みかん小説
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"完璧な夫に給料を突き返した朝" 第11話

目のにあるのは、純然たる算数の問題だった。 どれだけ言葉を取り繕おうと、引き算の答えがマイナスである事実は変わらない。

「どうするかも含めて、あなたが決めるのよ」

私は淡々と答えた。

「あなたの座には、今、万円丸々入っているわ。には宅ローンとのローン、それにあなたのカード代が落ちる。それを優先するのか、それとも別の支払いに回すのか。残りのでどうやって末まで暮らすのか……全部、あなたが考えて」

「そんなこと言ったって! 母さんの旅代だって、もう旅会社に今に払う約束になってるんだぞ!? 今から払わないなんて言ったら、母さん、発狂するぞ……!」 「発狂させてあげればいいじゃない」 「なっ……!」 「おがないんだから。ない袖は振れない。それを伝えるのが、の主の役目でしょう?」

私は背を向け、キッチンのかりを消した。

「今夜はもう寝るわ。夕飯の噌炒め、レンジで温めてべてね。あ、の朝からは、あなたが計簿をつけてね。レシートはそこに溜めておくから」

「待てよ、朋美! おい! 朋美!」

から追いかけてくる痛な声を無して、私は寝に入り、内側からしっかりと鍵をかけた。 暗でベッドに横たわると、リビングからガタガタと子を引く音や、ボソボソとを抱えて唸る亮介の声が、壁越しに微かに聞こえてきた。

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、私が毎晩、わってきた孤独と絶望。 井の目を睨みつけながら、「どうやってお面しよう」「どうやってお義母さんに角をてずに断ろう」と胃をキリキリ痛め続けてきた

それを今、あの男がたった数わっているだけだ。 同など、ミリも湧いてこなかった。

翌朝、リビングの空気は氷点にまでえ切っていた。

テーブルのには、昨夜の噌炒めがつかずのまま、ラップをかけられてえ固まっていた。 亮介はソファに座ったまま、充血した目でスマートフォンの画面をスクロールしていた。 ワイシャツには着替えておらず、昨夜の部着のまま。 元には、何枚も計算をきなぐった裏が丸めて捨てられていた。

「……おはよう」

私が声をかけても、亮介はピクリとも反応しなかった。 ただ、震える指先で画面をタップし、アプリの残と、メモ帳の数字を見比べている。

私は何も言わず、朝の準備を始めた。 トーストを焼き、目玉焼きをつ作る。健太の分と、私の分だ。

「おい」

く、しわがれた声がソファからんできた。

「俺の朝飯は?」 「蔵庫に納豆と卵があるわ。パンもあるから、自分で焼いて」 「……なんでだよ。いつも作ってくれてただろ」 「費の予算をまだもらっていないからよ」

私はフライパンを洗いながら、肩越しに言った。

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分の費と用品代、最でも千円は必だって、昨覧にいたはずよ。そのお活費用の座に入れてくれない限り、私は買いしにけないわ。今ある材は、私が先のおで買ったもの。今から先、何を買って何を作ればいいのか、計の管理者が決めてくれないとけないの」

「屁理屈言うなよ!」

亮介ががった。 だが、その元は微かにふらついていた。

万から、ローンの千と千、カードの千を引いたら、もう千円しか残らないんだぞ!? 母さんの仕送りと旅代をしたら万だ! それだけで円も残らないんだよ! 費の千円なんて、どこからせって言うんだ!」 「だから、昨言ったじゃない。誰を断るの? って」

私はトーストを皿に乗せ、健太の席に置いた。

「お義母さんの旅万を断れば、費はるわよ。それとも、健太の特訓代万を払うために、お義母さんへの仕送りをゼロにする? それとも、あなたの放して、売却益で補填する?」 「放す……!? ふざけるな! あれを売ったら、休のゴルフや送り迎えはどうするんだよ!」 「けばいいじゃない」 「男がミニバンも持てないなんて、惨めすぎるだろ!」

どこまでも、自分のプライド。自分の世体。 この期に及んで、まだ何放そうとしない。

その、寝から健太がてきた。 制を包み、カバンを肩にかけている。

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