"「会計は嫁」の還暦祝いと18万6740円" 第4話
私はコートをハンガーにかけながら、落ち着いて聞き返す。
「じゃあどうすればよかった?先に言うとか」
浩司は私を睨みつけた。
「言ったよ」
私はリビングの央にち、夫を見ろした。
「3ヶに、誰が払うのって聞いた」
浩司はいがる。
「でも、払わないとは言ってない」
私は静に言い返した。
「払うとも言ってない」
浩司は反論の言葉を見つけられず、忌々しそうに舌打ちをした。
私は夫の目から逃げないように、歩づいた。
「1つだけ確認するね。お義母さんや親戚に、私が払うって言った?」
浩司は私の線を受け止めきれず、フローリングのへと目を落とした。
い沈黙。
計の秒針の音だけが、リビングに響く。
やがて、絞りすような声が聞こえた。
「言った」
私は夫を見ろしたまま尋ねた。
「どうして?」
夫はうつむいたまま答える。
「今まで、そうだったから」
あまりにも勝な理由に、私は乾いた笑いすらなかった。
私はしばらく、うなだれる夫のつむじを見つめていた。
りよりも、呆れとしさが胸を満たしていく。
私は静かに語りかけた。
「私、払いたくないって言ってるんじゃないよ」
私の声に、浩司がわずかに顔をげた。
「私に確認もしないで、私のおを使うことが決まってるのが嫌なの」
浩司は再び、を閉ざした。
5、私は自分からんで払った。
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その次は今回だけと言われ、さらにで返すと騙された。
そのは親孝だからとすり替えられ、最には嫁が払うのが普通になった。
私の善は、夫にとって便利な財布へと姿を変えられてしまったのだ。
私は静かに言葉を継いだ。
「お義母さんの還暦を祝いたくなかったわけじゃない」
私は自分が本当に伝えたかったことを言葉にした。
「自分のおをすかどうかを、自分で決めたかっただけ」
浩司は眉を寄せ、子供のような理屈をこねた。
「族なのに」
その言葉に、私は今番のたさを込めて言い放った。
「族ならなおさら、聞いて」
浩司は何も返せなかった。
18万円という現実の痛みと、自分のついた嘘が暴かれた事実。
そして私が、もう2度と都のいい財布には戻らないという決定な変化。
夫のさなプライドは、今の夜で完全に打ち砕かれたのだ。
翌朝。
夫の浩司は、いつも通り起きてきた。
リビングにを踏み入れた彼の線が、真っ先に卓へと向かう。
そこには私が作ったが並んでいた。
焼き魚、卵焼き、ほうれんのおひたし、そして噌汁。
それを見た瞬、浩司の顔によかったという堵が浮かんだのがはっきりと分かった。
18万円を払わされ、嘘がバレて詰められた昨夜。
彼は私に見捨てられるかもしれないと怯えていたのだろう。
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朝が用されているのを見て、エミはまだ俺の妻だとしたのだ。
男の考は、驚くほど単純だ。
飯がてくるイコール、許された。
私はめた麦茶をみながら、静かに告げた。
「ご飯は作るよ。ている活の部だから」
浩司は箸を持とうとしたを止め、私を見た。
私は無表のまま続ける。
「でも、昨のことは終わってない」
浩司の顔からさっと血の気が引く。
彼は族の喧嘩は晩寝れば元通りという、甘いを抱いていた。
私はそのを、容赦なく打ち砕いた。
「勘違いしないでね」
それだけ言い残し、私は自分の器を片付けて仕事へと向かった。
医薬品卸ろし会社の経理部。
それが私の職だ。
数字は決して嘘をつかない。
誰が、いつ、何の目で、いくら使ったのか。
全てが伝票と証拠に基づき、司の承認を得て初めて処理される。
それがおをかすということの、当然のルールだ。
だが田という組織においては、そのルールがしなかった。
内だから、せっかくのお祝いだから。
その曖昧な言葉だけで、私の財布は勝に承認済みの予算として組み込まれていた。
パソコンの画面で数字の照をしながら、私はさく息を吐いた。
なぜもっとく、拒絶しなかったのか。
祝いの席で、細かいことを言う嫁とわれたくなかったからだ。
自分が波をてなければ、族は円満にむ。
私がすればいい。
そのさな妥協が夫をつけがらせ、5も続く搾取のシステムを作ってしまった。
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