"「会計は嫁」の還暦祝いと18万6740円" 第2話
あなたの親への夫婦なんだから同じだろ」
見事なすり替えだった。
夫婦で同じだと言うなら、なぜ私の財布だけが方に減っていくのか。
私は代案をにした。
「じゃあ夫婦で、半分ずつそう」
私が提案すると、夫はあからさまに顔をしかめた。
「細かいな」
その言に、私ので何かがたく固まるのをじた。
私は無言で黙り込んだ。
言い返す言葉が見つからなかったわけではない。
ただ確に絶望したのだ。
私が嫌なのは、額のきさだけではない。
支払いをお願いすること、事に確認を取ること、そして謝すること。
として当然のやり取りが、しずつ消えていった。
夫は私の労働と対価を、自分の見栄のために勝に使っている。
そしてそれを、細かいの言で片付けた。
私の善は、完全に搾取の対象に変わってしまったのだ。
ならばもう、勝なて替えは切しない。
私が決してから3ヶ。
舅の還暦祝いの計画が持ちがった。
盛にやりたい。
舅の声で、親族、兄弟、姪、甥までが参加することになった。
計18。
舅が勝に選んだのは、内の級だった。
個を貸し切り、18800円の懐料理。
さらに祝い鯛、赤飯、デザートの盛りわせ、み物代。
しかしとの連絡や数確定、当の会計窓。
その幹事を引き受けたのは、夫の浩司だった。
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予約名義も田浩司。
舅は主役として料理を決める側。
夫は幹事としてとやり取りする側。
夫は誇らしげに胸を張った。
「俺が予約したからね」
私はその様子を見ながら、夫へ確認した。
「会計は誰がするの?」
夫はスマートフォンを見たまま、顔もげずに答えた。
「まあ、いつものじで」
私はさらに問い詰めた。
「いつものじって?」
夫はし苛ったように顔をげた。
「当でいいだろう」
私はそれ以追求しなかった。
ここで論になれば、せっかくの祝いにを差す気かと言われるのは目に見えている。
祝いの席を壊したいわけではない。
舅に恥をかかせたいわけでもない。
ただ私が全員分を払うなどとは、1度も約束していない。
それだけのことだ。
私は静かに、3ヶの当に向けての準備を始めた。
ええ。
抜けな声が、静まり返った個に響いた。
夫の浩司は、宙に浮いたようなで伝票を持ったまま固まっている。
プロの笑みを崩さない員が、はっきりとした通る声で告げた。
「奥様からお1分の個別会計と伺っております。残りは幹事様のお会計として承っております」
その言葉に、部の空気が微かに揺れた。
歓談していた親族たちが、何事かと幹事席の方へ線を向ける。
浩司は信じられないものを見るように伝票の数字を見つめ、それから私を見た。
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舅の隣で、義母の美代子が審げに眉を潜める。
彼女はをいた。
「ちょっと浩司。何それ?」
浩司は母の問いには答えず、すがるような目で私を呼んだ。
「エミー」
私はに持っていた自分の財布をバッグにしまいながら、静かに答えた。
「私は自分の分は払ったよ」
浩司の顔に、焦りのが浮かぶ。
私はそのまま言葉を続けた。
「今の会計、私が払うって1度も言ってないよね」
私の言葉に、今度は美代子がを乗りしてきた。
「何言ってるのよ、いつも払ってるでしょう」
私は義母の目をまっすぐに見返した。
拍置いて、はっきりと事実を告げる。
「頼まれて、て替えていました」
美代子は絶句した。
「て替えって」
絶句する母の横で、浩司が慌てて声を潜めた。
「お、こんなところで急にやるなよ。にしてくれ」
私は声を荒げない。
ただ淡々と、事実だけを突きつける。
「急じゃないよ。3ヶに誰が会計するのって聞いた」
浩司の肩がビクッとねた。
私は浩司を見つめ続けた。
「あなた、当でいいって言ったよね」
浩司は反論できず、言葉に詰まった。
そこに美代子が、な声をげる。
「還暦祝いなのよ。せっかくのおめでたい席でおの話なんて、みっともない」
私はあっさりと頷いた。
「はい。だからお祝いはしました」
私は線を舅へと向けた。
「ええ、プレゼントも渡しました。
おめでとうございますと伝えました」
私は元のお茶をみ、さく息を吐いた。
「お祝いをすることと、私が18分の代を支払うことは別の話です」
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