"消えた写真屋の父が残した一本のビデオ" 第17話
その費用を参加者全員で負担するという。由美は父に相談せず、預けたたちの署名を集めて用途を決めてもらった。あの百万円は父の勇気の証でも、娘の相続財産でもない。町のたちが集めただった。
千鶴は瀬から受け取った万円をどうするか迷っていた。すでに賃や健太の学費に混ざり、封筒の現としては残っていない。由美は、同じ額を今すぐ返せばの沈黙が消えるとはわなかった。それでも母が自分ので記録を残すなら伝うと言った。千鶴は帳簿に当の付、額、瀬がにした言葉を記し、警察へ補の説をした。活のために使っただったと同に、止めのために受け取ったでもある。つを同じ頁にいた。
夜、健太はしいの机を組みてながら、青森へってみたいと言った。父の撮る学写真を見たいのだという。「向こうにっても、今の父ちゃんしかいないよ」と由美が言うと、健太は「それでいい」と答えた。父のいなかったを埋める旅ではない。今の父がどこで何をしているかるための、泊の旅だった。千鶴は旅費の部を渡そうとしてを止め、健太が自分で貯めた通帳を使うと言うのを聞いた。
舗の契約は、千鶴と由美が賃と責任の範囲を確かめてから署名した。
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写真館の名義をどうするか、親子で晩話した。父の姓を板から消しても、千鶴と由美が同じ姓であることは変わらない。昔ののように族だから曖昧でよい、とはしなかった。千鶴は撮の売を管理し、由美は修復の注文を受ける。末にはで帳簿をくことにした。
引っ越しの、タツがへ古い番の札を持ってきた。棚そのものは解体してよいが、札は由美へ渡したかったという。由美は机の引きしへしまわず、資料箱に父の預け物の記録と緒に入れた。父が箱を取りに戻らなかったことも、タツが守った約束も、枚の札からは分からない。だから札の横に、由美は発見までの経緯を自分の字でき添えた。
信吾がに度の約束を守り始めてか目、仕事の都で来られないと話があった。父は次に来られるを告げ、健太の卒業作品を送ってほしいと言った。健太は「自分で見せるから、次はを空けて」と答えた。延期した面会は翌週に実現した。信じることは度の謝罪で決めるものではないと、由美は父と会うたびった。
しいの初、最初の客は岡部さとだった。若いころの自分と夫が写った褪した写真を持ち、「顔はあまり直さないで」と頼んだ。傷と折り目だけを直して、写真に刻まれた齢は残してほしいのだという。
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由美は見積の余にその希望をき、客に確かめてもらった。記録を見たが決める。仕事のさな順が、族にはかけて覚えたこととなった。
取り壊しの、千鶴は古い写真館の奥で最にの帳簿を閉じた。業したから続く売の数字のには、信吾が失踪したの半を彼女がで作った記録がある。父が帰っても、そのを父のものにする必はない。由美は母へ「しいの賃はで決めよう」と言った。
千鶴は頷き、これまで使っていた《沢写真館》の板をした。信吾から始まった仕事を自分ので続けることも、形を変えることもできる。しいでは由美が修復を受け持ち、千鶴が撮を受け持つ。は械の費用と利益をにき、互いの名で署名した。
あるの閉、父が伝いを申した。由美はの仕事が忙しいので写真の額を運んでほしいと頼み、それ以は自分たちでできると言った。信吾は、自分がいなかったにを支えたの仕事を、遅れて帰ったからと取り返す気はないと答えた。由美はその言葉がと揃うまで、信じるのを急がなかった。
写真館は予定どおり取り壊された。の正がらかになっても、老朽化した建物は全ではなく、由美たちは別のを借りることにした。
千鶴は商の共同舗で証写真を撮り、由美は古い族写真の修復を請け負う仕事を始めた。
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