"正月、娘に熱汁を浴びせた義兄へ110番" 第4話
清が狼狽しながら籠もる。 数ヶ、カメラを設置した際、「これでがの防犯は完璧だ」と親族同に自げに語っていたのは、ならぬ清本だった。 棒を防ぐための監の目が、今や自分たちの内の暴挙を暴くかぬ証拠として、から彼らを見ろしていたのだ。
私は彼らの狼狽を瞥もせず、スマートフォンのキーパッドで【1・1・0】を押し、通話ボタンをタップした。
『はい、警察です。事件ですか、事故ですか』 女性警察官の落ち着いた声がスピーカーから流れる。
「事件です。子供が成の親族から、故に湯を浴びせられ、広範囲の傷を負いました。現は神の自宅です。加害者が現におり、証拠隠滅を図ろうとしています。至急、警察官の臨をお願いします」
「おい美奈! やめろ!」 健太が血相を変えて私のスマートフォンを奪い取ろうとを伸ばしてきた。 私は素く半歩がり、健太のを鋭く払いのけた。
「所は、〇〇〇〇町丁目……神清の自宅です。子供の怪の処置のため、これから救急来へ向かいますが、現の器やガラス片、ならびに内の防犯カメラの映像保全をお願いします」
『分かりました。現へ直ちにパトカーを向かわせます。お子さんを全な所に避難させ、そのままかないようにお願いします』
通話を切ると、座敷はんだような静寂に包まれていた。
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親族の女性たちが、幼い子供たちのを引いて、居の隅へとを寄せていた。 自分たちの子供にはのがりかからないよう素く庇うくせに、結が汁を浴びせられた瞬には、誰として止めに入らず、笑い声をげていた者たちだ。
「……美奈」 健太が、震える声で私のにった。 「お、本当に正気か? 親戚同が集まる元に警察を呼ぶなんて……母さんたちがどれだけ世体を気にしてるか、分かってるだろ!? 父さんのメンツはどうなるんだよ!」
「結の皮膚と、お義父さんのメンツ。……あなたにとっては、どちらがいの?」
私の徹な問いかけに、健太は言葉を詰まらせ、線を泳がせた。 「そ、それは……比べるものじゃないだろ……」
「比べるものじゃない? ええ、比べるまでもないわ」 私は結の肩に、持参していた着をそっと羽織らせた。患部に布が擦れないよう、肩だけをきくけた状態で、優しく包み込む。
「自分の娘が痛みに泣き叫んでいるに、兄の顔を窺い、世体の配しかできない父親なんて、この子には必ありません」
「な……んだと……!?」
その、くの宅の通りから、ウーッというかすかなサイレンの音がづいてきた。 の静寂を切り裂くその音を聞いた瞬、幸夫はガタガタと膝を震わせ、畳のに崩れ落ちるように座り込んだ。
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ピンポーン、ピンポーン!
激しいインターホンの連打とともに、玄関の引き戸がガラリといた。 「警察です! 通報のあったお宅はこちらですか!」
現れたのは、輪署域課の制警察官名と、通報内容から傷の篤性を懸して同してきた救急隊員名だった。 靴を脱いでがってきた配の警部補と若い巡査は、歩を踏み入れた瞬、異様な内の空気を察したように鋭い線を巡らせた。
に散乱した割れたガラス片。 畳のに転がる鉢と、び散った茶褐の汁物の染み。 そして、顔面を蒼にしてちすくむ親族たちと、台所ので傷を負った幼い娘を抱きかかえる私の姿。
「通報された奥さんですね?」 配の警部補が、私の元へ駆け寄ってきた。 「はい。神美奈です。被害に遭ったのは娘の結、歳です」
救急隊員が際よく結の腕を確認する。 「お母さん、流での却、適切でしたね。患部は表皮剥脱を伴う第度傷の疑いがあります。このまま当番医の形成科へ搬送しましょう。救急に乗れますか?」 「はい、お願いします」
私が結を抱きげようとしたその、義母の幸子が警察官のに割り込んできた。 「お巡りさん! 何かの勘違いですって! お正の宴会でね、お酒が入ってが滑っちゃっただけの、ただの庭内の粗相なんです! 内のことなんですから、警察汰にするようなことじゃ――」
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