゃないか」
「母と話していなくても、本に確認したことにする式ですか」
は報告を裏返した。裏に文字はなかった。そのまま机に置き、指先での角をそろえた。
「古い報告のき方を、今ここで私に聞かれても困る」
「母に僕が連絡を望んでいないと伝えた件は、古いき方の問題ではありません」
は返事をせず、事業計画の封筒にを置いた。
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「健、をやせ。君のためにしてきたことまで、全部悪で受け取るな」
「僕のためなら、母から話があったと伝えてくれればよかった」
声をげないよう識すると、喉の奥が痛んだ。健はをまず、続けた。
「送先を変えた理由と、母が受け取っていないの処理を、記録で説してください」
「を盗ったとでも言うのか。支払先の変更なら、経理の都はいくらでもある」
「だから、説を求めています」
は腕計に目を落とした。以なら、健の方が話を切りげていただろう。今は次の会議へ送りす言葉をにしなかった。
代わりに、弁護士と確認しておいた通を差しした。
「活費だけでなく、僕個の資管理についても、あなたへの委任を終わりにします」
は通を引き寄せた。の部にある健の署名を見て、持っていた封筒を机へ戻す。
「会社の専務に対して、ずいぶんな扱いだな」
「これは、僕の個資を任せている件です。会社でのを理由に続けてもらうことはできません」
健は管理会社の責任者へ話をかけ、文を送付したことと、今の指示を本から受けるよう伝えた。相は習慣で、にも確認を取ると答えた。
「その確認はりません。委任を取り消したのは私です。必な本確認には応じます」
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が子を引いた。責任者は通を確認し、指示系統を変更して引き継ぎに入ると答えた。健は受領の連絡を面でも求め、話を切った。
「私をせば、困るのは君だぞ」
「必なことは、引き継ぎので聞きます」
は通だけをに取った。残した封筒を取りに戻りかけたが、健が机の端へ寄せると、そのまま持ってていった。
ドアが閉まっても、健はしばらくてなかった。母から話があったことを、自分は今までらなかった。その事実をこれからも見ないふりで扱うことだけは、もうできなかった。
夕方、会計士から途経過が届いた。母への振り込みが減った、残額を受け取った会社名が分かったという。
『アオバ業務サポート』
健は机に残っていた事業計画の控えをいた。がめていたホテル改装事業の発注候補覧にも、同じ名があった。
母の活費が流れた先は、グループの取引先でもあった。
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