"消えた交換手と鳴らなかった電話" 第14話
洗濯の退職記録には、移先として青森の所があった。そこで枝は、澄子が別の庭を持っているかもしれないと考えた。そうならばりたくない気持ちと、らずに京へ戻る気持ちは、どちらも本物だった。
清へ話で母からの着信を問いただすと、父は否定しなかった。「帰ってこい」と言えなかったことを悔やんでいる、と言った。しかし枝は、悔やんでいるならに話してほしかったとった。母がをた夜の違いより、そのの沈黙のほうがい。
青森の所へしたは、受取で戻ってきた。差の欄にいた枝自の名だけが、擦れずに残っていた。調べると、澄子はそこで働いたあと、潟へ転居していた。
枝が交換局の元局を訪ねたとき、老は澄子の勤務ぶりだけは褒めた。「あのは話を掛け直すのがうまかった」と言う。しかし失踪の記録をどう扱ったか尋ねると、肩をすくめた。町役から問いわせが入り、個報があるから理した。理の指示は通常業務であり、隠蔽ではないという。
「なぜ澄子さんの台だけ先に替えたんですか」
「線の傷が発見されたからだ。設備に問題がないか点検する必があった」
局は誌を見せた。たしかに設備交換の発注票はある。ただし付は修理の翌々で、登美が片付けを指示されたのは失踪翌だった。
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が逆だと枝が言うと、局は古いことを正確に覚えているはずがないと答えた。枝はその言葉を認め、だからこその付で確かめたいと言った。
登美から聞いた話をそので突きつけることはしなかった。局の説を帳にき、誌の複写が能か尋ねた。返事は断りだったが、枝が礼を言ってつと、局は「澄子さんは局をる、役から頼まれた交換記録の修正を拒んだ」と告げた。
何の記録かと聞くと、局は灯油の苦につながる話だと答えた。片桐は、話で役に接続できなかったを《》として処理してほしいと求めた。そうすれば政側が何度も話を受けたことにならず、対応の遅れも目たない。澄子は通を通とき、受付けた刻を残していた。
局は修正を断る澄子を守らなかった。役から局の運営へ苦が来るのを恐れ、母に「自分の判断で集めたはへ持ち帰るように」と告げたという。澄子が持ちした茶い封筒には、公な勤務簿からされた自メモも入っていたのだろう。局は、そのことを族へらせなかった。
「なぜ今になって話すんですか」
「町のが、あのころ受けられなかった話について証言していると聞いた。私の都で、今もそのたちの声を消したくない」
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枝は、局の変わりを信用の証にはしなかった。彼に誌の写しを見せるよう改めて求め、同席した登美ので説を記録した。記憶だけでは母の失踪を解けないが、偽りをねたが何をっていたかをらかにする歩にはなる。
局から帰るで、登美がち止まった。「あなたのお母さんは局の規則を破ったんじゃないかと言われていた。私も、その言い方を訂正しなかった」。枝はで坂をりながら、規則を守るとは何を残すことなのか考えた。母は職の秘密を持ちしたのではなく、誤った処理を命じられた話の刻を守った。その線引きを局が認めた今、登美も自分の言葉で同僚の仕事を語れるはずだった。
登美は翌、当の同僚が集まる席へ自分から向き、澄子が通を通としていた経緯を話した。老いた交換たちのには、片桐の求をらず、澄子が仕事の記録を勝に持ちしたと信じていたもいる。登美は美化せず、自分も片付けを伝ってしまったと説した。帰宅、枝へい話をかけ、「あのの台のことを、ようやくみんなで話せました」と言った。
枝は受話器を置き、母の勤務簿をいた。数字とい印で埋まった頁には、仕事の澄子がいる。での母を取り戻すことはできなくても、仕事を奪われたままのとして記憶されずに済む。
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