みかん小説
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"千五百円の仕送りと暴かれた嘘" 第15話

「ピロン」 テーブルののスマートフォンが、軽な着信音を鳴らした。 画面には「リリカ」の文字と、ビデオ通話のリクエストが表示されている。登美はエプロンでを拭き、笑顔で通話ボタンをスワイプした。

画面が切り替わり、眩しいカリフォルニアの青空を背景に、すっかり洗練されたの女性へと成したリリカの笑顔が映しされた。オフィスのカフェのテラス席にいるようだ。 『お母さん、おはよう! 本はちょうど朝のくらいでしょ?』 「おはよう、リリカ。そっちは夕方かしら? 仕事はもう終わったの?」 『うん、今のプロジェクトのミーティングが段落したところ。あ、そうそう、お母さん! 今の送、さっきアプリで続きしておいたからね。確認してみて!』

登美は苦笑しながら、元のタブレット端末で自分の座のアプリをいた。 画面を更すると、そこには信じられないような桁の数字が、リリカの個名義から振り込まれていた。登美がかつて送っていた万円など遥かに凌駕する、数万円という額である。

「リリカ……毎、こんなを送ってくれなくてもいいのよ? 私にはパートの収入もあるし、で暮らすには分すぎるくらい蓄えもあるんだから」 『何言ってるの!』 画面ののリリカは、いたずらっぽくウインクしてみせた。

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『初任から言ってるでしょ? 今までお母さんが私を信じて、を削って支えてくれたことへの配当なんだから! 向こうのIT企業のお料、お母さんがってるよりずっといんだよ。慮しないで、美しいものをべたり、旅ったりして使ってよ』

「ありがとう……本当に、頼もしくなったわね」 登美が目を細めると、リリカはふふっと声をてて笑った。

『ねえ、お母さん。覚えてる? あの……私が、千百円しかもらえなくて送った、あのスクランブルエッグの写真』 「忘れるわけないじゃない。あの写真を見たの私の臓の止まりようったらなかったわよ」 『あはは! あのは本当に毎卵ばっかりべてたからなあ。でもね、あのおかげで私、ちょっとやそっとの逆境じゃへこたれない根性がついたのも事実なんだよね』 「もう、あんな馬鹿げた苦労、度としなくていいのよ」 『うん。だからね、お母さん』 リリカは悪戯な笑みを浮かべ、を乗りすようにして言った。

『今度本に帰ったらさ、お母さんに最の朝をご馳するね。今度はスクランブルエッグじゃなくて……いっそのこと、庭付きのを買って、養鶏ごと作っちゃおうかしら!』

「まあ! 養鶏だなんて、毎朝ニワトリの鳴き声で叩き起こされちゃうじゃないの!」 『あははは! それも賑やかでいいじゃない!』

スマートフォンのスピーカーから溢れる娘の屈託のない笑い声が、朝の清々しいリビングを満たしていく。

窓のを見げれば、どこまでもく、澄み切った青空が広がっていた。 かつて庭を縛り付けていたたい鎖は、もうどこにもない。 を越えてしっかりと繋がれた確かな絆をじながら、登美はからの笑顔で、しい歩を踏みしていた。

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