"消えた写真屋の父が残した一本のビデオ" 第11話
を失うと父へのりを混ぜないため、由美はしい舗の候補も探し始めた。
千鶴は娘が移転先を調べているのを見て、信吾のを守れなかったと言った。由美は自分が子どもだった、毎朝シャッターをげたのは母だと答えた。父が写真館をき、母が続けた。そのを「守れなかった」の言で消してほしくなかった。
そんなとき、藤崎が話をかけてきた。くまで来ているが、族へ話すに度だけ由美に会いたいという。彼は自分が警察に嘘をついた責任を説する必があると分かっていた。由美はのいる喫茶を指定し、健太に待ちわせの所とを伝えてから向かった。
藤崎は警察から連絡を受けた翌、自分から由美へ会いたいと言った。待ちわせには公共の喫茶を選び、最初に「証言を変える」と告げた。、午過ぎに写真館へったのは事実だった。信吾はにおり、瀬との話をしていた。
藤崎は建設業者として事の請け候補になっていた。しかし自分が借りた貸舗がにかかると分かり、瀬を問いただしに来た。瀬は補償がるから問題ないと言い、信吾は調査票の数字がき換えられた証拠を示した。
「信吾さんは、の案に反対したんじゃない。何の説もないまま、町ののと商売をかす決め方に反対していた。
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俺はそれを聞いて、瀬さんの側をれようとった」
論のあと、は役へかなかった。瀬は信吾へ、原本の調査票を見せるからへ乗れと言った。藤崎も同乗した。は役を通り過ぎ、郊にある資材置きへ向かった。瀬はそこでへ、偽造の写しを町へしたら損害を請求すると脅した。
信吾は帰ると言い、をりようとした。藤崎が止めたのは、暴力を受けるとったからではない。資材置きには産業者の古川が呼ばれており、そので話をまとめれば案を戻せると信じた。しかし古川は来ず、別の男が現れた。役所の係、斉藤だった。
「斉藤さんは、写真を見た。数字はうちでき直したと認めた。そのあと、信吾さんだけを奥の事務所へ呼んだ」
藤崎はで待ち、、信吾が傷のある顔でてきたのを見た。誰がをげたのか分からない。信吾はをつぐみ、帰りので「子どもの座に触るな」と瀬へ言った。翌、藤崎は写真館へ警察が来たとり、瀬に《信吾とは会っていない》と証言するよう迫られた。
藤崎が当を閉ざしたのは、請けの仕事を失うことを恐れたからだった。今は資材会社の従業員で、族の暮らしがある。それでも由美の顔を見て、過の選択を子どもにまで守らせたくないとったという。
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「父はその夜、へ戻っています。翌朝以は?」
藤崎は封筒をした。の料細に挟まれた、信吾からのいだ。失踪からかの消印で、《役所の斉藤に会うな。写真は守れ》といてあった。藤崎は自分が脅されているとい、を隠した。
父は失踪のかにもきていた。しかしなぜ族にはらせず、藤崎へだけを送ったのか。
川崎の印刷所へ着いたとき、由美は働く械の音に圧倒された。写真館の静かな暗と違い、が通るたびに属の台が震える。は古い従業員名簿をき、父が使った旧姓を指した。《野》。信吾の母方の姓で、写真館の仕入れ先にはられていない名だった。ごとの賃も、辞めたも記録されている。彼がなくとも昭まで、ここで働いていたことがのに残っていた。
「最初はの震えがあってね」とは言った。父はさな活字を拾う仕事を避け、きな裁断の備を任された。になるころには落ち着いたが、夕方の終業ベルが鳴ると必ずのを確かめた。あるときは、写真館へ話をしたいならの話を貸すと言った。父は受話器へを伸ばし、結局やめた。その面を何度も見たという。
「誰かに追われていたのかしら」
「最初は、そう見えました。あとになって、話をかければ帰れるのが怖いにも見えた」
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