"結婚翌朝の平手打ちと専務剥奪" 第7話
そして、ただだけ全く違う反応を示している物を見つめた。
座に座る義父の正郎だ。
義父はかよの泣き真似にも、志の鳴り声にも同調していなかった。
彼は震えるで薬袋を握りしめたまま、元にこぼれた自分のための噌汁を見つめていた。
そして、私が投げ捨てられたスマートフォンをい入るように見つめていたのだ。
私は静かに呼吸をした。
ここから先は、もう歩も退く気はない。
志の鳴り声が再び広に響いた。
「おい、聞いてるのか! 今すぐ座しろと言っているんだ!」
彼は私の肩をく掴み、無理やりに押さえつけようとする。
しかし私はに力を込め、決して膝を折らなかった。
私は幼い頃に母をくした。
私を育ててくれた祖母は、いつも台所で私にこう言っていた。
『美咲、事というのはね、ただお腹を膨らませるためのものじゃない』
祖母の温かい声が蘇る。
『の命を預かる、とても切なものなんだよ』
その教えがあったからこそ、私は管理栄養士になったのだ。
病院や齢者施設で、数えきれないほどの献を作ってきた。
塩分の振り、材の組みわせつが、患者さんの体調をする現にってきた。
私にとって料理とは、単なる事ではない。
相の体を守る仕事だ。
今までに尽くすことを当然とし、自分の尊厳を回しにしてきた私でも、これだけは絶対に譲れない線だった。
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事は、嫁を従させるための具ではない。
私は静かに、しかしはっきりとした声で言った。
「してください」
志が顔をしかめる。
「なんだと?」
私は志の目をまっすぐに見据えた。
「私は黒崎に嫁ぎました。ですが、命を粗末にするような真似に従うつもりはありません」
志が再びを振りげようとした。
「偉そうに! たかが事係のくせに俺たちに説教する気か!」
そのだった。
「やめなさい、志!」
くしゃがれた声が、広を制した。
声の主は、座でずっと沈黙を守っていた義父の正郎だった。
志は驚いて振り返った。
「親父、何を言っているんだ? こいつは親父の事をひっくり返したんだぞ」
義父は険しい顔で志を制止した。
「いいから、おはし黙っていなさい」
義父はゆっくりと私の方に向き直った。
義父のその目は、先ほどまでの気な嫁を見る目ではなかった。
元に散らばった事と私の顔を交互に見つめ、何かを確かめようとしている目だった。
義父が静かに尋ねる。
「美咲さん、5分と言ったね」
私は姿勢を正して答えた。
「はい」
義父は言葉を続ける。
「君は配膳に5分遅れた。その5分のに、君は台所で何をしていたんだね」
その問いに、義母のかよが慌ててを挟んだ。
「あなた、そんなの決まってるじゃないですか。この子はただ際が悪くて……」
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義父の鋭いがんだ。
「かよも黙っていなさい!」
かよはビクッと肩をすくめてをつぐんだ。
広がを打ったように静まり返る、私は義父の目をまっすぐに見つめ返した。
私は事実を順番に説し始めた。
「5の点で、8分の朝はほぼ完成していました」
私は言葉を紡ぐ。
「ですが、お義母さんから渡されたあの調料を最に入れようとした、わずかに匂いが違うことに気づいたんです」
私は義父の顔を見た。
「私はお義父さんが毎んでいるお薬の種類を、事にお薬帳で確認していました」
親族たちが固唾を呑んで聞いている。
「あの調料の匂いから推測される成分は、そのお薬と極めて相性が悪い」
私ははっきりと告げた。
「もし同ににすれば、血圧が急し、変なことになると判断しました」
親族たちが息を呑む音が聞こえた。
私はさらに言葉を続ける。
「ですが、8全員の事を作り直すはありませんでした」
私は義父の目をまっすぐに見つめた。
「ですから、お義父さん。あなたの分の噌汁と副菜だけ、別の鍋で全な素材と汁を使い、塩分もくしてから作り直したんです」
私は最に締めくくった。
「そのために、5分というがかかりました」
私が話し終えると、に膝をついていた料理の佐がく頷いた。
佐が義父に向かって報告する。
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