"消えた交換手と鳴らなかった電話" 第6話
警察から戻されたあと、洗って箪笥にしまい、子どもには見せなかった。枝が歳でをた、古くなったとって処分したという。「物を捨てれば待つのをやめられるとった」と言った父に、枝は「私にとっては母さんの持ち物だった」と返した。父はもう度謝ろうとしたが、枝は続きを調べるため図を畳んだ。
空きの持ち主の娘は仙台に暮らしていた。枝が話で事を伝えると、最初は昔の町のいざこざに関わりたくないと断られた。それでもんでいないへ灯油が届けられた記録だけは確かめたいと言い、父が転居したの類を探してくれた。昭49に民票を移し、同のうちにのも止めていた。町がその事実をり得なかったとは考えにくい。
娘は父の残した冊のノートを持っていた。そこには寒さが厳しくなるに娘のへ移った堵と、の窓を閉めるとき所の初に挨拶したことがかれている。枝は頁の写真を撮る許を得たが、私な記述まで公しないと約束した。空きが空だった証に、老の残りのまで差しさせる必はない。
灯油の配送表を図へき込むと、空きと似た扱いの所がつあった。軒は持ち主が入院で、別の軒は取り壊しの作業。
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残る所には、役の元職員がんでいた。枝が訪ねると、職員は当灯油を買っていないと言った。には薪ストーブがあり、必がなかったのだという。
「誰の印が押してありますか」と元職員は尋ねた。控えには彼自の姓に似せた文字があった。を見た職員は、片桐に度だけ実印を預けたと話した。域の害対策を括して申請するためだと言われ、すぐ返された。控えの印は実印ではなかったが、名をく癖がよく似ている。片桐が頃から誰の跡を見ていたか、示す材料になった。
枝は被害の数を増やすため、すぐにその話を聞へ持ち込もうとはしなかった。空きの記録と異なり、元職員には族も暮らしている。証言を公にするに本へ内容を読み返してもらい、違いがないか確かめた。澄子が失踪にできなかった歩を、の娘がつずつ踏んでいった。
枝は空きの持ち主を探した。の集落へ通じるは舗装されたが、そのものはに押されて傾き、雑の向こうに根だけが見えた。所の佐々初は、昭49のにを閉めたを覚えていた。夫をくした老が娘に呼ばれ、のうちに仙台へ移ったという。
空きへ灯油が届いた記録について初は驚かなかった。「役の帳簿では、あのにがみ続けていたことになっていたのかもしれないね」
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と話した。町の見回りや灯油支は世帯数で決まっていた。片桐が名を残せば、帳簿のでは配達を続けられる。
しかし初が覚えていたのは、そのにがいなかったことだけではない。澄子が消えた翌朝、のにの轍が本残っていた。型の燃料配送が空きの横にまり、んでいないのから何かを積んでったように見えたという。
「なぜ警察には言わなかったんですか」
「その、私は澄子さんがいなくなったことをまだらなかった。になってから言っても、で轍は消えていたし、見たのはの跡だけだったから」
初は、息子が建て替えのためにを理した際、古い聞に挟まれたチラシを見つけた。片桐の親族が経営する燃料の広告で、裏に《1228、空きの鍵返却》とりきがある。跡は初のき夫のものだった。町内会の役員として預かった鍵を返す約束だという。
澄子の失踪は。空きにはなくとも翌まで鍵が残っていた。枝は当の燃料で働いていた佐久を訪ねた。彼は最初、空きへ配送したことを否定したが、控えにある両番号を見せると、配送を片桐が休にも借りていたとかした。
「灯油を運ぶだけなら、あんなのの夜にをさないよ。あの晩は荷台に毛布が積んであった。
物を隠すためか、をめるためかまでは分からない」
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