"「貧乏男」の通帳に5億円" 第11話
「丈夫」と言わなくていい
「には、駅から面談へ向かうといてあります」
佐々さんは、以見せてもらった求のチラシを元にしていた。み込みを希望するの面談があり、駅で送迎に乗ると、美優さん自がに話していたという。
私たちのから駅までは歩いて12分だった。先が園から来るのを待つよりい。私が先に見にくと伝えると、蓮さんも着を取り、2でをた。
バス乗りの脇に、の旅鞄を抱えた美優さんがいた。掲示板を見げては、携帯へ目を落としている。名を呼びかけようとした蓮さんが、数歩で止まった。
私は夫の袖に触れたあと、美優さんの横へ回った。
「ここ、座ってもいい?」
彼女は私を見て、鞄を引き寄せた。私は空いた端へ腰をろした。ベンチはたく、元をき交うのが通り過ぎた。
「先から連絡が来たんですか。ごめんなさい。でも、私、丈夫です」
「今は、仕事の話を聞きにくの?」
「はい。部もあるって。働けば、おもかからないとって」
にしたチラシには、寮費や入居の付まではかれていなかった。私はそこを緒に見て、まだ確認できていない条件を聞いた。美優さんは、面談で聞けばいいとったと答えた。
「気になる仕事なら、話を聞いてから決めればいいよ。
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今、む所まで全部決めなくてもいい」
「でも、帰ったら、また皆さんに迷惑が」
言いかけた声が細くなった。彼女は鞄の持ちを両で握り、私から顔をそらした。
「部を借りても、初めてのお料まで持つか分からないし。おを借りて、返せなかったらとうと、怖くて」
私は頷いた。すぐに丈夫と返す代わりに、今の夜にいられる所から話をした。園へ戻って相談を続けることも、先が提案したなまいを確かめることもできる。コーポ川の部も、彼女に見てもらう予定で空けてある。
「何を借りて、何は返さなくていいのか、先に聞こう。分からないまま、ありがとうって言わなくていいから」
美優さんがこちらを向いた。私は会社の連絡先がかれたを持っているか聞いた。彼女は財布から、折り畳んだをした。
「これ、使っていいの。困ったにかける番号だから」
しばらくして、蓮さんが私たちのへ来た。腰を落とし、彼女と目のさをわせた。
「俺たちの部を選ばなくてもいいです。ただ、む所が決まらないからって、決まっている仕事まで今放さなくてもいい」
美優さんはを向いたまま、品会社で働きたいとさく言った。初めて面接で自分の話を最まで聞いてくれたがいたのだという。
「だったら、その会社と、通えるまいの話をもう度しよう」
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私が言うと、彼女は携帯をいた。佐々さんへ話し、今いる所と、今は帰って相談したいことを自分で伝えた。面談先にも連絡を入れ、居の条件を確認してから改めて考えたいと話した。
通話が終わるまで、蓮さんは鞄に触れなかった。
「戻る方のバス、あっちですか」
美優さんがつと、夫もちがった。
「荷物、持ってもいい?」
彼女は度鞄を見てから、持ちを差しした。その隣を歩く蓮さんの肩が、しずつがっていった。
先と流したあと、美優さんの同を得て、就職先にもまいを調だと連絡した。採用は変わらず、予定の勤ににうよう準備を続けることになった。その夜は園で過ごし、翌、コーポ川の部を見にった。
私たちも同すると、美優さんは窓をけ、台所にってから、ここで暮らしたいと言った。文さんが机に広げた入居の類を、座って最まで読んだ。
「ここだけ、けるがいないんです」
彼女が指したのは保証の欄だった。蓮さんはその隣に腰をろし、文さんへ向き直った。
「この部の条件を確認したで、俺が引き受けます」
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