"顔合わせのすっぽかしと五通の裏切り" 第15話
だから私、親切に教えてあげたのよ。『ええ、弘君は私の友達と結婚を提に婚約してたんですよ。……あ、ちなみに、あなたたち以にも、あとの女性と同じでお付きいしてますよ』って!」
「あちゃあ……!」 私はを抱えた。 像しただけでも背筋が凍りつくような修羅だ。
「もうそこからは凄かったわよ!」友は楽しそうに振り振りを交えて続けた。「の女性が『どういうことよ貴様ッ!』『今すぐ残りのもこのに呼びしなさいよッ!!』って噴して、弘君の胸倉を掴んで揺さぶり倒してさ。弘君、泣きながら震えるでスマホ操作して、ずつ話させられてたわね……」
の浮気相全員が、つの所に集結させられる獄絵図。 直接借りるのではなく「貢がせる」ことで法な責任を逃れようとしていた弘だったが、騙されていたことをったの女性たちのりの凄まじさは、像を絶するものだったに違いない。
「……自業自得とはいえ、凄まじいことになったわね」 私が苦笑いを浮かべると、友は満そうに頷いた。
「でも、騙されてた女性たちにとっても、これで目を覚ますきっかけになったんだから、良かったんじゃない? 紗栄、本当にあんな奴と籍を入れるで良かったよ」
「ええ……本当にお父さんと、あなたのおかげよ。
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ありがとう」
私たちはその、美しいケーキを平らげ、今度緒にショッピングへく約束を交わして、れやかな気分でカフェをにしたのだった。
それから、さらに数週が経過した。 季節は巡り、々の葉がづき始めたのの夕暮れ。
実で、リビングの片付けをしていた私のに、玄関のチャイムの音が届いた。 ピンポーン。
宅配便か所のだろうとい、私は警戒することもなく玄関へ向かい、ドアをけた。 そして――の向こうにっていた物の姿を界に捉えた瞬、私の表は瞬で氷点へと凍りついた。
そこにっていたのは――見るもなくやつれ果てた、弘だった。
最に見たの綺麗なスーツ姿とは打って変わり、着古してヨレヨレになったパーカーに、のついたスニーカー。無精髭が伸び放題になり、目のには真っ黒な隈が刻まれている。 だが、どれほどみすぼらしい姿に落ちぶれていようと、私にとってそんなことはったことではなかった。
私はドアの取っを固く握り直し、たいで彼を睨みつけた。
「……今更、何の用かしら? 私は、あなたと話すことなんて何つないんだけど」
慰謝料はすでに彼の父親から満額回収しており、法な関係は完全に清算されている。私がこの男と関わる理由は、この世界のどこを探しても片たりともしないのだ。
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(まさか、父親にて替えてもらった慰謝料を返せとでも言いに来たのかしら……?) そんな勝な言いがかりを警戒し、私は構えた。
しかし――弘のからびしてきたのは、私の予とはし異なる、けない願だった。
「紗栄……! た、助けてくれ……ッ! 俺にはもう、おしか頼れるがいないんだよぉ……!」
弘は震えるで私のの裾にすがりつこうとしてきた。私は即座に歩がり、その汚れたをたく払いのけた。
「……私しか頼れるがいないって、どういうことよ? あなたには、甘やかしてくれるご両親がいるじゃないの」
私の淡な指摘に、弘は痛いところを突かれたように唇を噛み締め、線を泳がせながら答えた。
「……あ、あのさ、親父にしずつ慰謝料を返済してたんだけど……ま、まだ浮気相の女たちと連絡を取ってたことが親父にバレちまってさ……『おのようなの屑は、度と敷居を跨ぐな!』って、を完全に追いされちまったんだよ……!」
あまりの救いようのなさに、私は呆れ果てて言葉を失った。 あれだけの修羅を経験し、父親に額の借をて替えてもらいながら、それでもなお、女性たちへの執着を断ち切ることができずに隠れて連絡を取りっていたというのだ。 自業自得という言葉すらぬるい、底なしの愚かさ。
「……呆れた。
よくそんな恥らずな状態で、私のに顔をせたものね」 私がたく吐き捨てると、弘の図はに取るように見えてきた。
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