"元警察官の父が娘に渡した一枚の封筒" 第7話
義父母だった。
「突然申し訳ありません」
義母は級な菓子を持っていた。
「拓也から話を聞きまして」
私は居で向かいった。
誠も隣に座っていたが、を挟まなかった。
「夫婦喧嘩をしたそうですね」
義母が言った。
「拓也も反省しております。仕事でし苛って、声を荒らげてしまったと」
「声を荒げただけだと聞いているんですか」
義父の眉がいた。
「何か違うんですか」
私は瞬迷った。
拓也に押されたことを言うべきか。
けれどもっと切なのは、彼らに認めてもらうことではないとった。
「私は、もうあのでして暮らせません」
義母が困った顔をする。
「でも織さん、夫婦ならの言いいはありますよ」
「言いいの話ではありません」
「拓也だってで働いて疲れているんです」
義父も続けた。
「男は仕事で々ありますからね。庭では妻がうまく受け流してやることも必でしょう」
以の私なら、その言葉に罪悪を覚えただろう。
妻としてりない。
理解がない。
そう言われれば、すぐ自分を責めていた。
「私は受け流せなくなったんじゃありません」
私はゆっくり言った。
「ずっと受け流してきたんです」
義父母が黙った。
「られて、怖くても、次のに謝られれば終わりにしてきました。だから拓也さんも、謝れば元に戻るとうようになったんだといます」
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義母の顔が曇る。
「そこまで言わなくても……」
「お義母さん」
私は初めて遮った。
「私、拓也さんを悪いだと証したいわけじゃありません。ただ、私はもう緒には暮らせません」
義父が険しい顔でちがった。
「そこまで頑なにならなくてもいいでしょう」
「頑なでも構いません」
自分でも驚いた。
以なら絶対に言えない言葉だった。
義父母が帰った、私はしばらく震えていた。
誠が湯呑みを片づけながら言った。
「はな、自分で線を引かなきゃ、どこまででも踏み込んでくることがある」
「お父さんもそういう、たくさん見た?」
「仕事ではな」
それ以、父は語らなかった。
でも私はしずつ分かってきた。
父が最初のに拓也の会社へかなかった理由は、単に私のを尊したからだけではない。
きっと警察官だった頃に見た何かがある。
そして父は、それを私にまだ話していなかった。
私は弁護士の無料相談を予約した。
すぐ婚を決めたわけではない。
ただ、自分がどんな選択肢を持っているのかをりたかった。
これまでは、拓也と暮らすか、全てを失って婚するか、そのつしかないようにっていた。
相談では、別居を続けながら今を考えることもできるとった。共している支、名義、保険、賃貸契約、財、今必になる類についてつずつ確認していくと、だけだった問題がしずつ現実な形に変わった。
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私は料の振込座を確認し、な類のコピーを元へ置いた。
医療関にもった。
壁へぶつけた肩はすでにきな怪ではなかったが、経緯を話して記録を残した。
怖かった。
受付で「どうされましたか」と聞かれた、何度も「転びました」と言いそうになった。
それでも本当のことを話した。
帰り、議な気持ちになった。
拓也を罰したいからではない。
未来の自分がまた「何もなかった」と言い始めたに、今の自分がそれを止めるためだった。
方、拓也からは文のメッセージが届いた。
《俺には織が必です》
《君がいないは広すぎる》
《何でも直す》
以なら胸が痛んだ。
しかし、父の枚のと自分のノートを何度も読み返すうち、文章の見え方が変わった。
拓也は「君が怖かったことを理解した」とは度もいていない。
「自分が寂しい」
「自分が困っている」
「自分が変わる」
全て主語が拓也だった。
曜、私は駅のカフェで会うことにした。
自宅ではなく、目のある所を選んだ。
拓也はスーツで現れた。
し痩せたように見えた。
「来てくれてありがとう」
々しい声だった。
「俺、本当に変わるから」
「うん」
「事もする。鳴らない。仕事のストレスも持ち帰らない」
私は彼の言葉を最まで聞いた。
それから答えた。
「今は、に戻るために来たんじゃない」
拓也の目が見かれた。
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