"千五百円の仕送りと暴かれた嘘" 第11話
ピシリと、内の空気が凍りついた。 ソファのに寝転がっていた直太の体が、目に見えて直した。組んでいた腕が張り、喉仏がゴクリとにく。 「……は? 何の話だ。今は冗談を言っているじゃないぞ。俺は真面目な話をしているんだ」 直太は線をテレビに戻そうとしたが、その瞳はらかに泳いでいた。
「私も、至って真面目よ」 登美は歩も引かず、徹な線を夫の横顔に突き刺した。 「あなたの事部の部なんでしょう? その若い彼女って。これまで随分と美しいいをさせて、さぞかしたっぷりと甘やかして差しげたんでしょうね」
カチリと、直太はリモコンでテレビを消した。 苦しい静寂がリビングを支配する、直太はのっそりとソファから起きがり、登美を威圧するように睨みつけてきた。 「お……何が言いたいんだ? 俺が浮気でもしているかのようなぶりじゃないか。何の根拠があってそんな鱈目を言っているんだ!」
直太がどれほど目をらせ、柄な体で威圧してこようと、登美のには微の揺らぎもなかった。 のには、すでにすべての真実が握られているのだ。
「根拠なら、いくらでもあるわよ」 登美は腕を組み、静かに告げた。 「リリカの座に、毎千百円しか振り込まれていないことを審にったから……にって、おの流れをすべて調べさせてもらいました」
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その瞬、直太のの眉がピクリとねがったのを、登美は見逃さなかった。 「共座からは、確かに毎万円が引きされていたわ。でも、なぜかリリカの元へ届いていたのは千百円だけ。じゃあ、残りの万千百円はどこへ消えたのかしらね?」 「そ、そんなことがあるはずないだろう!」 直太は声をずらせ、唾をばした。 「俺は毎きっちり全額送している! のシステムエラーか、向こうの違いに決まっている! 調べ直させろ!」 「ええ、私も最初はそうったわ。のメガバンクがそんなミスをするはずがないといながらも、もう度窓で徹底に洗ってもらったの。そうしたら……まあ変」
登美はわざとらしく両を広げてみせた。 「私の全くらない、あなた名義の隠し座に、残りのおが毎そっくりそのまま入されていたじゃありませんか」
「なっ……!」 直太のが魚のようにパクパクと閉した。額から脂汗がじわりと滲みてくる。 「夫婦の共座はあなたが握り、通帳も肌さず持ち歩いていたものね。リリカへの仕送りも『仕事のにやっておく』と言って、私には細の枚も見せようとしなかった。……巧みなやり方だこと」 「い、いや……だから、それはだな……! 座を作ったのは、の営業から付きいで頼まれただけで……!」
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「付きいで作ったかどうかはどうでもいいのよ!」 登美は鋭くした。 「問題は、娘の命綱である活費を掠め取り、私に内緒で作った隠し座にプールしていたという事実よ! これなら、どんな疚しいおだって隠し放題ですものね!」
直太は完全に言葉を失い、登美から線を逸らすようにの点を見つめて直した。 登美の追撃は止まらない。
「羨ましいわねえ。その若い彼女と、随分とお楽しみになられたようじゃないの。週末の温泉旅でしょ? 名ブランドのバッグでしょ? それに座の級フレンチ。私やリリカには円の無駄遣いすら許さず、爪にを灯すような活をいてきた男が、よその若い女相には湯のようにをばら撒くなんて……したご分ね」
「ちょ、ちょっと待てよ!」 追い詰められた直太は、恥も聞もなく顔を真っ赤にして鳴り返した。 「お、の座を勝に調べたのか!? それはプライバシーの侵害だぞ! いくら夫婦でもやっていいことと悪いことがある! 体、何の根拠があって俺が部に貢いでいるなんて言えるんだ! がそんな探偵の真似事までするわけがないだろうが!」
登美の元に、酷な笑みが浮かんだ。 「ええ、その通りよ。は探偵ではないわ。だから――本物の探偵に調べてもらったのよ」
登美は背のカウンターから、あらかじめ用してあった分い茶封筒を取りし、テーブルのに叩きつけた。
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