"ゴミ箱の隣に座る学年一位" 第17話
あの埃をかぶった空っぽの机が粗ゴミのように運びされ、が再び、あの息のできない「番」の真んに引きずり戻されるまで、あとわずか。
私は洗面台の鏡のにちました。 鏡のに映っていたのは、世体に怯え、娘の鳴にを塞ぎ、自らのエゴでが子の首を絞め続けてきた、醜悪な女の顔でした。 涙すらませんでした。 ただ、胃の底からたい決がせりがってくるのをじていました。
私はクローゼットから、なグレーのウールコートを取りし、羽織りました。 バッグのに、何の続きの類も入れませんでした。抗議文も、成績表も、すべてゴミ箱に捨てました。
ぶらのまま、私はをました。
の朝のは、肌を刺すようにえ込んでいました。 の杏が、わずかに黄くづき始めていました。 私はで歩き、やがてりに、最はなりふり構わずりしていました。 パンプスがアスファルトを叩くい音が、静かな宅に響き渡りました。
違っていた。 最初から、すべてが違っていたのです。 守るべきものは、内申でも、推薦枠でも、さんの母親の線でもなかった。 あの子が、息をして、笑って、きていてくれること。 それ以のすべては、ただの飾りに過ぎなかったのに。
午分。
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私は息を切らしながら、桜ヶ丘の正をくぐりました。 登してくる徒たちが、肩で息をしながら舎へ向かう私の姿を、奇異の目で見つめていました。 そんな線など、もうどうでもよかった。
階へ駆けがり、渡り廊を抜けて、組の教のへ向かいました。
教の引き戸はけ放たれていました。 朝のショートホームルームまで、あと分。 徒たちは席につき、考査の初に向けて参考をいたり、友同士でそうに問題をしったりしていました。
私はろのドアの壁際にち、そっとを覗き込みました。
番奥、ゴミ箱の隣。 は、そこに座っていました。 背筋を真っ直ぐに伸ばし、机のに両を揃えて、をじっと見つめていました。 その姿勢はいつも通り完璧でしたが、横顔は陶器のようにく、唇は血の気を失って固く結ばれていました。
そして、その隣。 が命がけで守ってきた、あの空っぽの机。 今も、誰も座っていませんでした。 子は引かれ、板には何も置かれていません。 ただ、昨のがりの朝のが、埃の積もった目をく照らししていました。
の指先が、机ので刻みに震えていました。 あの子は、待っているのだ。 自分のを投げ打ってでも、あのボイスレコーダーときのノートを受け取ってくれた誰かが、この教の扉をけてくれる奇跡を。
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そのでした。
廊の向こうから、く慌ただしい複数の音がづいてきました。 徒たちのざわめきが、ふっと止まりました。
やってきたのは、教でした。 その背には、作業着を着たの男性用務員が従っていました。 用務員のには、具を運ぶための軍と、机の脚を固定するボルトをすための具が握られていました。
「ちょっと通してください」
教は廊にっていた私に瞬だけ目を留めましたが、すぐに会釈ともつかない浅い頷きを返し、教のへとを踏み入れました。 徒たちが息を呑み、斉に教のきに注目しました。
「朝の忙しいにすまないね」
教は教を見回し、事務で平坦な声を響かせました。
「教務部からの連絡通り、期徒の座席を理する。試験の邪魔にならないよう、すぐに終わらせるから自習を続けていなさい」
教が元の計に目を落としました。 分。
「おい、やってくれ」
教が用務員に顎で指示をしました。 の用務員が、教の通を通り、番奥のゴミ箱の隣……あの空っぽの机へと歩み寄っていきました。
の背が、ビクッとねがりました。 はちがろうとしました。しかし、あまりの恐怖と絶望からか、に力が入らないようで、机の端をくなるほどく掴んだまま、震える瞳で用務員を見げていました。
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