"正月、娘に熱汁を浴びせた義兄へ110番" 第5話
警部補は幸子の言葉をで制し、帳をいたままややかに言った。 「お母さん、お話はで伺います。まずはお子さんの救護が最優先です。……それから、この部の物は切かさないでください」
「警察官さん!」 私は救急隊員に誘導されながら、井の角を指差した。 「あの防犯カメラに、事件発の映像が記録されています。録画装置はテレビ台のにあります。加害者である義兄・神幸夫が、図に子供へ椀を浴びせかけた瞬が映っているはずです。映像の保全をお願いします」
「おい美奈! 余計なことを言うな!」 幸夫がちがり、鳴り散らそうとした。 しかし、若い巡査がスッと幸夫のにちはだかり、鋭いで威圧した。 「かないでください! あなたですね、汁物をこぼしたというのは。事聴取をいますので、そこに座っていなさい!」
警察官の威厳のに、幸夫は毒気を抜かれたように押し黙り、再びドサリと座布団のに尻餅をついた。 のパトカーの赤灯が、障子越しに気な赤いを部のへ投げかけていた。
「美奈……! 俺も病院へく!」 健太が靴を履きながら追いかけてこようとした。 私は玄関の式台で振り返り、夫の目を真っ直ぐに見据えて言い放った。
「来ないで」 「なっ……父親だぞ!?」
「結が今、番怯えているのは、あなたたちの実の空気よ。
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……あなたが父親としてやるべきことは、ここに残って、警察に嘘偽りなくすべてを証言することだけよ。兄を庇うような嘘をついたら、私はあなたを許さない」
健太は絶句し、伸ばしかけたを宙で止めた。 私は度も振り返ることなく、結を抱きかかえて救急の部座席へと乗り込んだ。
ピーポー、ピーポー――。 元の青空の、けたたましいサイレンを響かせながら、救急が発した。 窓のを流れる見慣れた並みを見つめながら、私は胸ので静かに誓っていた。 もう度と、あんな腐りきった所へ結を連れてくことはない、と。
病院の救急来は、正特の張り詰めた空気に包まれていた。 ストレッチャーので、結は処置のい無灯のを見げながら、私の指をぎゅっと握りしめていた。
「痛い……ママ、まだ痛いよぉ……」 「丈夫よ、結。先が痛いのを治してくれるからね」
を着た若い女性医師が、滅菌袋をはめたで、結のブラウスの袖を医療用のハサミで慎に切りいていった。 ジョキ、ジョキ、という乾いた音が処置に響く。 わになった結の腕から腕部にかけての皮膚は、鮮に腫れがり、肘の内側には直径数センチに及ぶきな疱(膨れ)が形成されていた。
「……これは、酷いですね」
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女性医師の眉根が、険しく引き結ばれた。 「表面の温度はかなりかったはずです。湯、それも油分の混ざった汁物ですね。油分があると皮膚への伝導が持続するため、通常の湯よりも部にが達しやすいんです」
医師は理塩で患部を丁寧に洗浄し、専用の抗菌膏を分く塗布した滅菌ガーゼで患部を保護していく。 結はそのたびに「ひっ……!」とさな鳴をげ、私のの甲に爪をてた。 その痛みが、まるで自分の皮膚を焼かれているかのように、私の胸を抉った。
処置が終わった、医師は私を診察デスクへと促した。 「お母さん、診断名は【肢・肩部 第度傷】です。全治にはなくとも週からヶをします。幸の幸いで、顔面への散は免れましたが、初期の処置がしでも遅れていれば、皮膚の移植術が必になるレベルでした」
医師はカルテにペンをらせながら、静かに私を見つめた。 「……救急隊からの引き継ぎで、親族のトラブルとお聞きしました。警察への被害届はされますか?」 「はい。すでにしていただいています」
「分かりました。警察提用の【診断】を作成します。傷病の原因について、『温の液体を浴びせられたことによる受傷』と記しておきますね。……子供の皮膚はよりもく、傷跡がケロイドとして残るリスクもあります。
絶対に、曖昧に済ませてはいけない怪です」
医師の力い言葉に、目がくなった。
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