みかん小説
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"亡き義母の口座を洗う女" 第11話

錠がカチャリと音をてて、雅志の両首をたく締めげる。

者の名義を売り、妻を狂扱いして笑いしていた男の「全な常」は、あまりにも気く、そして瞬にして崩れった。

警察署での事聴取を終え、すべての続きが完した頃には、季節はへと移り変わっていた。

雅志は組織な詐欺、マネーロンダリング、印私文偽造などの容疑で正式に起訴された。義母の名義だけでなく、彼が関与していた組織『株式会社再』の「者名義ビジネス」の全貌が摘発され、連ニュースできく報じられた。

事件の報を見た々は「実の母親のを隠し、そのを売りばした血な息子」として雅志を非難した。私自も参考として厳しい取り調べを受けたが、期に証拠を提し、正なった直に通報したことが認められ、件は見送られた。

雅志からは弁護士を通じて何度も面会請求が届いた。「やり直したい」「騙されていたんだ」と見苦しい言い訳がかれたは、すべて封せずにそのまま破り捨てた。

私は婚届を提し、雅志と暮らしたを売却した。ローンや清算続きを終えた元に残ったわずかなおで、駅かられた当たりの良いアパートへ引っ越した。

の壮絶な介護と、3の偽りの平穏。

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の10くをあのに捧げ、奪われてきたけれど、今の私には自由と、誰にも脅かされない静かながあった。

のあるれた

私は久しぶりに義母の本当の墓がある霊園を訪れた。

を抜き、墓に綺麗なおをかけ、鮮やかな季節のを供える。

「お義母さん、遅くなってごめんなさいね」

に向かって静かにわせる。

症がみ、私に暴言を吐き、着ているを破り捨てていた頃の義母。だが、介護が始まるずっと、私がこのに嫁いできたばかりの頃の義母は、器用だが優しいだった。

「あの男は、ちゃんと罪を償うことになりました。お義母さんの名も、も、歩き方も……もう誰にも汚させませんから」

が吹き抜け、供えたさく揺れた。胸の奥につかえていた黒くい固まりが、すーっと消えていくような気がした。

その夜。

パート帰りの私は、居のくにある静かな夜を歩いていた。

灯のがアスファルトを柔らかく照らしている。ふと通りかかったコンビニの自ドアがき、『ポーン』と清らかで軽やかな子音が夜空に響いた。

計の針は、午7分を指している。

私はを止め、瞬だけそのコンビニの入を見つめた。

からてきたのは、さなレジ袋をげた若い学らしい男性だった。

彼は自転に乗り、そのまま夜のへと軽っていく。

そこには、もう誰も忍びでやってくる者はいなかった。

エンジのカーディガンを着た女も、脚を引きずる怪しいも、どこにもしない。

夜07分は、ただの静かな、おしい夜の1分に戻ったのだ。

「さて……の朝ごはん、何にしようかしら」

私はに持った買い物袋をし持ち直し、自分のでしっかりと踏みしめながら、るいへと歩きした。

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