"消された母親席" 第13話
のとして扱わなかった。母親としてのの尊厳を、完全に踏みにじったんだ」
剛の言葉は、代のにくく突き刺さる。
「ならばこちらも、あいつらをとして扱う必はない。これは復讐じゃない。当然の報いだ」
その言葉が、代の最の迷いを完全に断ち切った。
そうだ。これは報いなのだ。
代は涙を拭い、くはっきりと頷いた。
「ええ、あなた。やりましょう」
剛は満げに頷くと、すぐさまジャケットの内ポケットからスマートフォンを取りした。
剛は、ある番号を素くタップした。
その顔にはもうりの表はなかった。
ただ徹なまでに正義を執しようとする、静かな決だけが満ちていた。
公園の駐にまったので、剛は迷うことなく顧問弁護士に話をかけた。
スピーカーモードに切り替えられたスマートフォンから、落ち着いた男性の声が響く。
「もしもし、沢さん。どうかなさいましたか?今は息子さんの……」
剛は、弁護士の祝福の言葉を遮り、単刀直入に本題を切りした。
「ああ、先。緊急でご相談したいことがあるんです」
剛の声は鋼のようにく、切のが削ぎ落とされている。
「息子に渡した結婚資百万円の返還請求を、今すぐにいたいのですが」
話の向こうで、弁護士が息をむのが分かった。
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弁護士は、驚きを隠せない声で尋ねた。
「結婚資の返還請求ですか?体何が……理由をお聞かせいただけますか?」
剛は、徹な声で答えた。
「理由は、贈与の提条件である族の信頼関係の完全なる崩壊です」
剛は、今結婚式会で起こった来事を、静にそして客観に説し始めた。
代の名が席次表から図に削除されていたこと。
嫁の千から「体育座りで分」という、としての尊厳を否定する言葉を浴びせられたこと。
そして息子の優太がそれを制止するどころか、同調したこと。
通り聞き終えた弁護士は、しばしの沈黙の、義憤に満ちた声で言った。
「それは……あまりにもひどいお話ですね。お話にもなりません。その状況であれば、民法の贈与契約の解除事由に該当する能性が極めていと判断できます」
剛は、淡々と指示をした。
「そうですか。では先、今すぐ内容証郵便の作成と送付をお願いします。宛先は、息子の沢優太。送付先は、本の結婚式会であるホテルグランデシア京です」
弁護士は、力く承諾した。
「承いたしました。これは刻を争う案件と見受けます。急に配し、本に発送いたします」
迅速かつ確な弁護士の対応に、剛はく礼を述べた。
「よろしくお願いいたします」
剛は、静かに通話を終した。
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スマートフォンの画面が暗くなると、内には再びい沈黙が戻った。
話を終えた剛の表は先程よりもさらにたく、しかしその奥には正義を執するという揺るぎない志が満ちていた。
代は、まだのどこかに残っている母親としての最のから、そっと問いかけた。
「本当にいいの?息子の結婚式を止にさせてしまうかもしれないのよ」
剛はゆっくりと代の方を向き、その瞳を真っ直ぐに見つめた。
剛は、何度でも言い聞かせるように、はっきりと告げた。
「代、何度でも言う。あの息子夫婦はおをとして扱わなかった。おがをにして働いてきた、その献との全てを完全に踏みにじったんだ」
剛は、千と優太が代に浴びせた言葉を、つつ噛みしめるように繰り返した。
「代遅れの護師、センスがなくて恥ずかしい、体育座りで分。こんな仕打ちを受けて、黙っているとでも言うのか」
剛は、妻の尊厳を守るというい決をにした。
「母親の尊厳を守らない息子なら、この俺が、夫である俺がおの尊厳を守る。絶対にだ」
その言葉は、代のにく、そして温かく染み渡った。
そうだ、私はもうしなくていいんだ。
私はただの母親であるに、沢代というのなのだ。
代は涙をぐいと拭い、決を込めた力い声で答えた。
「いいえ。もうしません」
その声を聞いて、剛は満げに頷いた。
代は、はっきりと言い切った。
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