"四十二歳の妊婦を捨てた機長と二十年後の息子" 第10話
「お、いつまでもパイロットの奥さん気取り?笑わせんなよ。おと結婚したのはただ若くて従順だったからだ。もうその価値はねえよ」
何も支えてきたはずの夫にそんな言葉を投げつけられ、結はついに精神を病み始めた。
そして、歪んだ執着の先はなぜか蓮に向けられるようになる。
最初は空港のラウンジで偶然見かける程度だった。
だがそれが何度も続き、やがて異常なに発展していく。
結は待ち伏せをして、蓮に話しかけた。
「ねえ、蓮君。し話せる?」
蓮は警戒して歩がった。
「俺ですか?」
結は虚ろな目で蓮を見つめた。
「私、ずっとパイロットの奥さんでいたいの」
空港の職員通で突然蓮に泣きつき、すがりつこうとする結。
蓮は彼女を振り払った。
「やめてください」
蓮がたくあしらうと、今度はメールが届くようになった。
『私、ずっとあなたを見てたの。あなたなら私を幸せにできるわよね。お母さんじゃなく、私を選んで』
すぐにマネージャーから報告が入る。
結が空港の監カメラに映り込んでおり、蓮の勤務スケジュールを把握し、待ちしている姿が何度も確認された。
さらには、蓮のロッカーにが何通も投函されていたことも発覚。
もう偶然では済まされない。
私は報告を聞き、決断した。
「これはストーカー為ね」
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私はすぐに警察に通報した。
その、私は空港ので結と直接対決することになった。
私は待ち伏せしていた結にづき、声をかけた。
「いい加減にしなさい、結さん」
結は驚いて振り返った。
「はい……?」
私の姿を見た瞬、彼女は顔を張らせる。
結は私を睨みつけた。
「何よ、あなたに関係ないでしょ」
私は歩にた。
「関係なくないわ。あなたは私の息子を執拗に追いかけている。それは犯罪よ」
結はで笑った。
「犯罪?何言ってるの?私はただ、蓮君と話がしたいだけ」
私は彼女の異常なを指摘した。
「そのために空港で待ち伏せし、勤務スケジュールを把握し、ロッカーにを入れる?」
次々と並べられる事実に、結の顔から血の気が引いていくのが分かった。
に持っていたバッグをキュッと握りしめ、線を泳がせる。
結は言葉に詰まった。
「そ、それは……」
私は酷に告げた。
「あなたのは派な嫌がらせ為。警察にも通報済みよ」
結はずさりした。
「え……」
青ざめる結。その、蓮が現れた。
蓮は結をたく見ろした。
「僕の切な母さんを攻撃するなんて許せない。警察に届けます」
結はすがるように彼を見た。
「え、蓮君……」
彼女は愕然とした表で蓮を見つめる。
結は首を横に振った。
「嘘でしょ?私はただ……」
ずさりながら目を見いて、絶望に染まる結。
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だが蓮は表を変えなかった。
「僕にとって事なのは母です。あなたではない」
結はそのに崩れ落ちた。
「そんな……」
その、警察のが到着し、数の警官がづいてきた。
結はパニックになり、叫んだ。
「違う!私はただ、蓮君を……」
彼女は取り乱し、面に膝をついた。
「そんな、蓮君、嘘でしょ?」
声が響く、私は最に彼女へ言った。
私は彼女を見ろし、静かに言った。
「いい加減にしなさい。あなたのは独りよがりよ」
そして彼女は、警察に連された。
私はざかるパトカーを見送った。
「終わったね」
蓮が私の隣に並んだ。
「ええ」
私たちはく息をついた。
過に翔と共謀し、私を傷つけた女。
パイロットの妻という肩きに固執し、次のターゲットを蓮に定めた異常な執着。
それらが全て崩れった。
蓮は私に向き直り、微笑んだ。
「お母さん、これからも僕が守るから」
私は彼の頬にを伸ばした。
「ありがとう、蓮」
蓮は私の誇りそのもの。
が経ち、蓮はますますパイロットとして成功し続けた。
世界の空をび、くの乗客を全に運ぶ姿は、母としてこのなく誇らしいもの。
私は制姿の蓮に言った。
「あなたの背は、翔とは比べ物にならないくらい派よ」
蓮は胸を張って答えた。
「僕を育ててくれたのは母さんだから。誇れるをきなきゃね」
その言葉に、私は胸がくなる。
そしてもうつの変化。
私と蓮を支えてくれた誠と、私は再婚した。
私は誠の隣で笑った。
「こんなが来るなんてわなかったわ」
誠は優しく私を見た。
「遅すぎるくらいだ」
温かい庭ので、私はようやくからのらぎをに入れた。
過は過。もう振り返る必はない。
これからも私はたなを歩んでいく。
する族と共に。