"「会計は嫁」の還暦祝いと18万6740円" 第8話
数、自宅のリビングで親族の集まりの話になったのことだった。
浩司が無識にをいた。
「じゃあエミが」
言いかけて、浩司はハッとを閉ざした。
空気が瞬で凍りつく。
私は黙って夫の顔を見た。
浩司は慌てて首を振り、自分自を戒めるようにく言った。
「いや、違う。先に決めよう。誰がどう負担するか、みんなに確認してからだ」
自分で自分の言葉を止めた。
私はそれを見て、さく頷いた。
1度の話しいでが完璧に変わるとはっていない。
染みついた嫁への依は、ふとした瞬に顔をすだろう。
でもその度にこうして、自分で止めることができれば。
しずつでも、まともな関係を築いていけるかもしれない。
私は元の麦茶をみながら、夫の横顔を見つめた。
しい常はまだ、始まったばかりだった。
末。
夫の浩司の与座から、18万6740円が引き落とされるがやってきた。
曜の夜。
帰宅した浩司はリビングのソファにく沈み込み、スマートフォンの画面をい入るように見つめていた。
の残確認だろう。
私はキッチンで夕の片付けをしながら、その様子を静かに伺っていた。
はあ。
いため息がリビングに響く。
これまでは私がて替えていたからこそ、彼自の座残は守られてきた。
自分がみにきたいにき、欲しいものを買う余裕があった。
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しかし今回は違う。
自分の見栄のために切ったきなカードの請求が、現実の数字として彼の活を直撃したのだ。
私はを拭き、温かいお茶を2つの湯呑みに入れた。
1つを浩司ののテーブルに置く。
「お疲れ様」
浩司は力なくお茶を受け取った。
「あ、ありがとう」
以の彼ならここで甘えた声をして、今ピンチだからし活費から補填してくれないかと言いしていたかもしれない。
だが、彼は言わなかった。
自分の嘘と見栄が招いた結果だと、先の話しいで痛したからだ。
私は対面の子に座り、あえて何事もないように尋ねた。
「はどうするの?いつものゴルフ?」
浩司はに1度、会社の同僚や元の友たちとゴルフへくのが習慣だった。
浩司は線を落としたまま答えた。
「いや、はかない」
私は驚いて尋ねる。
「キャンセルしたの?」
浩司は頷いた。
「うん。しばらくゴルフは控えるよ」
彼はさくため息をついた。
「プレイ代もバカにならないし、そののみ会も断るのが面倒だからな」
そう言って、浩司はちがった。
自分の部へ向かい、しばらくガサゴソと音をてていたが、やがてきなダンボール箱を抱えて戻ってきた。
には彼が切にしていたゴルフのドライバーや、あまり使っていないブランド物の腕計などが入っている。
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彼はダンボールを置いた。
「これ、フリマアプリで売ろうとって。しでもしにしないと、来からの遣いが回らない」
私は驚いて浩司の顔を見た。
彼は本気だった。
自分の尻拭いをするために、趣の具を放そうとしている。
私はく相槌を打った。
「そう」
私は微笑みながら提案した。
「伝おうか。写真の撮り方で売れる値段が変わるよ」
浩司はし照れくさそうに聞いた。
「いいのか?」
私は頷く。
「梱包用の緩衝材も、押し入れにあったはずだから」
私は彼を突き放したいわけではない。
彼が自分の責任を自分で果たすなら、族としてサポートする用はある。
2でテーブルに品物を並べ、スマートフォンのカメラで撮していく。
浩司はし照れたような、けれど堵したような表を浮かべていた。
18万円の代償はきかったが、彼が自ら見栄の象徴を放す作業は、私にとって悪い変化には見えなかった。
しかし。
彼が親族ので築きげてきた、気のいい男という虚像は、そう簡単に消えてくれるものではなかった。
翌の曜。
2でフリマアプリの品作業の続きをしていると、浩司のスマートフォンが鳴った。
画面に表示された名に、浩司の顔が引きつる。
叔父さんだ。
先舅の還暦祝いの席で、俺たちは招待された側だとってたぞと言い放った、あの叔父だ。
浩司は瞬ためらったが、私の線をじてを決したように通話ボタンを押した。
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