"昭和44年、最終バスから消えた女性車掌" 第3話
枚のうち像がたのは枚だけだった。バス内の井灯、曇った窓、座席に並ぶ買い物袋。枚には最列で毛糸の子を被るが写り、膝に類の入った袋を抱えている。紀子は通にしゃがみ、と目のさをわせていた。
写真の端には撮者の指が入り、窓のに県駅の計が見える。発に誰かが撮った写真だった。菓子缶の名簿にある《瀬誠》と同じ子なのかを確かめるため、美は旧分の学籍簿を調べた。昭度、に瀬誠の名がある。から欠席が続き、翌、《親族引取・阪へ転》とだけ記されていた。
転先の学名も所も空欄だった。通常なら学証や転類を送る必がある。担任だった教師の欄には、美がよくる名があった。閉理を緒にしていた元、野々信子である。信子は写真を見るとを認めたが、「誠は親戚へった」と繰り返した。誰が迎えに来たか尋ねると、窓のを見たまま答えなかった。
美は菓子缶からた宛名のない封筒をけた。にはだけあった。
《紀子さんは、僕をへ返さなかった。そのせいで、僕はきています》
田との最初の面会、美の勤務先へ匿名の話が入った。「教師が昔の男を脅している」「母親と同じでを騒がせる女だ」
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とへ告げる内容だった。美はで受け止めず、面会と質問内容をへ提し、弁護士同席で調査していると説した。学は私活の問題だと距を置かず、職員への嫌がらせとして話記録を残した。
田は匿名話を否定したが、彼の会社の事務所から掛けられたことが番号記録で分かった。当の部が、社を守るつもりで自分がしたと認めた。田は止めなかった。と同じように、が自分に利なをするのを黙って見ていた。美はこの件も面会条件へ加え、以の連絡を代理経由にした。
当夜の乗客のうち、命者はいた。は途で島のトラックを見たと覚え、は眠っていてらないと答えた。の女性は、紀子が部扉をける、田へ「庫へ話して」と叫んだと証言した。田は無線のない両で連絡できないと答えたが、次の集落の公衆話へする選択はあった。彼は定運と乗客を理由に、そのまま終点へ向かった。
美は、田が紀子を助けなかったことだけで運転として全面に誤っていたと決めなかった。夜で乗客を乗せたバスを放置できない事はある。問題は終点へ着いたに警察へ正しい所を告げず、翌朝からと私奔の話を作ったことだ。
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危険な瞬の判断と、そのの虚偽を分けることで、田は「仕方なかった」の言へ逃げられなくなった。
田正雄は県でさなタクシー会社を経営していた。歳を越えても事務所へて、壁には無事故表彰の賞状を飾っている。美が枚目の切符を見せると、最初は偽物だと言った。紀子が使っていた改札鋏は会社へ返却され、同じ穴をから作ることもできるという。
美は原物を渡さず、切符の番号を読みげた。紀子の残券台帳では、児券の枚だけ番号がんでいる。の券は同じ最終便で使われ、翌の回収束に残っていた。枚目が当に切られたことは番号の並びで説できる。田は写真のを見ても、乗せた記憶はないと答えた。
「では、しない貸切便の万円は誰が受け取ったんですか」
田は島備がバス会社へ払う予定だったで、紀子に預けたと主張した。美が当の運転報を示すと、貸切に使える両ももない。田の個帳には、失踪に島から万円を借りた記録があった。庫理で廃棄される荷物から、元同僚が見つけたものだった。
借の理由は賭け事だった。田は町の料理でわれる札に通い、島龍蔵へ何度もて替えてもらっていた。
の夜、返済を迫られ、翌朝には営業所のとして帳簿へ入れる必があった。紀子が消えたため、彼女が受け取った貸切代という話を作れば、自分の借も返済も説できる。
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