"四十二歳の妊婦を捨てた機長と二十年後の息子" 第3話
もっと驚いて、でも最には笑って「良かったな」って言ってくれるとっていたのに。
私は戸惑いながらも、当然のこととして答えた。
「どうするって、産むに決まってるでしょ?」
翔は舌打ちをし、を掻きむしった。
「マジかよ。このタイミングでか?」
彼の顔にはらかに困惑と戸惑いが浮かんでいる。
いや、それ以に、非常に迷惑そうなが濃くていた。
私は胸騒ぎを覚え、彼を問い詰めた。
「嬉しくないの?」
翔は目を逸らし、面倒くさそうに答えた。
「いや、そういうわけじゃないけどさ。今更ってじだろ」
「今更……」
私は信じられないいで、その言葉を繰り返す。
私たちは何も、途方もないをかけてこのを待ち望んでいたはずだ。
なのに、まるで遅れの厄介事かのように翔は言う。
翔は満げに私を見据え、言い放った。
「俺たち、もうこのまま2できていくもんだとってたし。今から子育てって、正直変じゃないか?」
私は彼に歩み寄り、訴えかけた。
「もちろん変なのは分かってる。でも、ずっと望んでた子なのよ」
翔はため息をつき、めた声で返した。
「まあ、そうだけどさ……」
私は彼の淡な態度に傷つき、問いかけた。
「だったら、どうしてそんな顔するの?」
翔は何も言わずに、いため息をついた。
そして、線をに落としてボソッと呟いた。
「もうしかったらなあ」
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私はその言葉のが分からず、聞き返した。
「何それ?」
翔は顔をげず、言い訳のように言った。
「いや、いはないよ。でも40過ぎてから子供って、々変だろう」
私はお腹にを当て、力く言った。
「そんなの分かってる。でもこの子は、私たちの元に来てくれたのよ。ずっと待ってた奇跡の子なのに」
妊治療を始めてから、どれだけのを費やしたか。
どれだけ涙を流し、どれだけ傷ついてきたか。
それでも諦めずに、痛みに耐えてようやく授かった命なのに。
翔は、この奇跡をまるで歓迎していないように見えた。
翔は腕を組み、現実な問題を突きつけてきた。
「まあ、そうだな。でもさ、美咲、お仕事どうするんだよ。産休取っても、そのまま復帰できるかわからないだろう」
私は首を横に振り、反論した。
「そんなの、まだこれから考えることじゃない」
翔は呆れたように息を吐きした。
「ふう……」
それ以、翔は私に対して何も言わなかった。
ただ無言で線を落とし、再びスマホをいじり始める。
私は彼にすがりつくように聞いた。
「翔、本当に何もじないの?」
翔はスマホの画面を見たまま、適当に答えた。
「何もじないわけじゃない」
私は彼の顔を覗き込み、痛な声で叫んだ。
「じゃあどうしてそんな態度なの?どうして『おめでとう』の言も言ってくれないの?」
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翔は私の問いかけに何も答えてくれない。
ただめんどくさそうに、いため息をつくだけ。
私の胸の奥が、氷のようにたくなった。
私が何も願ってきたことが、やっと叶ったのに。
夫である彼が、番に緒にんでくれると信じていたのに。
ふと、過に翔がにした言葉が蘇った。
『おももう40過ぎか。女として終わってるよな。若い子の制姿の方がいいよな』
最、翔がにいるが極端に減っていた。
フライトのスケジュール以でも、やたらとが増えた。
私が寝たに夜に帰ってきたり、朝く誰にも言わずにかけたり。
「まさか……」
私のに、黒い嫌な予がした。
翔の私に対する無関な態度。を空けるの増加。
そして、あの若いCAを褒める言葉の数々。
考えたくない。でも、もしかして。
浮気というが、く胸をよぎった。
でも今は、夫の審なよりも、このお腹に宿った命を守ることが何よりも事だ。
私は、母になる。
翔がどうおうと、この子は私の元に来てくれた奇跡の命。
私はお腹をそっと撫で、自分に言い聞かせた。
「丈夫。ママがちゃんと守るからね」
私はお腹の子供に語りかけた。
翔がどんな態度を取ろうと、私はい母になる覚悟を決めた。
だが、そんな私の決とは裏腹に、翔はますますに寄り付かなくなった。
フライトがない休も、適当な理由をつけてし、帰宅は決まって夜。
かつてはお互いの仕事の話をするのが常だったのに、今では必最限の事務な会話すらない。
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