"妻の手術翌朝、七通の解約通知" 第12話
臓が嫌な速さで脈打ち始めた。
私は震えるで、茶封筒のに残されていた別の類を引っ張りした。
それは、国内命保険会社からの【契約内容変更完のおらせ】だった。
付は、の。
被保険者:神直 保険額:千万円 → 千百万円(半減) 特約:先医療特約・疾病特約 解約
被保険者:神真由美 女性特定疾病特約・ガン点補償特約 全件解約
変更理由:額保険料の圧縮(削減額:額万千円)
類の余に、真由美の細い鉛きのメモが残されていた。
『直さんの処分所得増額(ゴルフ代・交際費)に対応するため、固定費より捻。私のガン特約はリスク許容範囲内として止』
私の全から、サーッと血の気が引いていくのが分かった。
。私が営業部の部に昇しただ。
昇に伴い、私は『付きいが増えるから、自分の遣い座への配分を万円増やしてくれ。その代わり、計に入れるは今まで通りでやりくりしろ』と真由美に命じたはずだった。あの、真由美はし困った顔をしたが、最は『分かったわ、何とか夫してみる』と答えた。
その「夫」の正体が、これだったのか。
私の万がの保障を勝に半分に削り、あろうことか、自分自のガン特約まで解約して、私のゴルフ代を捻していたというのか。
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そして、その解約からの昨、彼女はまさにその医療保険の対象となるべき術を、自費の持ちしを伴いながら受けたのだ。
「……何なんだよ、これは」
指先がたくなり、を持つが刻みに震えた。
さらに封筒の底から、もう枚、クリップで留められた類が現れた。
それは、世田区の福祉事務所と域包括支援センターの印が押された、【介護サービス利用計画・同】の控えだった。
付は昨の。
父の清のケアプラン変更に関する署名欄。
『訪問入浴サービス(週回)の利用止について』
そこには、ケアマネジャーの所見として、こう記されていた。
『男宅(費用負担者)からの介護費用削減の申しにより、専業者による械浴を止。今は同居の妻(母)による部分清拭および自宅浴槽での見守り介助へ移。主介護者の体負担増が懸されるが、計状況を鑑み、男の代理として妻・真由美氏が同・署名』
母の鳴のような声が、の奥で蘇る。
『お父さんの徘徊がひどくて、私、もう耐えられないわよ!』
母が鳴をげていたのは、最始まったことではなかったのだ。
真由美が、私の預かりらぬところで訪問入浴を削り、老いた母に労働を押し付け、その同に「男の代理」として平然とサインをしていた。
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のが、真っになった。
りなのか、恐怖なのか、それとも裏切りに対する激昂なのか、自分でも判別がつかないの奔流が胸を突き破りそうだった。
午、病で真由美が見せた、あの殉教者のような徹な顔が脳裏に浮かぶ。
『全部、私がやってたのよ』 『あなたが、見ないふりをして誰かに押し付け続けてきた庭の維持コストが、斉に化されただけよ』
嘘だったのか。
あいつは、ただ黙々と庭を支えていた被害者なんかじゃなかった。
夫に何も相談せず、息子のを勝に諦めさせ、の命綱である保険を削り、義理の父親の介護サービスを切り捨てていた。
私が仕事に没し、で必に稼いでいる隙に、この庭の最権力者として君臨し、のをするな決断を、たった本の認印で密処理していたのだ。
「……おが、全部決めてたんじゃないか」
絞りした私の声が、誰もいない豪奢なリビングに響いた。
便利に常を回してくれていた謝? 無償の労働に対する罪悪?
そんなものは、瞬にして消しんだ。
胸のに燃え広がったのは、欺瞞に対する烈な敵だった。
誰のおかげでこのが維持されているのか。誰の稼いだで、おはそのキャビネットの類を管理できていたのか。夫を蚊帳のに置き、物分かりのいい妻の仮面を被りながら、裏で庭をのままに操っていたのは真由美、おの方じゃないか。
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