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"消された母親席" 第16話

は、い詰めた表で呟いた。

「お父さんとお母さんに頼むしかない」

は、純のドレスの裾が汚れるのも構わず、控した。

そして、親族用の待配そうに待していた自分の両親の元へと駆け寄った。

は、両親に泣きついた。

「お父さん、お母さん!お願いがあるの!」

父親が、議そうに尋ねる。

「千、どうしたんだそんなに慌てて。もうすぐ式が始まるんじゃないのか?」

は、なりふり構わず懇願した。

「百万円、今すぐ用して!」

父親は、驚いて声をげた。

「ひ、百万だと?急に何を言っているんだ?」

は、必に事を説しようとした。

「披宴の費用がりないの!優太さんのお父さんたちが、ご祝儀を回収しちゃって……」

両親は、驚きの声をげる。

「回収!?体何があったんだ?」

は、言葉を詰まらせた。

「いいから!」

自分がこれから姑となるはずだった代に「体育座りで分」などという、としてあるまじき暴言を吐いたことなど、とても実の両親に説できるはずがなかった。

その頃、披宴会では。

刻をとっくに過ぎているにも関わらず、向に始まる気配のない状況に、ゲストたちの穏なざわめきが広がり始めていた。

ゲストのが、そうに囁く。

「何かあったのかしら?婦が控から全然てこないわよ」

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別のゲストも、周囲を見回して言った。

「式のスタッフも、みんな慌ただしくり回ってるし。おかしいわね」

やがてそのざわめきは、具体な噂話へと変わっていく。

どこから漏れたのか。

代に放った暴言の内容が、またたくにゲストたちのれ渡っていたのだ。

「聞いた?郎のお母さんに『体育座りで分』って言ったんですって。あのお嫁さん」

「ええっ、マジで?最じゃない。それでご両親が激して、ご祝儀を全部回収して帰っちゃったらしいわよ」

「自業自得ね。母親にそんなの聞き方するなんて信じられない」

噂が広まるにつれ、会の空気は祝福ムードから、ややかな軽蔑と非難のそれへと完全に変質していた。

そして、ついに審判のが訪れる。

の両親は、娘の非いをり、面をきっぱりと拒否した。

万策尽きた息子夫婦の元へ、支配が厳しい表で最の通告をする。

「おの猶予はもうありません」

誠に遺憾ながら、マイクを持った支配がゲストたちのて、げた。

「皆様、変申し訳ございません。本のご披宴は、諸般の事により止とさせていただきます」

その瞬、会は割れんばかりの号と非難の声に包まれた。

止だと?ふざけるな!せっかくくから来たんだぞ!」

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親戚たちからは、たい線が突き刺さる。

「優太君、代さんに体何をしたの?あんなに優しいお母さんをらせるなんて」

たちも次々と席をち、軽蔑の言葉を投げつけていく。

「千、信じられない。冗談だったなんて言い訳にもならないわ。もうあなたとは付きえない」

ものゲストたちのたい線と非難の言葉の集を浴びて、優太はを抱えてそのに崩れ落ちた。

は、ただ血の気の引いた顔でち尽くすことしかできなかった。

その夜。

自宅のリビングで、代と剛は静かにだけのを過ごしていた。

テレビの音だけが、部に響いている。

代は、静かにつぶやいた。

「結局、止になったのね」

剛は、淡々と答えた。

「ああ。自分たちのいの報いを受けただけだ」

その代の携帯話がテーブルので震えた。

画面には「沢優太」の文字が点滅している。

代は、その画面をただじっと見つめていた。

そして、ゆっくりと、しかし迷いのないつきでスマートフォンの側面にあるボタンを押し、その着信を静かに拒否した。

テーブルので震え続けるスマートフォン。

画面に点滅する「沢優太」の文字は、まるで過からの呪縛のように代のを揺さぶった。

しかし代はもう、その呪縛に囚われることはなかった。

彼女は震える画面を数秒ただ静かに見つめた、迷いのない指先で画面に表示された赤い拒否ボタンをタップした。

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