"顔合わせのすっぽかしと五通の裏切り" 第10話
「そ、そんな馬鹿なことがあるわけがない! おい、弘! そんなの、デタラメに決まってるよな!?」
寝にだった両親は、すがるような目で息子を振り返った。 弘は顔を引きつらせ、脂汗を額に浮かべながら、必にを横に振った。
「あ、当たりじゃないか! 俺が浮気なんてするはずがないだろ! 全部、紗栄のくだらない妄だよ!」
息子の必の否定を聞いて、母親は胸を撫でろしたように息を吐き、再び私を厳しい目で睨みつけた。
「ほら御覧なさい! うちの子がそんな誠実なこと、するはずがないわ! 紗栄さん、あなた、何を根拠にそんな鱈目を言っているの!? だなんて、具体な数字までして息子を貶めるなんて、悪質にも程があるわよ!」
父親も腕を組み、眉に皺を寄せて私を威圧してきた。
「紗栄さん、その話に確たる客観証拠はあるのかな? もし証拠もなく、息子を愚弄するためにそんな嘘をついているのだとしたら、これはな名誉毀損に当たるぞ! 慰謝料を請求されるのは、そちらの方だ!」
親として、が子を信じたい、守りたいという気持ちは痛いほど伝わってきた。 だが――しいかな、現実は彼らが信じるような甘いではなかったのだ。
私は静かに目を伏せ、さく息をえた、毅然とした態度で告げた。
「証拠なら、のようにありますよ。
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……々お待ちください」
私は踵を返し、玄関からリビングへと戻った。 そして、デスクのに置いてあったあの分い茶封筒と、興信所が作成した詳細な調査報告のファイルを両に抱え、再び玄関へと戻ってきた。
「弘さんのお父様、お母様。……これが、弘さんがの女性たちと同に交際し、裏切り続けていたかぬ証拠です」
私はそう言って、調査報告と写真の束を、弘の父親の元へと差しした。
渡された分いファイルを受け取った弘の父親は、怪訝そうな顔で表をめくった。 その瞬、父親の線が最初の数ページに貼り付けられた写真に釘付けになり、息を呑む音が喉から漏れた。
「な……な、何だ、これは……!?」
母親も横から覗き込み、次の瞬、鳴のような声をげた。 「ちょ、ちょっと弘!? これ、体どういうことなのよ!?」
ファイルに綴じられていたのは、興信所のプロの調査員が昼夜を問わず追跡し、特殊な精度カメラで捉えた、弘の々しい浮気の現の数々だった。 ホテルのベッドルームへ入っていくろ姿、で腰を引き寄せて烈に抱きう姿、級レストランで互いに料理をべさせっている姿――言い逃れのしようがない決定な証拠が、、所、相女性の元報と共に、克に記録されていたのだ。
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弘は類のを界に入れた瞬、文字通り顔面蒼になり、をもつれさせて玄関の壁に背を打ちつけた。
私はややかな差しでその景を見つめながら、静かに解説を加えた。
「私も、もの女性がいたことには底驚きました。相の女性の齢は、歳から歳、番の方は歳の独女性たちです。……そして、弘さんが彼女たちを選んだ理由も、実に最で浅ましいものでした」
私は弘の青ざめた顔を指差した。 「弘さんには、個な遊興費や見栄で作った、額の消費者融の借があったのですね。そして、その借を自力で返済するのではなく、経済に自しているの独女性たちを騙し、利用して返済に充てていたんです」
「……っ!!」 弘は喉をヒクヒクと震わせ、完全に言葉を失っていた。私から線を逸らし、額から吹きす脂汗を拭おうともせず、ただち尽くしている。
息子のその罪のような反応を見て、両親もまた、目のの写真が紛れもない現実であることを悟り始めていた。父親の分いが激しく震え、母親は元をで押さえて絶句している。
だが、それでもなお、慈しんできた息子へのを捨てきれなかったのだろう。父親は取り乱した様子で、ずった声を絞りした。
「ま……待ちなさい! この女性たちは、職の同僚や、お世話になっている司の方々なんじゃないのか!? 弘は懐っこい性格だから、面倒見のいい先輩たちが、仕事に必な物を買ってくれたり、事をご馳してくれたりしていただけなんじゃないのかね!?」
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