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"顔合わせのすっぽかしと五通の裏切り" 第4話

はいつも私の好みを最優先に考えてを選んでくれ、歩を歩くは自然と側を歩いてくれるような、スマートな優しさを持っていた。

そして、初めて会ってから半が経過したあるの夕暮れ。 夜景の美しい沿いの公園のベンチで、弘は私のをそっと握りしめた。 そのは、かすかに震えていた。

「紗栄……俺、紗栄のことが好きだ。俺の恋になってほしい」

普段はスマートに私をリードしてくれる彼が、まで真っ赤にして、のように恥ずかしそうにいを告げてくれたのだ。 いつも完璧に見える彼にも、こんなに緊張する面があるんだ――そのらしいギャップに、私の胸はおしさでいっぱいになった。 私は弘の瞳を真っ直ぐに見つめ返し、満面の笑みで答えた。

「はい。んで……よろしくお願いします」

私の返事を聞いた弘は、底ほっとしたように顔をほころばせ、私のを両で包み込んでくれた。 この瞬、私はこれまでのじたことのないほどの幸福に包まれていたのだった。

交際が始まってからも、私と弘の関係は極めて順調だった。 誕や記には必ず素敵なレストランを予約してくれ、私の体調が悪いには病のために駆けつけてくれる。どこまでも優しく、頼もしい恋

(きっと弘となら、この先もずっと仲良くやっていけるはず……このまま結婚して、で温かい庭を築けたら、どんなに幸せかしら)

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は私のことを、将来の伴侶としてどう考えてくれているのだろう。 そんな淡い期待とを胸に抱きながら、交際始からちょうどが経過したあるのデートの帰りのことだった。

静かな並を並んで歩いていた、弘がふとを止め、私の正面にち塞がった。灯のに照らされた彼の表は、かつてないほど真剣だった。

「紗栄。……そろそろ、おの両親に挨拶させてくれないか? 俺、君と結婚したいんだ」

唐突に差しされたプロポーズの言葉。 あまりのびに、私の考は瞬真っになった。だが、彼の真摯な瞳を見つめているうちに、胸の奥からが込みげてきて、涙が界を滲ませた。

「嬉しい……! その言葉を、ずっと待ってたの!」

私が極まって頷くと、弘は破顔笑し、力く私を抱きしめてくれた。 彼の胸の温もりをじながら、私は世界で番幸せな女だと本気で信じ込んでいた。

その、私たちは結婚へ向けて具体した。 お互いの仕事のスケジュールをすりわせ、両の両親に挨拶をする取り、そして両堂に会する「顔わせ」の程を調することになったのだ。

私は胸を躍らせながら実へ帰り、リビングで寛いでいた両親に、弘からプロポーズを受けたこと、そして顔わせをいたい旨を報告した。

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私の弾んだ声を聞きながら、母は目を細め、「良かったわねえ、紗栄。おめでとう」と穏やかな笑顔で祝福してくれた。

だが――私の話を静かに聞いていた父の表だけは、最初から最まで、ひどく渋いものだった。 父は腕を組み、く刻まれた眉の皺を度も緩めることなく、私を見つめていた。そして、々しい調でこう尋ねてきたのだ。

「……紗栄。本当に、その男で丈夫なのか?」

を浴びせられたような気持ちになった。幸せの絶頂にいた私は、父のその慎すぎる態度が理解できず、満そうに唇を尖らせた。

「お父さん、何を言ってるの? 弘は本当に優しくて誠実ななのよ。私は弘と結婚したいの!」

私が幸せいっぱいの笑顔で反論すると、父はそれ以、何もを挟まなかった。ただ、何かをい悩むように線を落とし、さく息を吐きしただけだった。 その、父は自らの仕事のスケジュールを確認し、顔わせが能な週末の候補を教えてくれた。

、私は弘に連絡を取り、父から聞いた候補を伝えた。 弘側の両親の都も問題なく致し、正式に両わせの予定が決定した。 所は弘が指定した、格式い懐料理

(きっと、弘のご両親も彼のように優しくて素敵な方々局なのだろうな……)

このまでの私のは、これから始まる輝かしい活へのと期待で、完全に満たされていたのである。

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