"四十二歳の妊婦を捨てた機長と二十年後の息子" 第2話
何度も何度も病院に通い、治療の痛みや薬の副作用にもじっと耐え続ける。
それでも、微かな期待をしてはい絶望に落ち込む、その々の繰り返しだった。
私は検査結果のを見つめ、涙声で夫に告げた。
「そう……またダメだったの」
翔は私の肩を抱き、静かに言った。
「そうか……」
最初のうちは、翔も仕事のを縫って緒に病院に付き添ってくれた。
そして、私が泣き崩れるたびに「次があるさ」と優しく励ましてくれたりした。
でもが経ち、治療が引くにつれ、彼のその態度はしずつめていってしまう。
ある夜、リビングで翔が面倒くさそうにをいた。
「もう諦めたら?俺たち2でも分だろ」
私は首を横に振り、すがるように彼を見た。
「そんなの諦められないよ。だって翔もずっと望んでたじゃない」
翔はため息をつき、たい線を向けた。
「最初はな。でも現実見ろよ。何やってもうまくいかないんだろう」
私は彼の腕を掴み、必に訴えかけた。
「でも、もうしだけ。あと1回だけでも……」
私はすがるような気持ちで、震える言葉を紡ぐ。
このを伸ばし続ければ、まだ能性があるかもしれない。
担当の医師からは、まだ望みはあると言われたばかりなのに。
翔は私のを払い除け、声を荒げた。
「そうやって何回繰り返すんだよ。もかかるし、おももう40過ぎてるんだぞ」
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この残酷な言葉を言われたのが、私が39歳のだった。
私はその言葉に涙がそうになったけれど、それでも治療を諦める気にはなれなかった。
私は彼を真っ直ぐに見つめ返し、反論した。
「40過ぎたらダメなの?まだチャンスはあるって先も言ってた」
翔は嘲笑うようにを鳴らした。
「そりゃ医者はそう言うだろう。患者が諦めたらにならねえし」
私は胸を痛め、顔を歪めた。
「そんな言い方しないでよ」
翔はめ切った目で私を見ろした。
「現実を言ってるだけだ」
それからというもの、翔は私の妊治療に全く関を持たなくなった。
むしろ、その話題を図に避けるようになってしまう。
ある休、翔はテレビを見ながら無神経に笑った。
「おももう40過ぎか。女として終わってるよな」
私はを疑い、彼を睨みつけた。
「何それ?」
翔は肩をすくめ、軽くを振った。
「冗談だよ」
冗談。
でも、彼は続けて残酷な本音をにした。
「やっぱ若い子の制姿はいいよな」
冗談めかして言う翔の言葉に、私は何度もく傷ついた。
彼に真剣に文句を言ったところで、彼は全くに介さない。
「冗談にマジになるなよ」と、ただ嘲笑われるだけ。
私たち夫婦のスキンシップもすっかり減り、会話も仕事の事務な話か、気のことくらいになった。
同じにみながらのすれ違いが、当たりになっていた。
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そして、そんなえ切った状況ので、私に信じられない奇跡が起きる。
診察で、医師はエコー写真を見ながら微笑んだ。
「ご懐妊です。6週目ですね」
医師からのその言葉に、私は自分のを疑い、信じられないいだった。
私は両で顔を覆い、涙が溢れ、震える声で何度も確認する。
「本当に……私が……」
42歳という齢で、にまで見た瞬がようやく訪れたのだ。
何度も治療の辛さに諦めかけたが、諦めなくて本当によかった。
私の体のに、しい命が確かに宿っている。
私は医師に向かって、く何度もをげた。
「ありがとうございます。本当にありがとうございます」
私は溢れる涙をハンカチで拭いながら、震えるでお腹をそっと撫でる。
「やっと……やっと会えるんだね」
病院をると、私は震える指でスマホを取りし、すぐに翔に連絡した。
彼もきっとこのらせを聞けば、んでくれるはず。
2で待ち望んでいた赤ちゃんだもの。
私は期待に胸をきく膨らませながら、急いでへ向かった。
に着いてドアをけると、翔はリビングでソファーに座り、スマホをいじっていた。
私は彼のにち、息を弾ませながら報告した。
「翔、私妊娠したの。今病院で確認してもらったの。6週目だって」
瞬のい沈黙の、翔はスマホから目をし、眉をくひそめた。
「今更妊娠?どうするの?」
私は彼の予の言葉に、わず言葉を失ってしまう。
彼の反応は、私の像とはあまりにも違いすぎた。