"「会計は嫁」の還暦祝いと18万6740円" 第7話
「だから嫌じゃないんだとってた。そういう気のいいお嫁さんなんだって、勝に解釈していたのよ」
私は元のコーヒーカップを見つめた。
断らなかったのは事実だ。
だからこそこの状況を招いたのは、私自でもある。
私ははっきりと告げた。
「嫌でした」
美代子は息をみ、言葉を止めた。
私は顔をげ、姑の目をまっすぐに見た。
「でも断ったらどうなるか、怖かったんです」
美代子が呟く。
「怖い?」
私は静かに語った。
「せっかくのお祝いの席で、おのことを細かく言う嫁。空気を読めない嫁。そうわれるのが嫌でした」
私はさらに言葉をねた。
「最初はんで払っていました。お義母さんの誕、からお祝いしたかったんです」
美代子は私の顔を見つめる。
「エミさん」
私は過のしさをいしながら言った。
「でも途から、誰も私に聞かなくなった。私が払うのが決定事項になっていた。それが嫌だったんです」
誰かがおをすなら、そこには事のと事の謝があるはずだ。
それが消え、いつものようにという言葉だけで私の財布がかれる。
私は真っ直ぐに義母を見た。
「私のおへの謝ではなく、私の財布への依。それが私を苦しめていた」
美代子はしの、呆然と私を見ていた。
そして、くいため息をついた。
美代子の声は、わずかに震えていた。
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「悪かったわ」
本当に、からの謝罪だった。
自分のい込みが息子の嘘を助し、嫁を追い詰めていたことへの悔。
私はく答えた。
「はい」
すぐにもういいです、気にしないでくださいとは言わない。
許すことと、なかったことにすることは違う。
ここで私が笑って許せば、また同じ過ちが繰り返される。
私はただ、姑の謝罪を事実として受け取った。
帰宅すると、リビングで浩司がノートを見つめていた。
その顔は、1週よりもさらにげっそりとしている。
私が着を脱いで歩み寄ると、彼はノートを私の方へ押しした。
「計算したよ」
そこには5の田の事会、お祝いごとのリストがびっしりときされていた。
数の母さんの誕、次のの親族の集まり、苗の子の入学祝い、お盆。
横には、そのの体の額が添えられている。
浩司は両で顔を覆った。
「で返すって言って結局そのままにした分、俺の見栄でおにさせた分」
彼はうめくように言った。
「っていたよりずっとかった」
額を見なくても分かる。
も積もればとなる。
10万という単位に膨れがっているはずだ。
浩司は顔をげ、真剣な目で私を見た。
「俺がバカだった。親族のでいい顔をしたくて、おの優しさに甘えきっていた」
彼は力く誓うように言った。
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「これ、しずつでも絶対返す」
私は黙って聞いていた。
「遣いから引いてくれていい。だから」
浩司は、すぐに全部返せば解決するとは考えていないようだった。
自分がどれほどの信頼を裏切ってきたか、その数字のみでようやく理解したのだ。
私はノートを瞥し、さく息を吐いた。
「過の分は、全部請求はしない」
浩司は驚いたように私を見た。
「ええ?」
私は彼の対面に座り、はっきりと告げた。
「計算して自分がどれだけ非常識なことをしていたか分かったなら、それでいい」
浩司は瞬きをした。
私は彼を見つめて言う。
「代を取り返したいわけじゃない。私は、これからのことを決めたいの」
浩司は反復した。
「これからのこと?」
私は力く言った。
「ルールよ。田で集まるの絶対の約束」
私は指を1本ずつ折りながら、しい境界線を提示した。
「1つ。事会を企画するは、会計方法を先に決めること」
浩司は黙って聞いている。
「2つ。誰か1に頼むなら、必ず本へ直接確認すること。勝に約束しない」
浩司は頷いた。
「3つ。夫婦から贈るは、2で事に額を決めること」
そして私は、最にはっきりと付け加えた。
「いつものように、だけで誰かの負担を勝に決めないこと」
浩司は1つ1つの言葉を噛み締めるように頷いた。
「分かった。絶対に守る」
2で決めたしい境界線。
それは私たちがもう度、対等な夫婦としてやり直すための最初の歩だった。
だが、の習慣というものはそう簡単には抜けない。
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